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大江戸釣客伝 下
オオエドチョウカクデン
- 著: 夢枕 獏

人間の愚かさ、気高さを釣りの世界で描く
釣り船禁止令で絵師朝湖は三宅島へ島流しとなり、江戸で支援の秘策が練られる。赤穂浪士の討ち入りがあり、江戸の町が大地震による火災にやられ、周辺は津波に襲われるなか、釣り人たちの運命は!?
そもそも釣りは人の道にあらず、外道の道なり。この道に生き、この道に死して悔なし。
なまこの新造が、あれほど釣りにのめり込んだというのも、その心のどこかには哀しみのようなものがあったのではないか。自分の握るこの竿は、人が生きてゆくための杖である。人は淋しい。人は愚かだ。その淋しさや、哀しさや、愚かさの深さに応じて人は釣りにゆくのであろう。――<本文より>
第46回吉川英治文学賞受賞
書誌情報
紙版
発売日
2011年07月28日
ISBN
9784062170871
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
322ページ
初出
『小説現代』2005年11月号~2011年2月号