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大阪アースダイバー
オオサカアースダイバー
- 著・写真: 中沢 新一
著者は、心の無意識までを含んだ四次元の地図を作成する作業の全体を、「アースダイバー」と名づました。258万年前から現在にいたる地質の変遷を示す「第四紀地図」図と考古学の発掘記録、それに現代の市街図を組み合わせて、土地のもつ「本当の姿」を明らかにしていきます。またその作業には、古代人の心の構造を教える人類学、歴史学、心理学などあらゆる知が境界を越えて動員されます。
今回その対象となるのは、大阪です。現在の大阪は5000年前にはほとんどが海面下にありました。南北に走る細長い上町台地だけが、古くからある陸地です。その南北の線を軸に、そして東の生駒山脈から発する死のパワー(デュオニソス軸)が、東西に力を加え、その座標軸が大阪の基盤をつくっていると著者は考えます。そしてその交点にある四天王寺が大阪の中心となっています。物差しをもつ聖徳太子=太子信仰は、職人的世界のバックボーンになっています。
一方ミナミ、キタ、ナニワなど大阪の中心地は、「くらげなす」砂州の上に成立し、それゆえに浮遊する世界=都市=商業を発展させえたということなります。
大阪の古層にある、南からの海洋民、半島から到達した「海民」をキーワードに、大阪の無意識へとダイヴィングするスリリングな冒険を試みます。
Ⓒ中沢新一
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目次
プロローグ 融通無碍の都市=大阪へ
第一部 プロト大阪
第二部 ナニワの生成
第三部 ミナミ浮上
間奏曲
第四部 アースダイバー問題集
appenndix 河内・堺・岸和田--大阪の外縁
エピローグにかえて
書誌情報
紙版
発売日
2012年10月11日
ISBN
9784062178129
判型
A5変型
価格
定価:2,310円(本体2,100円)
ページ数
322ページ
電子版
発売日
2019年06月28日
JDCN
06A0000000000118023W
著者紹介
著・写真: 中沢 新一(ナカザワ シンイチ)