七月に流れる花

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七月に流れる花

シチガツニナガレルハナ

文芸(単行本)

坂道と石段と石垣が多い静かな街、夏流(かなし)に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城――夏流城(かなしろ)での林間学校への招待状が残されていた。ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。城には三つの不思議なルールがあった。鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。水路に花が流れたら色と数を報告すること。少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。


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書誌情報

紙版

発売日

2016年12月20日

ISBN

9784062203449

判型

四六変型

価格

定価:2,530円(本体2,300円)

ページ数

228ページ

初出

「エソラ」vol.08、vol.09

著者紹介

著: 恩田 陸(オンダ リク)

1964年宮城県生まれ。第3回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』で92年にデビュー。2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞と第2回本屋大賞、2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞長篇および連作短編部門賞を受賞。近著に『夢違』『夜の底は柔らかな幻』『EPITAPH東京』『ブラック・ベルベット』『消滅 - VANISHING POINT』『タマゴマジック』などがある。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジーなどあらゆるジャンルで、魅力溢れる物語を紡ぎ続けている。

絵: 酒井 駒子(サカイ コマコ)

兵庫県生まれ。東京芸術大学美術学部油絵科卒。『ゆきがやんだら』はオランダで銀の石筆賞を受賞。2004年『きつねのかみさま』(文:あまんきみこ)で第9回日本絵本賞、2005年『金曜日の砂糖ちゃん』でブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌賞、2006年『ぼく おかあさんのこと…』でフランスにてPITCHOU賞、オランダにて銀の石筆賞、2009年『くまとやまねこ』(文:湯本香樹実)で第40回講談社出版文化賞を受賞。作品に『よるくま』、『ロンパーちゃんとふうせん』『BとIとRとD』『はんなちゃんがめをさましたら』などがある。絵本のほか、書籍の装画など幅広い分野で活躍をしている。

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