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青空に飛ぶ
アオゾラニトブ
- 著: 鴻上 尚史

終わらないいじめ。理解されない苦しみ。人生に絶望し、自殺を考える少年・萩原友人。彼が出会ったのは、太平洋戦争時、9回にも及ぶ特攻から生還を果たした佐々木友次さんだった。「どうして、そんなに苦しい状況で、“生きよう”と思い続けられたんだろう」佐々木が所属した万朶隊の物語、そして佐々木自身の言葉を前に、友人の傷ついた心は少しづつ前を向き始めるが……。
2015年10月。中学2年生の萩原友人は、伯母の住む札幌を訪れる。それはいじめられる日々からの束の間の逃避であった。友人はひょんなことから伯母の勤務する病院に神風特攻隊の有名人・佐々木友次が入院していることを知る。
いじめの苦しさから逃れるため、自殺を試みるも思いとどまった友人は、伯母の勤める病院に向かい、佐々木の病室を見つける。佐々木は9回特攻に出撃し、9回とも生還したのだという。特攻隊と佐々木に関心を持った友人は、古本屋で『陸軍特別攻撃隊』を手にする。そこに書かれていたのは、敵艦への体当たりという任務を負った万朶隊の物語であった。
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書誌情報
紙版
発売日
2017年08月08日
ISBN
9784062207096
判型
四六変型
価格
定価:1,705円(本体1,550円)
ページ数
298ページ
初出
本書は「小説現代」2016年4月号、6月号~8月号、10月号、12月号、2017年1月号~4月号で連載されたものに、加筆、修正しました。
著者紹介
1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学法学部卒業。在学中に劇団「第三舞台」を結成。以降、作・演出を手掛ける。1987年「朝日のような夕日をつれて」で紀伊国屋演劇賞、92年「天使は瞳を閉じて」でゴールデン・アロー賞、95年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞を受賞する。日本劇作家協会会長。現在は「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を主宰し活動中。小説に『ヘルメットをかぶった君に会いたい』『僕たちの好きだった革命』『八月の犬は二度吠える』『ジュリエットのいない夜』がある。