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蒼穹の昴 1
ソウキュウノスバル1
- 著: 浅田 次郎

極貧の少年に与えられた途方もない予言 そこに「希望」が生まれた
魂をうつベストセラー大作待望の文庫化!
汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう――中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児(チュンル)は、占い師の予言を信じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀(ウェンシウ)に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた2人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつベストセラー大作!
もう引き返すことはできない。春児は荷台に仰向いたまま唇を噛んだ。満月に照らし上げられた夜空は明るく、星は少なかった。「昴はどこにあるの――」誰に訊ねるともなく、春児は口ずさんだ。声はシャボンのような形になって浮き上がり、夜空に吸いこまれて行った。途方に昏(く)れ、荒野にただひとり寝転んでいるような気分だった。「あまた星々を統べる、昴の星か……さて、どこにあるものやら」老人は放心した春児を宥(なだ)めるように、静かに胡弓を弾き、細い、消え入りそうな声で唄った。――<本文より>
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目次
第一章 科挙登第
第二章 乾隆の玉
書誌情報
紙版
発売日
2004年10月15日
ISBN
9784062748919
判型
A6
価格
定価:792円(本体720円)
ページ数
384ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2009年12月11日
JDCN
0627489100100011000L
初出
本書は’96年4月に小社より刊行されました『蒼穹の昴』上下刊を四分冊にした第1巻です。
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お知らせ
浅田次郎先生が第9回日本歴史時代作家協会賞 功労賞を受賞しました。