
マイページに作品情報をお届け!
捨てられる銀行
ステラレルギンコウ
- 著: 橋本 卓典

2015年夏に就任した森信親・金融庁長官の真意を知ろうと、いま金融機関のMOF担はじめ多くの銀行関係者は右往左往している。もともと不良債権処理のために整備された金融庁による金融検査の手法が一変しようとしているのだ。森長官に密着する金融庁担当記者がそのすべてを明らかにする。
森信親・金融庁長官が剛腕を揮う、金融改革とは何か。会議の一新。銀行を飛び越えて、取引相手の中小企業に銀行について徹底ヒアリング。金融検査マニュアルを実質廃止して、金融機関の事業性を評価する新基準。始まったばかりの改革の行く末と狙いを明らかにする。
森信親、金融庁長官の素顔。森長官が地銀から異例の一本釣りをして改革の担い手として抜擢した日下智晴氏の正体。地域金融のトップランナー、多胡秀人氏の信条。
金融検査マニュアルや信用保証協会の存在で、顧客を見なくなり、目利き力を失った金融マンの問題とは。ノルマ達成がメインだった人事評価を一変せよ!
稚内信金、北國銀行、きらやか銀行、北都銀行など、改革をいち早く始め成果を上げた地域金融のケーススタディ。
オンライン書店で購入する
目次
第1章 金融庁の大転換
1金融庁の新方針 金融庁のエース/不良債権処理官庁からの脱却 2「処方箋を持ってこい」 中小企業1000社をヒアリング/財務局長の抵抗/森長官の危機感 3中小企業ヒアリングから見えてきたこと 地元を顧みない地銀/顧客の関心は金利だけ? 4ベンチマークの導入 地方創生に貢献しているか/3つのKPI 5検討会議 会議メンバーに地銀が驚愕/地銀の面従腹背は許さない 6事業性評価 「銀行マンはどんどんバカになっています」/マツダ復活のカゲに広島銀行の事業性評価/広島銀行の斬新な企業分析/優良地銀の実例を収集していた森長官
第2章 改革に燃える3人
1森信親長官の真意 役人の尺度では測りがたい異端児/省益ではなく国益/大蔵スキャンダルへの失望/儀式的な会議を一蹴/検査局は壮大なる無駄をしているのではないか/過去を否定する破壊力/森ペーパーの衝撃/地銀再編論者という誤解 2森長官が抜擢したキーマン・日下智晴 検討会議の調整役/バブル崩壊とマツダ/森長官が日下を一本釣りした事情 3地域金融のプロフェッショナル・多胡秀人 リレーションシップ・バンキングの審議会
第3章 「選ばれる銀行」になるために
1金融検査マニュアル 「預金者保護」は無責任 2 マニュアル行政の恐ろしさ 現場レベルでマニュアルは形骸化 3 信用保証制度による目利き力の喪失 ノーリスクで目利きを放棄 4 短コロを知らない金融マンたち 13年ぶりの短コロ復活/短コロで銀行の行動が根本から変わる 5 リレバンを取り戻せ 考えることをやめた地域金融/鎖を欲しがる地域金融 6 営業目標と人事評価 地元の活性化に貢献という理想/営業ノルマ達成の数字がすべて 7 忘れられた事業再生 地域金融の本丸は事業再生/法令順守だけでは地域金融は守れない/メインバンク制の難問
第4章 新しい4つのビジネスモデル
1 稚内信用金庫 リスクをとるための「やせ我慢経営」 2 北國銀行 営業ノルマを捨てた地銀 3 きらやか銀行 本業支援というビジネスモデル 4 北都銀行 「地域課題解決」で再スタート
終章 森金融庁改革の行方
1 地域金融の化学反応
2 新時代の金融庁
3 捨てられる銀行
書誌情報
紙版
発売日
2016年05月18日
ISBN
9784062883696
判型
新書
価格
定価:880円(本体800円)
通巻番号
2371
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社現代新書
電子版
発売日
2016年05月27日
JDCN
0628836900100011000Y
著者紹介
共同通信社金融庁担当記者。一九七五年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。二〇〇六年共同通信社入社。経済部記者として流通、証券、大手銀行、金融庁を担当。〇九年から二年間、広島支局にも勤務。金融を軸足に幅広い経済ニュースを追う。一五年から二度目の金融庁担当で、地域金融を中心に取材。
オンライン書店一覧
既刊・関連作品一覧
関連シリーズ
-
分断と凋落の日本
-
21世紀の国家論
-
2時間でわかる政治経済のルール
-
どアホノミクスよ、お前はもう死んでいる
-
国民経済 その歴史的考察
-
大メディアの報道では絶対にわからない どアホノミクスの正体
-
日台IoT同盟
-
世界大変動と日本の復活
-
中国GDPの大嘘
-
日本中枢の狂謀
-
日本に恐ろしい大きな戦争が迫り来る
-
平成デモクラシー 政治改革25年の歴史
-
富の未来
-
日本中枢の崩壊
-
日本政府のメルトダウン 2013年に国民を襲う悲劇
-
日本改造計画
-
対中戦略 無益な戦争を回避するために
-
政治の衰退
-
政治と経済のしくみがわかるおとな事典
-
世界デフレは三度来る
-
新・帝国主義時代を生き抜く「情報戦略」
-
証言 民主党政権
-
証言 細野豪志 「原発危機500日」の真実に鳥越俊太郎が迫る
-
財務省が隠す650兆円の国民資産
-
砂糖と安全保障 TPP参加が領土問題を勃発させる
-
国会崩壊
-
国家情報戦略
-
京都・同和「裏」行政 現役市会議員が見た「虚構」と「真実」
-
官報複合体 権力と一体化する新聞の大罪
-
デフレの真犯人 ―脱ROE〔株主資本利益率〕革命で甦る日本
-
ツイッターを持った橋下徹は小泉純一郎を超える
-
エネルギー・原子力大転換電力会社、官僚、反原発派との交渉秘録
-
アベノリスク 日本を融解させる7つの大罪
-
「超日本」宣言─わが政権構想
-
「活米」という流儀 外交・安全保障のリアリズム
-
「仮面の騎士」橋下徹 独裁支配の野望と罠