
マイページに作品情報をお届け!
慈悲
ジヒ
- 著: 中村 元

稀代の仏教学者が追究した仏道の根本概念 その出発点にして到達点
他者へのあたたかな共感がここにある
友愛の念「慈」、哀憐の情「悲」。生きとし生けるものの苦しみを自らのものとする仏の心、そして呻きや苦しみを知る者のみが持つあらゆる人々への共感、慈悲。仏教の根本、あるいは仏そのものとされる最重要概念を精緻に分析、釈迦の思惟を探究し、仏教精神の社会的実践の出発点を提示する。仏教の真髄と現代的意義を鮮やかに描いた、仏教学不朽の書。
慈悲の実践はひとが自他不二の方向に向って行為的に動くことのうちに存する。それは個々の場合に自己をすてて他人を生かすことであるといってもよいであろう。(中略)それは個別的な場合に即して実現さるべきものであるが、しかも時間的・空間的限定を超えた永遠の意義をもって来る。それは宗教に基礎づけられた倫理的実践であるということができるであろう。かかる実践は、けだし容易ならぬものであり、凡夫の望み得べくもないことであるかもしれない。しかしいかにたどたどしくとも、光りを求めて微々たる歩みを進めることは、人生に真のよろこびをもたらすものとなるであろう。――<「結語」より>
※本書の原本は、1956年に平楽寺書店より刊行されました。
- 前巻
- 次巻
オンライン書店で購入する
目次
第1章 問題の意義
第2章 慈悲の語義
第3章 慈悲の観念の歴史的発展
第4章 慈悲の理論的基礎づけ
第5章 慈悲の倫理的性格
第6章 慈悲の行動的性格
書誌情報
紙版
発売日
2010年11月11日
ISBN
9784062920223
判型
A6
価格
定価:1,320円(本体1,200円)
通巻番号
2022
ページ数
288ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
原本は、1956年に平楽寺書店より刊行された。
著者紹介
オンライン書店一覧
関連シリーズ
-
仏教名言辞典
-
はじめての大乗仏教
-
仏教の歴史 いかにして世界宗教となったか
-
般若経 空の世界
-
お経 天台宗
-
仏教の常識<座右版>
-
仏教「死後の世界」入門-美しく生きて美しく死ぬ
-
仏像でわかる仏教入門
-
日常語からわかる仏教入門
-
ほとけさまの智恵と慈悲
-
仕事がつらいときに読む仏教の言葉
-
この人を見よ ブッダ・ゴータマの生涯
-
大乗仏教の誕生 「さとり」と「廻向」
-
大仏師運慶 工房と発願主そして「写実」とは
-
朝鮮仏教史
-
教えて、釈先生! 子どものための仏教入門
-
空海の哲学
-
維摩経の世界 大乗なる仏教の根源へ
-
菩薩 由来と信仰の歴史
-
仏教入門
-
住職という生き方
-
親の姿,子の心
-
三人の天使 好胤説法二十章
-
悟りとは決心すること
-
観音さま
-
密教の水源をみる 空海・中国・インド
-
差別の超克
-
戦国僧侶列伝
-
仏法の種まき
-
だから仏教は面白い!
-
密教とマンダラ
-
善の根拠
-
鎌倉仏教への道 実践と修学・信心の系譜
-
老荘と仏教
-
本願寺
-
法句経
-
仏法僧とは何か 『三宝絵』の思想世界
-
仏典のことば さとりへの十二講
-
仏陀 南伝の旅
-
仏教民俗学
-
仏教発見!
-
仏教の真実
-
八宗綱要
-
入門 哲学としての仏教
-
日蓮 その生涯と思想
-
日本仏教の思想
-
道元入門-生の充実を求めるために
-
東大卒僧侶の「お坊さん革命」―お寺は最高のエンタメ発信地
-
池田魯参 般若心経
-
須弥山と極楽 -仏教の宇宙観-
-
神さまが嫌う最悪参拝 仏さまが喜ぶ最良参拝
-
笑う禅僧─ 「公案」と悟り
-
私だけの仏教 あなただけの仏教入門
-
誤解された仏教
-
玄奘三蔵
-
空の思想史
-
空と無我 仏教の言語観
-
一冊でわかる! 「仏教」って何?
-
阿弥陀経
-
マンダラの謎を解く-三次元からのアプローチ
-
ポケット般若心経
-
バウッダ[佛教]
-
そうだ、お寺に行こう! 悩んだとき、落ち込んだとき、心が晴れ
-
こころ自由に生きる練習 良寛88の言葉
-
かたよらない こだわらない とらわれない 般若心経の力
-
お経
-
『涅槃経』を読む
-
「般若心経」を読む