「書」と漢字

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「書」と漢字

ショトカンジ

講談社学術文庫

聖徳太子、光明皇后、空海、小野道風……名筆は、いかにして生まれたか!?
日本書道史上の逸品中の逸品の謎を、精緻に解き明かした力作。

「三経義疏」は聖徳太子の自筆か。正倉院に蔵された書のなりたちとは。空海の最高傑作「風信帖」の理念。天才児・小野道風の感性――漢字が日本に伝わり機能しはじめる飛鳥時代から、本格的に和様が完成される平安中期まで、書法にこめられた造形性とはどのようなものだったか。書道史上に残る逸品を解析しつつ、書と漢字の受容と展開をあとづける。

本書はそのような新しい学問の傾向に感化を受けながら、大陸から日本に漢字が伝えられ、それを日本がどのように受け入れ、さらに日本人の感性に適合させていったかということを、とくに造形の面に視点を置いて述べたものである。
 
漢字のもつ基本的な造形に、毛筆を通じた豊かな表現性が加わり、書の歴史は形成されていった。漢字がなければ書は生まれなかったし、毛筆がなくても書にはならなかっただろう。もとより日本がなくては、和様の書法は生まれるべくもなかったことをあえて述べて、これから本論に入ることにしよう。――<本書「序章」より>


目次

第1章 聖徳太子は三経義疏を書きえたか――法華義疏
第2章 日本最古の碑の謎――宇治橋断碑
第3章 欧陽詢書法の展開――金剛場陀羅尼経
第4章 東大寺献物帳は語る――正倉院文書
第5章 空海の書法の意味――風信帖と金剛般若経開題
第6章 千変万化の筆脈――伊都内親王願文
第7章 天才児道風と和様――智証大師諡号勅書と玉泉帖

書誌情報

紙版

発売日

2010年11月12日

ISBN

9784062920230

判型

A6

価格

定価:1,056円(本体960円)

通巻番号

2023

ページ数

296ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

原本は、1996年に小社より刊行された。

著者紹介

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