青春の終焉

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青春の終焉

セイシュンノシュウエン

講談社学術文庫

かつて人生の核心は青春にほかならなかった! 三島由紀夫、夏目漱石、小林秀雄、ドストエフスキー、太宰治らから滝沢馬琴に遡り、村上龍、村上春樹へ。
近代日本の文学と思想を、鮮やかに解析する!

小林秀雄は、なぜ、青春にこだわらなければならなかったのか。秀逸な小林論でありながらそこにとどまらず、近代日本の文学・思想を博捜し、さらには江戸時代までさかのぼってスリリングに展開する画期的文芸評論。「日本近代文学は青春という病の軌跡にほかならない。その視点に立ってひとつの歴史が語られなければならないと考えた」著者の会心作。

これが、小林秀雄と中原中也が強いこだわりを見せた青春という言葉の沿革である。新しく生み出された言葉が、人の生き方を支配するまでにいたったのだ。さらに文学をまで支配するにいたった。それこそが日本近代文学の実質であるとさえ考えられるにいたったのである。しかし、(略)学生反乱の年として知られる1968年、おそらくその最後の輝き、爆発するような輝きを残して、この言葉は消えていった。なぜか。――<本書「はしがき」より>


目次

一 青春の終焉
二 恋愛の台本
三 ドストエフスキーの波紋
四 歴史とカーニヴァル
五 道化の逆説
六 笑う近代
七 女々しさの勁さ
八 十九世紀日本文学
九 馬琴の影
十 故郷転生
十一 教養の幻想
十二 文化の皮肉
十三 大学の死
十四 急進と根源
十五 失うものは何もなかった……

書誌情報

紙版

発売日

2012年04月11日

ISBN

9784062921046

判型

A6

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

通巻番号

2104

ページ数

544ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

原本は、2001年、講談社より刊行されたもの。

著者紹介

著: 三浦 雅士(ミウラ マサシ)

1946年生まれ。『ユリイカ』『現代思想』編集長として活動後、評論家に転じる。主な著書に『私という現象』『メランコリーの水脈』『身体の零度』『考える身体』など多数。雑誌『ダンスマガジン』『大航海』を創刊し、編集長。

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