海に沈んだ大陸の謎 最新科学が解き明かす激動の地球史

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海に沈んだ大陸の謎 最新科学が解き明かす激動の地球史

ウミニシズンダタイリクノナゾサイシンカガクガトキアカスゲキドウノチキュウシ

ブルーバックス

地球の大陸がいつから存在し、どのように成長してきたかは、現代の地球科学者もよくわかっていない。ただ少なくとも、現在の大陸分布は一時的なものにすぎず、かつて大陸が合体と分裂をくり返してきたことはまちがいない。最新研究により、岩石を構成する小さな鉱物中の微量元素から大陸成長史が見えてきた。そして、かつて少年少女を魅了した“失われた大陸(ムー、アトランティス)の伝説”が蘇る。第七の大陸は実在する!


我々がよく知る6大陸のほかに、もうひとつの大陸が存在する! その名は……。
好評既刊『地球を突き動かす超巨大火山』の著者による、地球ミステリー第2弾! ミクロな物質から地球史を復元する壮大な謎解きを、地学の知識がない読者に向けて解説します。

【幻の大陸の伝説】
かつて多くの少年少女を夢中にさせた「ムー大陸伝説」。それは、はるか昔の太平洋に存在し、古代文明とともに海に沈んだ「幻の大陸」の言い伝えです。ハワイ諸島やイースター島は沈没を免れた大陸の一部だ、とも言われます。大西洋のアトランティス大陸の伝説も有名です。「幻の大陸」などいかにも怪しい話ですが、簡単にウソと言い切れるものでしょうか。
我々がよく知る6つの大陸の分布は永続的なものではありません。およそ1億8000万年前、6大陸はくっついていて、1つの超大陸「パンゲア」を形成していました。じつは、大陸の合体と分裂が長い時間をかけて何度もくり返されてきました。そのようなダイナミックな変動が起きていたならば、地球の長い歴史上、一度は誕生しながら姿を消した大陸があってもよさそうなものです。もしかすると、幻の大陸の伝説はそうした存在を語り継ぐもので、あながち単なる“お話”ではないのかもしれません。

【伝説の検証】
幻の大陸の伝説を検証するならば、地球の歴史やしくみを解明してきた地球科学が役に立ちます。地球科学は、地表を覆う岩板=プレートの生成メカニズムや運動の様子を明らかにし、プレートテクトニクス理論を確立しました。それは、地形形成や火山・地震活動の原因の統一的な説明を可能にしました。上記の大陸の変動も、地球科学が明らかにした事実です。
じつは、現代の地球科学では海底に大陸があってもおかしくない、と考えられています。実際に、地球科学者たちは調査船に乗り「海に沈んだ大陸」を探しています。本書の著者もそのひとり。といっても、大陸を見つけるには、広い海のどこで何を探せばよいのでしょうか? 大陸が海底に沈んでしまったとすれば、それはいつのことで、どんな理由があったのでしょうか?
本書は最新研究を紹介しつつ、これらの謎に大真面目に挑みます。どうやら、岩石を構成する小さな鉱物に含まれる微量元素が、大陸形成史解読のカギを握っているようです。


  • 前巻
  • 次巻

目次

第1章 ムー大陸は本当にあったのか?
1-1 海に沈んだ大地
1-2 巨大海台は大陸の残骸か?
1-3 環太平洋地域に分布する大陸の欠片
第2章 南太平洋の失われた大陸
2-1 プレートテクトニクス――地球の変動を説明するモデル
2-2 超大陸と太平洋プレート
2-3 パシフィカ大陸
第3章 そもそも大陸とはなにか?――その材料と成り立ち
3-1 大陸と海洋の違い
3-2 地球をつくる材料
3-3 大陸と海洋はなぜ標高が違うのか――アイソスタシー
3-4 大陸地殻の成因
第4章 大陸形成の歴史
4-1 大陸地殻の年齢
4-2 大陸の形成モデル
4-3 大陸の成長史
4-4 大陸生成の場
第5章 第七の大陸は実在する!
5-1 ムー大陸伝説の検証
5-2 ジーランディア大陸
5-3 陸が海に沈み込むメカニズム
5-4 アトランティス大陸伝説の検証
第6章 大陸沈没を超える天変地異
6-1 超巨大火山と巨大隕石
6-2 隕石衝突説 vs. 火山噴火説

書誌情報

紙版

発売日

2017年07月19日

ISBN

9784065020210

判型

新書

価格

定価:1,078円(本体980円)

通巻番号

2021

ページ数

240ページ

シリーズ

ブルーバックス

電子版

発売日

2017年07月21日

JDCN

06A0000000000004282A

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