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動乱の刑事
ドウランノケイジ
- 著: 堂場 瞬一

大義か、道義か。
刑事と公安、親友同士のふたりの警官。使命の違いは、守るべきものを曇らせる。
一九五二年、サンフランシスコ講和条約発効直前。東京都内の駐在所が爆破される。死者は二名。ひとりは駐在巡査、もうひとりの身元は不明。刑事の高峰は、共産党過激派の関与を睨むが、秘密主義の公安から情報が流れず、捜査は難航。高峰は、親友で公安に所属する海老沢に協力を仰ぎ、共同戦線を張って真相に近づこうとする。だが、あくまで個人への犯罪として捜査する「捜査一課」に対し、事件を利用し過激派の瓦解を目論む「公安一課」という相反する立場が、ふたりの関係に影を落とす。
時代の乱れが、警察という「組織」の矛盾を生み出していく。
戦後警察の光と闇を炙り出す一大叙事詩、待望の第二幕!
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目次
第一部 爆破
第二部 内部の敵
書誌情報
紙版
発売日
2019年05月23日
ISBN
9784065155691
判型
四六変型
価格
定価:1,870円(本体1,700円)
ページ数
346ページ
初出
「小説現代」2018年10月号
著者紹介
堂場瞬一(どうば・しゅんいち) 1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「警視庁犯罪被害者支援課」「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」の各シリーズのほか、『八月からの手紙』『傷』『Killers』『ネタ元』『焦土の刑事』『ザ・ウォール』『帰還』など多数。