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岸田ビジョン 分断から協調へ
キシダビジョンブンダンカラキョウチョウヘ
- 著: 岸田 文雄
「日本のため、国民のため、政権を勝ち取る」――本命候補が、ついに決起宣言する。
ここ数年、格差拡大、「勝ち組」と「負け組」、中間層の没落などが顕著になり、新型コロナウイルスの感染拡大によってさらにその傾向は強まった。
日本だけでなく、欧米やアジアなど、世界的に「格差拡大」が広がり、さらに国同士の分断も進む。
この「分断の時代」に、求められていることこそ「協調の精神」ではないか。
具体的には、高額の金融所得に対する課税率の見直し、中間層の教育、住宅費に対する支援、社会人に対する再教育支援、中小企業、小規模事業者に対する支援などである。
さらにIоTなどの普及によって、地方にあっても都会と同じレベルの仕事ができる環境ができつつある。
宏池会の大先輩・大平正芳元首相が唱えた「田園都市構想」を再生し、「デジタル田園都市構想」を推進する。
外交面でも、「分断から協調へ」がキーワードになる。4年7ヵ月の外相経験を通して、アメリカ、イギリス、ロシア、中国をはじめ世界の首脳と築いてきた人間関係を生かし、孤立化、分断化が進む世界で「協調」をテーマとした外交を展開する。
さらに広島出身の政治家として、「核兵器なき世界」への取り組みは最大のテーマである。2016年に実現したアメリカ・オバマ大統領(当時)の広島訪問は、核軍縮という観点で非常に大きな出来事だった。
核軍縮交渉の根底には、やはり協調というベールが求められる。
なぜ政治家を志したのか。
差別を憎み、理不尽を疑う心はどこから芽生えたのか。
日本政治にいまも内在する悪弊とは何か。
その一方で、長く守り抜いていかなければいけない価値とは。
政治家人生を懸けた、渾身の一冊。
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目次
はじめに
「聞く力」を持つリーダー
戦後最大の国難に直面して
「コロナ対策」補正予算の策定
浮かび上がった「日本の課題」
「成長戦略」五つの柱
第一章 分断から協調へ
「47歳」の日本
新しい資本主義に向けて
緩和の限界
地方再生と財政の持続可能性
中間層の底上げを!
大企業と中小企業・小規模事業者の共存
データ駆動社会
いまこそ「田園都市構想」
令和の時代の農業
地方発世界行き
国立大学の復活を
持続可能性と三つの視点
環境問題のリーダー国に
個性を生かすワンチーム
第二章 ヒロシマから世界へ
賢人会議
勝者なき戦争
中国と核
朝鮮半島有事に備えよ
ソフトパワー外交
自由・民主主義・人権の尊重・法の支配
憲法九条と現実の狭間で
韓国の「国民情緒法」
広島の一番長い日
「フミオが言うなら」
黒い雨の記憶
第三章 「信頼」に基づく外交
愛犬ベン
酒豪の外相
対ロ交渉の舞台裏
王毅外相の「能面」が緩んだ瞬間
吉田ドクトリンの後継者
第四章 人間・岸田文雄
ニューヨークでの出会い
行きは五人で帰りは六人
開成高校野球部の青春
野球から学んだチームプレー
東大とは縁がなかった
三度目の失敗
早大時代の「校外活動」
「空飛ぶ棺桶」で出張
クリスマスの「プレゼント」
仁義なき選挙戦
建設省を敵に回した
歩いた家の数しか票は出ない
自民党の「集金係」に
第五章 「正姿勢」の政治
選挙に強い「秘伝のタレ」
「一区」で勝ち抜くことの難しさ
大連一の高級デパート
宮澤喜一さんの金言
「野党議員」としてのスタート
ビールケースに立ちつづける
ピラミッド型選挙は通用しない
大逆風
たった二人だけの生き残り
第六章 闘う宏池会
「お公家集団」の権力闘争
「一本釣り」の波紋
失言が招いた惨敗
「永田町のプリンス」加藤紘一氏
固めの盃
「あなたは大将なんですから」
屈辱のピエロか、悲劇のヒーローか
「反乱軍」残党の処遇
小泉政権誕生と「加藤の乱」
ドライマティーニの会
あとがき 総裁選に向けて
書誌情報
紙版
発売日
2020年09月14日
ISBN
9784065213278
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
258ページ
著者紹介
1957年生まれ。早稲田大学卒業後、日本長期信用銀行入社。議員秘書を経て、93年衆議院議員初当選。以来、連続9期選挙区当選。 自民党青年局長、経理局長を経て、2001年小泉内閣で文部科学副大臣。衆議院厚生労働委員会委員長を経て、07年第1次安倍改造内閣で内閣府特命担当大臣として初入閣。 12年に宏池会会長に就任。12年、第2次安倍内閣で外務大臣に就任し、専任の大臣としては戦後最長の4年7ヵ月にわたって務める。17年、防衛大臣を兼任。 17年8月より、自民党政務調査会長を務める。
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