
マイページに作品情報をお届け!
げんじものがたり
ゲンジモノガタリ
- 訳: いしい しんじ
“今”の京都の声でよみがえる、源氏物語!
「紫式部が隣でおしゃべりしているかのように綴られる、
若き日の「光君」の物語に、ぐっと引き込まれました」
―本上まなみ(俳優・エッセイスト)
「桐壺」帖から「葵」帖までの9帖を原文に忠実に訳した、
作家・いしいしんじによる平安京の大ベストセラー恋愛物語。
京都新聞に連載され大反響を呼んだ「げんじものがたり」が、
大幅に加筆されて、ついに出版!
どちらの帝さまの、頃やったやろなあ。
女御(にょうご)やら、更衣(こうい)やら……ぎょうさんいたはるお妃はんのなかでも、そんな、とりたててたいしたご身分でもあらへんのに、えらい、とくべつなご寵愛をうけはった、更衣はんがいたはってねえ。―――
平安の都で書かれた、文学史上の傑作と称される『源氏物語』。本来「京ことば」で書かれたであろうこの大長編は、昭和初期、与謝野晶子と谷崎潤一郎がほぼ同時期に訳して以来、ほとんどすべて現代標準語で書かれてきました。かつて山折哲雄(宗教学者)が嘆き、司馬遼太郎と徳川宗賢大阪大学教授(御三卿の田安徳川家出身で国語学者、言語学、方言学)が未来に託すほど、『源氏物語』の「京ことば」訳は難しいとされてきました。
実現不可能と言われてきたこの難題に挑戦したのが、ことばに対して真摯に向き合い続ける作家・いしいしんじが抄訳した『げんじものがたり』です。紫式部が今を生きる京都のおねえさんになって、ご近所さんに語り聴かせをしているような、あるいは「完璧なイケメン」光源氏と、彼に関わっていくお姫様たちとの噂話を聞いているような、不思議な感覚。原作に忠実に、かつ「今」を映す瑞々しい言葉で綴られることで、平安貴族たちが夢中になったありのままの「物語」を堪能することができます。
光源氏が誕生する「桐壺」帖から、のちに最愛の女性となる紫の上が登場する「若紫」帖を経て、正妻・葵の上のもののけによる死が描かれる「葵」帖(源氏23歳頃)まで、9帖を抄訳して収録。光(ひかる)君(くん)の若き日の成長譚と、さまざまな姫君たちとの華麗な恋愛絵巻が描かれます。
源氏物語に詳しい人はもちろん、読むことを敬遠してきた人へ。令和に蘇る平安の宮中恋愛劇を、ゆるりとお楽しみください。
ⒸShinji Ishii
オンライン書店で購入する
書誌情報
紙版
発売日
2021年04月26日
ISBN
9784065214084
判型
四六
価格
定価:1,980円(本体1,800円)
ページ数
308ページ
電子版
発売日
2021年04月23日
JDCN
06A0000000000263719A
初出
本書は、「京都新聞」2017年4月3日~12月4日掲載「いしいしんじ 訳 源氏物語」を加筆修正したものです。
著者紹介
1966年大阪市生まれ。京都大学文学部卒。1996(平成8)年、短篇集『とーきょーいしいあるき』(のち『東京夜話』に改題して文庫化)、2000年、初の長篇小説『ぶらんこ乗り』刊行。03年『麦ふみクーツェ』で第18回坪田譲治文学賞、12年『ある一日』で第29回織田作之助賞、16年『悪声』で第4回河合隼雄物語賞を受賞。その他の小説に『トリツカレ男』『プラネタリウムのふたご』『ポーの話』『みずうみ』『よはひ』『海と山のピアノ』『マリアさま』、エッセイに『京都ごはん日記』『且坐喫茶』『毎日が一日だ』『きんじよ』『ピット・イン』など。09年から京都市在住。
オンライン書店一覧
既刊・関連作品一覧
関連シリーズ
-
花で読みとく「源氏物語」
-
レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」
-
東大生と読む 源氏物語
-
講談社 学習まんが 紫式部
-
藤壺
-
わかれば『源氏』はおもしろい
-
瀬戸内寂聴の源氏物語
-
源氏物語 湖月抄
-
源氏物語(児童)
-
歩く源氏物語
-
平安の気象予報士 紫式部-『源氏物語』に隠された天気の科学
-
知られざる源氏物語
-
説き語り「源氏物語」
-
声にして楽しむ源氏物語
-
瀬戸内寂聴と源氏物語 展覧会図録
-
瀬戸内寂聴 源氏物語
-
寂聴と読む源氏物語
-
今泉忠義 源氏物語
-
源氏物語入門
-
源氏物語現代詩訳・上巻 光源氏と王朝の女人たち(普及版)
-
源氏物語現代詩訳・下巻 源氏その愛と憂愁(普及版)
-
源氏物語絵詞
-
源氏物語のヒロインたち[対談]
-
源氏物語と日本人
-
源氏物語=性の迷宮へ
-
マンガ源氏物語
-
はじめての源氏物語
-
なまみこ物語・源氏物語私見
-
『源氏物語』男の世界
-
『源氏物語』を江戸から読む
-
『源氏物語』の男たち ミスター・ゲンジの生活と意見
-
「源氏物語」を江戸から読む
-
「ブス論」で読む源氏物語