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「人権」がわからない政治家たち
ジンケンガワカラナイセイジカタチ
- 著: 小林 節
「憲法とは国の目指す形を明示するものだが、何よりも権力者を統制するもの」――-。
いま、この民主主義国家、法治国家の基本原則があからさまな形で破壊されつつある。明らかな不法を指摘されても、平然と嘘をつき居直る政治家。その嘘を「忖度」し、あろうことか公文書を改ざん、あるいは隠匿しても「知らぬ、存ぜぬ」を貫き通し、さらにその嘘が露呈しても何ら恥じることのない官僚たち。そして、新たに事実が明かされた政治家、その家族と官僚との不法な関係……。また、コロナ禍によって国民の健康が脅かされている現状にも的確な対応ができていない政治……。日本憲法ではっきりと定められた「国民主権」はいったいどこへ行ってしまったのか。
こうした現状を前に、第一線の憲法学者である慶應義塾大学名誉教授小林節氏は、「法とは何か」を明快な論理で解き明かしながら、現在の劣化した政治家・官僚の欺瞞性、不当性を暴き出し続けてきた。
本書は、2017年7月から2021年4月まで、小林節氏が『日刊ゲンダイ』の連載記事「小林節が斬る!」において展開してきた主張に、大幅な増補を加え、単行本として編集したものである。
1. 無知と矛盾に満ち溢れた自民党の改憲論
2. うやむやのまま放置された森友・加計、そして「桜を見る会」
3. 表現の自由、性差別問題、カジノ問題、日本学術会議問題の本質的理解を欠いた政治家たち
4. 対抗勢力として機能しない野党
5. 安倍政権が残した間違いだらけの「自衛隊加憲論」
6. 主権者として知っておくべき憲法の基礎知識
●なぜ、安倍氏は平然と嘘をつくのか? ●「教育勅語」の活用など、正気の沙汰ではない ●「大学の自治」を理解しない自民党文科族議員 ●嘘の改憲キャンペーンをやっている自民党 ●「改憲派」の嘘と無知 ●「国民主権」か「国家主権」か? ●安倍前首相の的外れな憲法論 ●嘘と矛盾の自民党「9条改憲」提案 ●国会には疑惑を究明する義務がある ●まずは現行憲法を守ってから言え ●大相撲の女人禁制は憲法違反ではないか ●「セクハラ罪はない」という大きな勘違い ●教員の「良心の自由」を委縮させる最高裁判決 ●記者は紛れもなく「主権者国民」の代表だ ●憲法が要求している2人の障害者議員の公費支援 ●政治家も宗教家も「政教分離」の意味がわかっていない ●自由と民主主義に反する「日の丸損壊罪」 ●「議員の世襲は当然だ」の不当性 ●民主主義国家は連帯して中国をいさめるべき ●まったく理解されていない「文民統制」 ●「LGBT支援は必要ない」という暴論 ●表現の自由を理解できない「嫌『反日』」論者 ●学問の自由がわからない菅首相 ●横浜市のカジノ誘致は憲法違反だ ●「記憶にない」は自白と同様である
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書誌情報
紙版
発売日
2021年05月27日
ISBN
9784065241554
判型
四六
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
240ページ
初出
本書は2017年10月から2021年3月まで「日刊ゲンダイ」に掲載された「ここがおかしい 小林節が斬る!」から主要原稿を抜粋し、加筆・修正してまとめたものです。
著者紹介
1949年東京都生まれ。1977年慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。ハーバード大学ロー・スクール客員研究員等を経て、1989年‐2014年慶應義塾大学教授。その間、北京大学招聘教授、ハーバード大学ケネディー・スクール・オヴ・ガヴァメント研究員等を兼務。2014年より慶應義塾大学名誉教授。著書に『「憲法」改正と改悪』(時事通信社)、『憲法改正の覚悟はあるか』、(ベストセラーズ) 、佐高信氏との共著『安倍「壊憲」を撃つ』(平凡社)ほか多数。『日刊ゲンダイ』紙上にて、コラム「ここがおかしい 小林節が斬る!」を連載中。
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