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檸檬の棘
レモンノトゲ
- 著: 黒木 渚

絶縁して10年――。
私はまだ、父に囚われ続けている。
歌手にして作家、唯一無二の才能がはなつ渾身の私小説。
こんなふうに鮮やかに世界を描写する言葉があったのかと、ページを繰るたびに衝撃を受けました。
澄み切った劇薬のような、忘れ難い物語です。――小島慶子(エッセイスト)
挨拶もなく消えた父。「特別な子供」になりたかった十四歳の栞は、父への怒りを拠り所に青春期を過ごす。十年後、父がもう長くないとの連絡が入る。あれだけ囚われ、憎しみ続けた存在が死ぬ――。空虚な現実を前に、栞の胸に去来するものは。鋭利な筆致で心を抉る、歌手にして小説家の異才が放つ魂の私小説。
ⒸNagisa Kuroki
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書誌情報
紙版
発売日
2022年06月15日
ISBN
9784065280386
判型
A6
価格
定価:704円(本体640円)
ページ数
192ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2022年06月15日
JDCN
06A0000000000504027A
初出
本書は、2019年11月に小社より単行本として刊行されました。
著者紹介
宮崎県出身。大学時代に作詞作曲を始め、ライブ活動を開始。文学の研究にも没頭し、大学院まで進む。2012年に「あたしの心臓あげる」で歌手デビュー。2014年からソロ活動を開始。2017年にアルバム『自由律』限定盤Aの付録として書き下ろされた小説「壁の鹿」を、『本性』と同時に刊行し小説家としての活動も始める。他の著書に『鉄塔おじさん』『呼吸する町』『予測不能の1秒先も濁流みたいに愛してる』などがある。