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知の教科書 カバラー
チノキョウカショカバラー

ユダヤ教は基本的に「現世」志向の宗教です。戒律に則った生活をすることが美徳であると考えられています。カバラーとはユダヤ教公認の形而上学とも言えるものです。
ユダヤ教自体が扱わない霊魂、死後の生、天と黄泉(よみ)の構造、世界の創造、終末の出来事といったことがカバラーのテーマになります。
カバラーは、二千年以上前から、何千もの書物とたくさんの運動、神秘主義者たちを生み出してきました。その間、ユダヤ教徒の意識的滋養の源泉だったのです。
カバラーとは、ヘブライ語のle-kabel(受け取る)に由来しています。カバラーの伝統のすべては、太古の源泉から来たものと考えられています。
歴史としてのカバラーではなく、ユダヤ教的な神秘的実在についての思想としてのカバラーを分かりやすく解説する待望の一冊です。
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目次
はじめに
第1章 カバラーとは何か
第2章 カバラーの歴史
第3章 カバラーの形而上学
第4章 ルーリアのカバラー
第5章 霊魂
第6章 神秘主義的実践とミツヴォート
第7章 祈り
第8章 瞑想との関係
第9章 神の名
第10章 カバラーと現代ユダヤ教
書誌情報
紙版
発売日
2014年10月11日
ISBN
9784062585873
判型
四六
価格
定価:1,925円(本体1,750円)
通巻番号
584
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社選書メチエ
著者紹介
ピンカス・ギラー(Pinchas Giller) 一九五三年生まれ。Ph.D. アメリカン・ジューイッシュ・ユニヴァーシティ教授(中世ユダヤ思想)。ユダヤ教のラビ。主な著書にThe Enlightened Will Shine: Symbolization and Theurgy in the Later Strata of the Zohar (1993); Reading the Zohar: The Sacred Text of the Kabbalah (2000); Shalom Shar’abi and the Kabbalists of Beit El (2009)などがある。
中村圭志(なかむら・けいし) 一九五八年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学(宗教学)。主な著書に『信じない人のための<宗教>講義』(みすず書房)、『はじめて学ぶ宗教』(共著、有斐閣);主な訳書『宗教の系譜――キリスト教とイスラムにおける権力の根拠と訓練』(T・アサド著、岩波書店)、『科学と宗教』(T・ディクソン著、丸善出版)などがある。