文芸(単行本)作品一覧

ctの深い川の町
文芸(単行本)
「何もかもが嫌だ」40男が遁走した先は、急行で40分のビミョーな郊外(ふるさと)。
誰も待つ人のない故郷で、就いた仕事は<ノーブル交通>の運転手。“貴族風”の制服に身を包み、低スピードで走る。この市(まち)の地理は知ってる。が、郷愁は、ない。
第139回 芥川賞候補作
伊佐山は、中学で同級生だった男である。<ノーブル交通>に面接に行ったら、この男が出てきた。……これをコネと呼ぶのかどうかは知らないが、ともかくも不採用にはならなかった。わたしは、だいぶ、投げやりな態度で面接に臨んでいたのである。荷物が燃えたので普段着であった。もし何か言われたら、赤帽炎上をネタにして弁明するつもりであった。あわよくば温情によって採用されることも、いくらかは当て込んでいた。もちろん、うれしくなるほど惨めに追い払われることも、また。――<本文より>

仮の水
文芸(単行本)
日本文学者リービ英雄が見つめる中国の現在 中国の内部にあるアジアの姿に魅入られた「かれ」は、リムジンに乗って大陸を旅する。ユダヤの血、アジアの現在、越境する言葉、揺れ動く中国の現在を描く小説集

野球の国のアリス
文芸(単行本)
野球が大好きな少女アリスの不思議な物語! 現代のアリスが語る、不思議な不思議な物語。一体どんな世界に連れて行ってくれるのか。北村薫が紡ぎ出す、珠玉の物語がついに登場です!

誘拐児
文芸(単行本)
第54回江戸川乱歩賞受賞作
昭和21年、帰らなかった誘拐児。悲劇はそこから始まった――。
緊迫の推理。かつてなく切ないラスト。圧倒的筆力で描く興奮、そして涙。
終戦翌年の誘拐事件。身代金受け渡し場所、闇市。犯人確保に失敗。そして15年後、事件がふたたび動き出す――。人間の非情と情愛を見つめる魂の物語。
選考委員、大沢在昌氏、東野圭吾氏、推挙!
●大沢在昌氏「昭和36年という舞台を描いて、無理を感じさせないその筆力に、まず可能性を感じた。」
●東野圭吾氏「文章、ストーリー、人物描写、すべてが安定している。場面転換も巧みで、読者を飽きさせない。」

訣別の森
文芸(単行本)
第54回江戸川乱歩賞受賞作
乱歩賞史上、最もロマン溢れるミステリー!
ドクターヘリの機長・槇村は、墜落した取材ヘリを救出。
怪我人は、自衛隊時代にかつて愛した部下・一恵だった。
その夜、一恵は入院先から姿を消した――。
課せられた「使命」と「魂の絆」の挟間で、男たちが咆哮する!
選考委員・内田康夫氏、恩田陸氏、天童荒太氏、絶賛!
内田康夫氏 ドクターヘリ、自衛隊、知床の自然環境保護問題などを
巧みに絡めており面白い。最上級の作品だ。
恩田陸氏 スケール感があって目に情景が浮かび、
登場人物に魅力を感じた。
天童荒太氏 伏線を巧みに引けるし、ディテールの書き込みも緻密。
面白く物語る力は、頭ひとつ抜けていた。

宿屋めぐり
文芸(単行本)
執筆7年。新たな傑作長編小説の誕生!
主はいつも言っていた。
「滅びにいたる道は広く、光にいたる道は狭い。おまえらはいつも広い道ばかり行こうとするが、それは天辺から誤りだよ」
主の命により大権現へ大刀を奉納すべく旅をする鋤名彦名は、謎のくにゅくにゅの皮に呑まれ、「偽」の世界にはまりこむ。嘘と偽善に憤り真実を求めながら、いつしか自ら嘘にまみれてゆく彦名の壮絶な道中。その苦行の果てに待ち受けるものは。
俺は俺の足で歩いていくのだ。俺の2本の足で正しい道を。
第61回野間文芸賞受賞

泥棒兵士のホームステイ
文芸(単行本)
文春の新人賞受賞後、期待されて最新作。 バラバラで崩壊した家庭の全員を、横須賀の不良米兵が大立ち回りや悪知恵で救ってしまう痛快長編。

劇場版 空の境界 第二章「殺人考察(前)」 画コンテ集
文芸(単行本)
アニメーション新時代の扉を開く傑作(マスターピース)。これがその設計図だ!
かつて誰もが映像化は不可能だと断じた奈須きのこの大ヒット小説、『空の境界 the Garden of sinners』を、全7章・全7部作として完全映像化!ufotableによる至高の映像詩編、『劇場版 空の境界』の第2章――「殺人考察(前)」の画コンテを講談社BOXとアニメスタイルの共同編集によって1カット残らず完全収録!
<巻末インタビュー>
「殺人考察(前)」監督・野中卓也
奈須きのこの“新伝綺”ワールドが縦横無尽に駆けめぐる映画(フィルム)の奔流!

ひぐらしのなく頃に解 第二話~罪滅し編~(下)
文芸(単行本)
『ひぐらしのなく頃に解』ついに始動! 『ひぐらしのなく頃に 解』、いよいよスタート。解答編の第二話となる「罪滅し編」では竜宮レナの目を通して、雛見沢をめぐる物語の大きな転機が語られる。

めくるめく部屋
文芸(単行本)
芥川賞作家が精緻に描きだす生命の根源たるエロチシズム。圧倒的な筆力、抑制の効いた描写が醸しだす性と愛。観念ではなく、人間の生理から噴出する力が鮮烈に迸る官能文学の新たな到達点。
芥川賞作家が精緻に描き出したエロスの世界。
圧倒的な筆力、抑制の効いた描写で精緻に描き出される生命の根源たるエロスの世界。観念ではなく、人間の生理から噴出する力が鮮烈に迸る官能の文学。

石を置き、花を添える
文芸(単行本)
ウォーキング途中の道端に置かれた石と、添えられた花。埋められている「なにか」――問いは残されたまま「わたし」の記録は記憶を辿り、老いと死への思索に漂う。清冽なる本格小説集。
ウォーキング途中の道端に置かれた石と、添えられた花。埋められている「なにか」――問いは残されたまま「わたし」の記録は記憶を辿り、老いと死への思索に漂う。
清冽なる本格小説集。
いなくなった人間の生前の姿を見て、懐しんだり偲ぶことを、自分がしないことは分かっていた。ひとりで見てしんみりするのは本意ではなく、何人かで懐しむのは、さらに本意ではなかった。……おそらくわたしは、何事にせよ懐しむことが好きではないのだ。懐しむことは対象の原形を歪め、歪めなければ人は懐しめない、そう考えていたのだと思う。――<本文より>
収録作品
「石を置き、花を添える」
「なんの変哲もない場所にすぎない、タンスの上」
「海近しの眩しい陽射しが」

子守唄しか聞こえない
文芸(単行本)
第51回「群像新人賞」受賞作! 海と山に囲まれた田舎町。「ここにある太陽は、実は偽物なんじゃないか?」女子高生・美里の閉塞といらだち。「青春の苦み」をのびやかに描く、処女小説!

エソラ vol.5
文芸(単行本)
夏に読みたいフレッシュな読み切り小説満載 旬の作家が綴る新鮮な小説たち! 辻村深月、恒川光太郎、伊藤たかみ、柴崎友香……。どこからでも楽しめる、エンターテインメントの王道を行く雑誌型単行本。

ラジ&ピース
文芸(単行本)
当てのない漂流の果てにたどり着く場所は? 他人とはうまくつきあえない、幼い頃から自分に自信がない女性がたどり着いたのは、北関東の町。ラジオの電波を通じて感じる見えない人々の温度。最新小説。

たまげた録
文芸(単行本)
「驚いて」こそ、癒される! 現代人は1日に何度、驚いているだろうか? いや、数年に一度か。みんな、もっと積極的に驚こうではありませんか!──「驚き」について語る、抱腹絶倒エッセイ

上を向いて歩こう
文芸(単行本)
手垢にまみれた「男らしい」という言葉は、現代では「オヤジ」に変わった。当たり屋のオヤジ、嘘つきなオヤジ、亭主関白のオヤジ、定年退職したオヤジ、娘が薬物中毒のオヤジ――。大藪賞作家がさまざまな父親像を温かく描く、傑作小説!
親父バンザイ! 当たり屋でも、嘘つきでも、亭主関白でも、定年退職していても、娘が薬物中毒でも、やっぱり親父はやさしい──親父のよさを、しみじみ味わえる連作短編集

みんなの旅行
文芸(単行本)
ぼくは「コップの中の人間」なのだろうか。 いつからここにいるのか。記憶のないまま、病院で過ごす、ぼく。入院仲間で小旅行が計画された・・・。壊れることと癒されることについての、やさしい長編小説。

少年曲馬団
文芸(単行本)
「惟朔君は、すごい悪い子だと思うわ」 昭和三十年代後半、東京・府中。小学一年生から四年生までの惟朔の日々。自分のやり方でなんとか周囲と折り合いをつけようとする少年を待つ、いくつもの初体験。

浅田次郎とめぐる中国の旅 『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』の世界
文芸(単行本)
『蒼穹の昴』『中原の虹』完全ガイドブック 浅田次郎氏が見どころを解説する紫禁城ツアーや北京の歩き方。小説の世界がビジュアルで立ち上がる、読んで、見て楽しむガイドブック。ファン、旅行者必携です。

庭園鉄道趣味 鉄道に乗れる庭
文芸(単行本)
鉄道会社社長 兼 運転手 森博嗣! 作家・森博嗣が熱中しているのは、自宅の庭にミニチュアの電車を走らせること。本当に乗れるんです!そんな模型ライフが、書き下ろし充実のエッセイ集に。