文芸(単行本)作品一覧

北京ドール
北京ドール
著:春 樹,訳:若松 ゆり子
文芸(単行本)
中国発、17歳の少女が描く自伝的青春小説! アメリカ、イギリスなど5ヵ国以上で翻訳された話題の発禁本、ついに邦訳! 彼はベッドで私を待っていた。暖かいけど汚れた布団に潜り込むと、彼はいつも冷え切った私の体をぎゅっと抱きしめた。私が急に逃げ出したり、消えてしまったりしないように。いつだって、私たちはわき起こる欲望を抑えることができなかった。――<本文より>
だいにっほん、おんたこめいわく史
だいにっほん、おんたこめいわく史
著:笙野 頼子
文芸(単行本)
時代を転覆せしめる超国家的、超近代小説、ついに発射 投石! 用意。戦い続ける前衛のさらなる奇書! ロリコンで成り上がり、憲法を地上げ! 美少女を官軍化し遊廓を復活! 反権力を自称。その名は、おんたこ! 世相の病的心性を近未来に託して描く、前衛の奇書。 「おんたこ」シリーズ第一弾。●特別収録 本書取説!! 「言語にとって、ブスとはなにか」 時代を転覆せしめる超国家的、超近代小説、ついに発射 投石!用意。 はーっはっはっはっはっは、ふっふーん、ハ、ゲ、ワ、ロ、ス、 愚劣の頂上、腑抜けの王道、卑怯の帝王 さあ、君のその醜悪さを文学に留めよう ロリコンで成り上がり! 憲法を地上げ! 美少女を官軍化し、遊廓を復活! 独裁政権を牛耳り、反権力を自称! その名は、おんたこ!!! 世相の病的深層を近未来に託して描く、戦い続ける前衛のさらなる奇書! ●特別収録 本書取説!! 「言語にとって、ブスとはなにか」
電子あり
三年坂 火の夢
三年坂 火の夢
著:早瀬 乱
文芸(単行本)
第52回江戸川乱歩賞受賞作 「三年坂で転んでね」――そう言って兄は死んだ。 火の街を疾走する謎の人力俥夫。「隠された坂」が背負う運命とは? 綾辻行人氏を震撼させた大型新人、堂々の登場! <選評より> 綾辻行人氏「既存のミステリの定式には安易に嵌らない作り。」 井上夢人氏「夢幻味の漂う魅力的な世界を構築している。」 大沢在昌氏「奇妙だが、魅力的な“謎”を持つ作品。」 真保裕一氏「題材は興味深く、導入部もいい。」 乃南アサ氏「独特の作品世界を作り上げている。」
東京ダモイ
東京ダモイ
著:鏑木 蓮
文芸(単行本)
第52回江戸川乱歩賞受賞作 男は帰還(ダモイ)を果たし、全てを知った。 極限の凍土・シベリア捕虜収容所で起きた中尉斬首事件。 60年間の沈黙を自らに強いた男が突如、姿を消した――。 風化する歴史の記憶を照射し、日本人の魂を揺さぶる感動作! <『選評』より> 「強制収容所内の殺人を60年後の現代から解き明かそうという壮大な構想」――綾辻行人 「落ち着いた筆致で丁寧に書かれた物語」――井上夢人 「シベリアの俘虜収容所のシーンが秀逸。詠まれた俳句から、殺人の凶器と犯人を推理する部分もおもしろい」――大沢在昌 「シベリア抑留を回想する原稿を挟んだ物語造りと、その誠実な筆致には好感が持てた」――真保裕一 「主人公の妹や上司・朝倉晶子のしっかりしていてキビキビと働く姿など、実に魅力的に描けている」――乃南アサ
前夜のものがたり
前夜のものがたり
著:藤田 宜永
文芸(単行本)
今日までの私は、迷いの中にいた。 明日になったら、跳んでみよう! 三角関係も、夫婦のごたごたも、愛の形も…… 中年男の心に去来する愛の過去・現在・未来。 転がり込んだ団地のベランダから見た水色の傘の女。あれは菜穂子だ。「仲がよすぎたから、神様が許さなかったんだと思う」16年前の菜穂子との別れが甦る。雨の日にだけ下を通る菜穂子に、今、私の心は揺れる。――<「雨の前夜」より> 中年男の惑いと決断を描く全8話。
×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル
×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル
著:西尾 維新,イラスト・原作:CLAMP
文芸(単行本)
NISIOISIN×CLAMP それは<必然(ヒツゼン)>の奇跡(コラボレーション)! 西尾維新が挑む、小説版『xxxHOLiC』! ノベライズ維新、西尾維新! 人 ひと ヒト ヒトこそこの世で最も摩訶不思議なイキモノ―― ……どれほど会いたいと思っても―― 人は、死んだ人には、会うべきではないのよ」 侑子は――そして、上半身を起こす。 今度は、倒れることなく、無事に起き上がった。 卓上の携帯電話を、ひょいと手に取る。 「ここは、この場所は、願いを叶える店―― 自分で願いを叶えることができる人は、 入ってくることも、視ることもできない……
あなたにもできる悪いこと
あなたにもできる悪いこと
著:平 安寿子
文芸(単行本)
「愛の力で社会を変える」? そんなことってあるのでしょうか。 偽善も保身もかる~く笑う、平安寿子版・痛快悪漢小説(ピカレスク)の誕生! 「あくまで内密に、そいつに天誅を加えたいわけですね」 自称トラブル・コーディネーター、檜垣と里奈。人に言えない訳ありのお金、ちょこっと頂戴いたします。 金のなる木がそこにあるなら、とりあえず揺すぶってみなければ!
サイバラ茸5
サイバラ茸5
著:西原 理恵子
文芸(単行本)
擬態警戒 『サクサクさーくる』など初期のバクチ物他からサイバラ漫画だけを集めた人気シリーズ!
駐在刑事
駐在刑事
著:笹本 稜平
文芸(単行本)
いま生きなければいつ生きられる。組織の規律に縛られた歯車としての一警察官ではなく、魂の声に忠実な1人の生身の人間として。 警視庁捜査一課から青梅警察署水根駐在所所長へ。取り調べ中に容疑者が自殺したことで左遷された江波淳史。自責の呪縛から逃れられない元刑事は、自らを取り戻せるか。 大藪春彦賞作家の新境地 街の倫理ではなく自然の掟に彼は従う。冒険小説の第一人者が挑んだ、異色の警察捜査小説――(西上心太) 組織で挫折した犯罪捜査官を奥多摩の自然が、生身の男(ナチュラリスト)へと変えていく。心優しき山岳警察小説登場!――(香山二三郎)
赤い指
赤い指
著:東野 圭吾
文芸(単行本)
犯罪を超えたその先に、本当の闇がある。2日間の悪夢と、孤独な愛情の物語 直木賞受賞第1作 書下ろし長編小説 「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身によって明かされなければならない」
軽井沢夫人
軽井沢夫人
著:山口 路子
文芸(単行本)
ごきげんよう。わたくし、軽井沢夫人でございます。 さあ、はやくはやく。扉を開けて、中にお入りくださいな。 あなたさまの官能を潤す、読む美容液。艶やかなエロティック・ライフを送るために必要なエッセンスが、ぎっちりみっちり、つまっているのでございます。 あなた、動いてはだめよ、よい?あなたは素直に頷きながらも、せつなそうな吐息をもらすのね。濃紺の大きなタオルの上に、褐色に焼けたあなたの肌、とても美しいわ。全裸でうつぶせになったあなたの肩甲骨は、夕陽を浴びた砂丘のよう。「プレジャー・ガーデン(悦びの庭)」と名づけられたマッサージ・オイルをたっぷりとつけて、わたくしはその砂丘にゆっくりと手をすべらせるわ。――<本文より>
八つの日本の美意識
八つの日本の美意識
著:黒川 雅之
文芸(単行本)
西洋の世界観を妄信することで自分の深部にあるアイデンティティを埋没させてはならない。 微・並・気・間・秘・素・仮・破 自分の中の誇るべき「日本性」を覚醒させる、画期的な8つのキーワード。 日本発、世界へ。未来への指針! 建築・料理・デザインはもとより、人間の存在そのものにおいて、世界的に、日本の文化と美意識についての関心が高まっている。ともすれば日本人自身が忘れがちなその美意識を再認識するための必読書。 日本人は美のために生きている。 日本の美意識に関する8つのキーワードは、足せば1つになるようなものではありません。それぞれが日本の美意識のすべてを語っていて、1つずつの美意識が、日本の美意識全体の断面図のように視点を変えて同じことを言っているのです。それぞれの美意識が自立しながら補完しあっている関係です。この8つの美意識を再統合して、その性格について考えてみましょう。――<本文より>
絲的メイソウ
絲的メイソウ
著:絲山 秋子
文芸(単行本)
ああッ! 人生は、なんでジグザグにしか進まないんだ! あっちにぶつかり こっちにぶつかり 決してまっすぐには進まない 絲山秋子の偽らざる日々。珠玉???の初エッセイ集 「寝言は寝て言え」というのは、つまらないことを言われたときに返す私の常套句である。/禿げは素敵だ!/私は熱しやすく冷めやすい。それ以上に男を見る目がない。そりゃあ人間たるもの、たまには間違うこともある。/私は、大人になるまですき焼きの卵を2つ食べることを許してもらえなかった。中学生で酒を、高校生でタバコを堂々とやっていた私だが、すき焼きの卵2つはだめだった。/そういえば、子供の頃、親に「犬は死ぬと悲しいから飼っちゃだめ」と言われて「お母さんだって死ぬじゃない」と答えたことがある。/実は去年の暮れ頃から、ある変化が私に訪れた。まあ暇っちゃあ暇だったんだが、突然、結婚というものがしてみたくなったのである。/本当か嘘か知らないが、エアロスミスのギタリスト、ジョー・ペリーはブレイクした時に大金をどう使っていいかわからず家にネオンサインをつけてしまったと言う。無意味を通り越してこれは、かわいい。/酒飲みの掟「飲んだら酔え くだを巻くな 金を払え」――<本文より>
新約太宰治
新約太宰治
著:田中 和生
文芸(単行本)
私的にして、試的な21世紀の太宰治論。 新鋭評論家の魂に焼き付いた作家を、強烈なイマジネーションで「現在」へと甦らせ、その存在を、そして不在を、文学の今に問う、現代文芸評論の停滞を突破する実験的意欲作。 津島修治から太宰治へ、その実像と虚像、そして、太宰からD・A・Z・A・Iへ――。作家を見つめる視線の中に2つの焦点を置き、楕円状の思考の軌跡、その重層構造が浮かび上がらせる、まったく新しい太宰治の作家像。既成のイメージを払拭し、21世紀の文芸評論に活路を開く言葉の冒険。 わたしはこっそり「本当のことを書こうとする作家論」という耕作地をつくって、そこに「太宰治」を植えてみたのである。――<本文より>
悪たれの華
悪たれの華
著:小嵐 九八郎
文芸(単行本)
見たか侍、花火が咲いたぞ。 江戸の夜空に、禁を犯して御城より高く。火放(ひつ)け、殺人、乗っ取りと悪業を重ね、玉屋市郎兵衛、命を賭けた夢が咲く。 打ち上げ花火を創った悪たれ一代を描く、書き下ろし長編時代小説 花火の一番の源は、愛する人が喜ぶこと。愛する人は、やがて、無数の人々となる。銭は貰えぬが、ここが出発の点。そのために、技を磨き、薬を工夫し、肉や骨の吹き飛ぶのを恐れず、命を賭ける。
ザ・ベストミステリーズ2006
ザ・ベストミステリーズ2006
編:日本推理作家協会,著:平山 夢明,著:明川 哲也,著:古川 日出男,著:田中 啓文,著:伊坂 幸太郎,著:北森 鴻,著:道尾 秀介,著:三崎 亜記,著:石持 浅海,著:連城 三紀彦,著:米澤 穂信,著:遠藤 徹,著:森谷 明子,著:あせのごまん,その他:大沢 在昌,解説:笹川 吉晴
文芸(単行本)
ミステリーのプロが選んだ2005年最高傑作14篇 日本推理作家協会賞短篇部門本年度受賞作 平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」収録 推理作家なら誰でも、すぐれた短篇ミステリーを書きたいという願いを強くもっている。が、それはもしかすると、すぐれた長篇ミステリーを書く以上に困難な作業である。努力では決してカバーできない、アイデアが“降臨”するための運もまた、作者には必要だからだ。この本におさめられているのは、いずれも日本推理作家協会が認めた、すぐれた短篇ミステリーばかりである。芸と技と思考と思想、そしてアイデアの“降臨”を得た作者の運を、存分に楽しんでいただこう。――(日本推理作家協会理事長・大沢在昌) 平山 夢明――「独白するユニバーサル横メルカトル」 明川 哲也――「影屋の告白」 古川日出男――「マザー、ロックンロール、ファーザー」 田中 啓文――「挑発する赤」 伊坂幸太郎――「死神対老女」 北森 鴻――「鬼無里」 道尾 秀介――「流れ星のつくり方」 三崎 亜記――「バスジャック」 石持 浅海――「Rのつく月には気をつけよう」 連城三紀彦――「白雨」 米澤 穂信――「シャルロットだけはぼくのもの」 遠藤 徹――「壊れた少女を拾ったので」 森谷 明子――「糸織草子」 あせごのまん――「克美さんがいる」
優しい子よ
優しい子よ
著:大崎 善生
文芸(単行本)
少年の強い祈りが“奇跡の3ヵ月”を生んだ。 他人(ひと)の幸せを願いながら逝った少年との交流を描く、感動の私小説。 いつかそのことをわが子に伝えよう。死の間際に追い込まれながら、お母さんの足を真っ先に心配してくれた10歳の少年がいたんだ。凄いだろう。勇気って、優しさってそういうものなんだ。――<「誕生」より> 少年との出会いから始まり、ひとつの命の誕生で終わる、実話をもとに描く感涙の作品集。
東山殿御庭
東山殿御庭
著:朝松 健
文芸(単行本)
闇に寄り添う思念。 「ぬばたま一休」連作集。 第58回日本推理作家協会賞短篇部門 選考委員・宮部みゆき氏絶賛! 「レベルの高い奇譚ミステリーで、選考を忘れて楽しませていただきました。闇の虚空を飛んでゆく幼子の幻影が、怪しく恐ろしく悲しく心に浮かびます。」
江戸と現代 0と10万キロカロリーの世界
江戸と現代 0と10万キロカロリーの世界
著:石川 英輔
文芸(単行本)
私たちの暮らしは、10万倍、豊かになったのだろうか。 便利な暮らしと引き替えに得たものと失ったもの。 この豊かさに、私たちはいつまで耐えていけるだろう。 ●駕籠に乗る・歩く→自動車・電車・飛行機 ●保存しない・冷やせない→冷蔵庫 ●飛脚→郵便・電話・電子メール ●蠟燭・行灯→電灯 0キロカロリーで暮らしていた江戸時代から、10万キロカロリーを消費する現代へ。江戸期の多数の図版で見ながら今の暮らしに潜む危険を検証。
恋愛の解体と北区の滅亡
恋愛の解体と北区の滅亡
著:前田 司郎
文芸(単行本)
ヤバい世界はもう終わった。宇宙人占領下東京の平穏で危険な日常、僕らのぎりぎりの「今」を描く青春長篇小説。傑作短篇「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」収録! 三島由紀夫賞最終候補! 注目の東京小説第2弾! ヤバい世界はもう終わった。 宇宙人占領下東京の平穏で危険な日常、僕らのぎりぎりの「今」を描く青春長篇小説。 傑作短篇「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」収録! 両親は宇宙人がやってきた年に東京のマンションを売って埼玉の方に家を買った。そしてそっちに引っ越した。僕はそこで自立を余儀なくされたわけだが、住み慣れた五反田を離れるのはどうにも忍びなく、もとあったマンションの側にアパートを借りることにしたのだった。そこに住み始めてそろそろ2年目が過ぎる。件の、おばちゃんの噂網によって警察が訪ねてくる事件もここで起きた。大家さんは両親と懇意の人であったから、親切心から僕を近所に住む人達に紹介してくれた。それがまあ裏目に出たのだ。僕は日中ブラブラしているし、職業は何かと問われても胸を張って答えられるものがないので、いつもごまかしていたから、近所の人からしたら不気味だったのだろう。それに加えて無愛想な振る舞いが過ぎた結果警察が来ちゃったのだ。近くで起きた痴漢の容疑者と僕の容姿が似通っていたらしい、アリバイなどを聞かれた。――<本文より抜粋>
電子あり