文芸(単行本)作品一覧

山本容子のジャズ絵本 Jazzing
山本容子のジャズ絵本 Jazzing
著:山本 容子
文芸(単行本)
「星に願いを」「枯葉」「スターダスト」… 山本容子のジャズ絵本 「メロディアスな絵と文」が至福を奏でる―― 20世紀に生まれた綺羅星のような名曲に、山本容子が絵と文で新たな命を吹き込んだ。音楽を聴いていると自然と体が揺れてくる、そんな気分をお伝えします。 【谷川賢作プロデュース・オリジナルCD付き】 マイクを握りながら、ゆったりと前奏に身を任せている時に、だんだんとドリス・デイに変身する私。思い切り甘い声を出そうと、のどの奥の方に小さく息を送り込みながら、頭の中は25歳くらいのアメリカ娘をイメージする。ときどき、まちがって色気を出しすぎて、マリリン・モンロー的になって失敗するけれど、大切なのは家に帰るという、センチメンタルな気分を忘れないように歌うことだ。――<本文「センチメンタル・ジャーニー」より>
ハヅキさんのこと
ハヅキさんのこと
著:川上 弘美
文芸(単行本)
この人は、きっと少し前に本気の恋をしたんだろうな。 なんとなく思った。 そしてそれはもう、終わったんだろうな、とも。 虚と実のあわいを描く掌篇小説集 別れよう、と思った。圭佑のことは、好きだ。でも、このままじゃ、ものすごく嫌な感じ。別れるのは、簡単だった。わたしから誘わない。それだけのことだった。――<本文より>
狂骨の夢
狂骨の夢
著:京極 夏彦
文芸(単行本)
妾(あたし)は人を殺したことがあるんでございますよ。 髑髏のみせる幻、骨の記憶を黒衣の男が解き明かす。 狂骨は井中の白骨なり――
不当買収
不当買収
著:江上 剛
文芸(単行本)
サムライバンカーvs.ハゲタカファンド 外資系ファンドの先兵となった元銀行員が大手都市銀行勤務の親友と闘う!TOBをかけられた中堅メーカーの命運は!?元銀行員の著者がM&Aの世界をリアルに描く企業経済小説 【巻末付録「M&A用語集」】 (抜粋)*本文中の40項目の経済用語を解説。 ●M&A(merger and acquisition) 企業の合併、買収のこと。複数の企業が合体して1つになることが合併。特定の企業が他の企業の株式を購入して子会社化するのが買収。日本では90年代ころから活発化し、IT関連企業による買収が目立つようになった。 ●TOB(take over bid) 株式公開買付け。期間、株価、目標取得株式数を公告し、証券取引所外(市場外)で株式を買い付ける。議決権株式の3分の1超の株式買付けなど会社の経営権の変動に直結するような場合は、原則としてTOBを実施しなければならない。
牡丹酒 深川黄表紙掛取り帖(二)
牡丹酒 深川黄表紙掛取り帖(二)
著:山本 一力
文芸(単行本)
ますます繁昌、裏稼業。今度の仕事は名酒の広目。 元禄版始末処は、相も変わらず年中暇なし。 蔵秀……3ヵ月だけ夏負けの特効薬を商う定斎売り。 雅乃……尾張町の大店の一人娘で、絵師。 辰次郎……絵草紙作家を目指している、印形屋の次男坊。 宗佑……飾り行灯師で、明かりを使った細工物の名人。 4人が揃えば、妙案噴出。
中原の虹 第一巻
中原の虹 第一巻
著:浅田 次郎
文芸(単行本)
英雄たちが、大地を駆ける。 隠された王者の証「龍玉」を求めて、壮大な冒険が、いま幕を開ける。 人間の強さと美しさを描ききった中国歴史小説、刊行開始! 「鬼でも仏でもねえ。俺様は、張作霖だ」 「汝、満洲の覇者となれ」と予言を受けた貧しき青年、張作霖。のちに満洲馬賊の長となるその男は、大いなる国の未来を、手に入れるのか。 栄華を誇った王朝に落日が迫り、新たなる英雄が生まれる。 第42回吉川英治文学賞受賞
麦わら帽とノートパソコン
麦わら帽とノートパソコン
著:宮内 勝典
文芸(単行本)
犀の角のように、ただ独り歩め。 旅する作家・宮内勝典。その歩行の視線からとらえられた世界の姿、人の姿。 2001.9.11 その前にあったもの、その日に失われてしまったもの――。孤高の作家が語る、時代を横断するエッセイ集。 いま、何かが壊れはじめている――。麦わら帽子を深くかぶり、ただひとり歩み続ける作家が、世界を旅し、その目でとらえたもの。『焼身』(読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞作)の著者が、2001年9月11日という境界線を横断し、深い洞察と慈しみの視点から語る、世界の姿、人の姿。 <巻末特別収録インタビュー> 「プレ9.11」「ポスト9.11」
ウロボロスの純正音律
ウロボロスの純正音律
著:竹本 健治
文芸(単行本)
知的興奮の極!! 古色蒼然たる洋館で古典名作ミステリ見立ての連続殺人事件発生! 錯綜する謎また謎に、幾多のミステリ作家・評論家・編集者たちが挑む!! 長編マンガの描き下ろしの依頼を受けた竹本は、<玲瓏館>の一室を借りて作業を開始した。怪しげな使用人たち。アシスタント陣。そして館に集まった錚々たるミステリ作家・評論家・編集者たちの面前で、突然『モルグ街の殺人』見立ての殺人事件発生! 一同は早速推理合戦を開始するが、真相に辿り着けないまま、第2の見立て殺人が起こってしまう。彼らは果たして犯人をつきとめ、新たな凶行を阻止できるのか? ――重層する暗合。舞い踊るペダントリー。ミステリファン待望の「ウロボロス」シリーズ完結篇。8年の制作期間を経て、ついに堂々完成! <主な登場人物> 綾辻行人/河内実加/喜国雅彦/北村一男/北村薫/京極夏彦/国樹由香/倉阪鬼一郎/篠田真由美/千街晶之/竹本健治/遅塚久美子/南雲一範/西澤保彦/東雅夫/福井健太/南澤大介
一瞬の風になれ 第二部
一瞬の風になれ 第二部
著:佐藤 多佳子
文芸(単行本)
何かに夢中だった、すべての人へ贈る青春小説 「最高だ」 ――直線をかっとんでいく感覚。このスピードの爽快感。身体が飛ぶんだ……。 少しずつ陸上経験値を上げる新二と連。才能の残酷さ、勝負の厳しさに出会いながらも強烈に感じる、走ることの楽しさ。意味なんかない。でも走ることが、単純に、尊いのだ。 「そういうレースがあるよね。きっと誰にも。一生に一回……みたいな」 今年いちばんの陸上青春小説、第2巻! 第28回吉川英治文学新人賞受賞 2007年本屋大賞受賞
東京居酒屋探訪
東京居酒屋探訪
著・その他:大道 珠貴
文芸(単行本)
酒を飲みに行って、つれづれなるままに書く。 自らの過去や制作上の秘密を酔いにまかせて赤裸々に告白する 生まれ故郷・博多でのこと、高校のときのデートの話、日々の生活…… いろいろな町の居酒屋で肴を食べ酒を飲みつつ書いた、待望の初エッセイ集 王子の名店で心地よさに浸る/千駄木・よみせ通りのくりから焼き/銀座の夜のそば居酒屋/都電に乗って三ノ輪の商店街へ/早稲田のおでん屋で青年とふれあう/駒込・六義園脇の絶品“上海チキン”/魚、魚、魚で漁師料理の三浦半島/木造の情緒あふれる神田の人気店/緊張感あふれる五反田の老舗洋食店体験/大人の町・新橋の美味と出逢う/春の宵、鎌倉の生しらすに舌鼓/ヨコハマの豚と「エンドレス・ラブ」/梅雨の高円寺、43度の古酒で暴走/吉祥寺・汗だく焼き鳥ナイト/秋のはじめの小旅行(北品川編)/薬草酒片手に西麻布で未知の味/港町・横須賀で、2週間ぶりの酒/パリの都で「末期の眼」/演歌の似あう町・築地で/桜吹雪舞う赤羽の夜、しみじみと/白金フレンチで最後の晩餐
未完成の友情
未完成の友情
著:佐藤 洋二郎
文芸(単行本)
自分の人生はこれでいいのかと心に隙間風が吹くことは、誰にだってあるし何度かはある。それでもまた気を取り直して生きていくのが、わたしたちの人生だ。濃密な人間関係と情念を精緻に描いた甘口ではない、大人の文学。あなたには、親友がいますか。 自分の人生はこれでいいのかと心に隙間風が吹くことは、誰にだってあるし何度かはある。それでもまた気を取り直して生きていくのが、わたしたちの人生だ。 濃密な人間関係と情念を精緻に描いた甘口ではない、大人の文学。 あなたには、親友がいますか 心底から涙が溢れる文芸書き下ろし作品 「これから話すことは兄とわたしだけの秘密です。わたしはこれからも、一生ほかの人に話すことはありません」 彼女は緊張した声で、こちらの気持ちを気遣うように言った。 「なんでしょう」 「兄は一番の友達だと言っておりました。だから心苦しくていけないとつらそうにしていました。もし自分が死ぬことがあったら伝えてくれと頼まれました。頼まれたわたしも困りましたが、兄との約束なので守ります」 わたしは相手がなにを言い出すのかと身構えた。――<本文より>
電子あり
時雨の岡 乙川優三郎自撰短篇集 市井篇
時雨の岡 乙川優三郎自撰短篇集 市井篇
著:乙川 優三郎
文芸(単行本)
ある日、何の構想もなく書き始めたその一行が、たまたま時代小説だった。 市井に生きる人々の暮らしと想いをしっとりと描いた、書下ろし「時雨の岡」を含む全8篇。 乙川文学10年の集大成として、自ら選んだ傑作集。
男の縁 乙川優三郎自撰短篇集 武家篇
男の縁 乙川優三郎自撰短篇集 武家篇
著:乙川 優三郎
文芸(単行本)
どうしても、自分というものが小説のどこかに出てしまう。 武家の矜持と、あるべきように生きようとする姿を清々しく描いた、単行本未収録「悪名」「男の縁」を含む全8篇。 乙川文学10年の集大成として、自ら選んだ傑作集。
ニューヨーク地下共和国(下)
ニューヨーク地下共和国(下)
著:梁 石日
文芸(単行本)
世界はまだ本当の脅威を知らない ついに謎の組織「ニューヨーク地下共和国」から犯行声明が出される N.Y.で新たなテロが勃発する ニューヨークで9.11事件を体験した梁石日が世界最大のスキャンダルに挑む―― イラク戦争の陰にある欲望の正体とは!? そして、ゼムとソーニャのもっとも危険な恋の行方は!? 深まる謎、深まる愛――破壊されるN.Y.で未来を創造する闘争を描いた超大作・完結編
ニューヨーク地下共和国(上)
ニューヨーク地下共和国(上)
著:梁 石日
文芸(単行本)
イラク戦争の内実、超大国アメリカの野望、そして、全世界規模で張り巡らされた陰謀…… 9.11の真実はいまだ語られていない ニューヨークで9.11事件を目撃した梁石日が描く、最高傑作長編小説―― 超大国アメリカを破滅させる脅威とは!? 破滅へと向かう世界を救うすべはあるのか!? 愛と暴力にあふれた街で、未来を夢見る男と愛に飢えた女が絡み合う人間ドラマ
闇の底
闇の底
著:薬丸 岳
文芸(単行本)
絶対に捕まらない――。 運命が導いた、哀しすぎる「完全犯罪」。 『天使のナイフ』の薬丸岳が描く、欲望の闇の果て。待望の衝撃作 「罪深き者どもよ、よく見るがいい」 少女を犠牲者とした痛ましい性犯罪事件が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が首なし死体となって発見される。身勝手な欲望が産む犯行を殺人で抑止しようとする予告殺人。狂気の劇場型犯罪が日本中を巻き込んだ――。江戸川乱歩賞受賞第1作
第六の大罪 伊集院大介の飽食
第六の大罪 伊集院大介の飽食
著:栗本 薫
文芸(単行本)
名探偵 悪魔の領域に踏み込む 暴食――それは悪魔が司る、人間が犯してはならない大罪。 禁忌を犯し続ける「現代のグルメ」に悪魔の影が忍び寄る! 大人気シリーズ 書下ろし中・短編集 ――悪魔に狙われた4人の生贄と、その物語―― ●恐怖のメタボリックシンドローム!肥満化殺人計画……「グルメ恐怖症」 ●2メートル近いガイジンに涎をたらして言い寄られ……「食べたい貴方」 ●一生をかけて追い求めた“幻のラーメン”の正体……「芥子沢平吉の情熱」 ●“ワニの姿造り”を作ろうとした有名シェフの悲劇……「地上最凶の御馳走」
UFO大通り
UFO大通り
著:島田 荘司
文芸(単行本)
御手洗潔、疾走(はし)る! 中編2作収録 「石岡君、象みたいにもたもたするんじゃない、こうしている間にも、人の命が失われるかもしれないんだ」 「これは極楽寺坂だ。鎌倉幕府が開いた切り通しを、今LPガス車で抜けていく。この道ができて1000年も経つのに、われわれの移動手段に大差はない。ぼくにジェット・ヘリを1機くれたら、日本中から迷宮入りの事件なんてなくなるのにね!」――<本文より>
憂鬱なハスビーン
憂鬱なハスビーン
著:朝比奈 あすか
文芸(単行本)
あなたは誰かに何かを期待されていますか? あなたはまだ自分に何かを期待していますか? 自分の中に何の指針もないことに気づいて、私は急に泣きたくなった。戻る道はないくせに、向こう岸には渡りたくない。新しい港を探す気力もない。なんて中途半端なんだろう、と。 東大を卒業し、外資系一流企業で一番のスピード出世をし、弁護士の夫を持った。それなのに、今の私は満ち足りていない……。そんな凛子(29歳)はある日、かつての神童・熊沢くんと出会う―― 【Has been(ハス ビーン)】 一発屋のこと。 【Mr.Has been(ミスター ハス ビーン)】 かつて何者かだったヤツ。そして、もう終わってしまったヤツ。 第49回群像新人文学賞受賞作
慈悲をめぐる心象スケッチ
慈悲をめぐる心象スケッチ
著:玄侑 宗久
文芸(単行本)
慈悲は本来、行動の規範ではなかった。 宮澤賢治と同じ仏教者の視点から、『法華経』、そして賢治に静かに対座する。 怒りとは不思議なものだ。仏教では「瞋」と表されるが、誰にでもある煩悩の代表格である。おそらく、怒ったことのない人は、此の世に存在しないだろう。しかし、そのような人間のためにこそ、慈悲があるのではないか。自らの怒りが包み込まれる大海のような場としての慈悲。それを、賢治は『法華経』への信仰に見出したのだろう。――<本文より>