文芸(単行本)作品一覧

嵐ヶ熱血ポンちゃん!
文芸(単行本)
暴風波浪ポン警報半径3.5m以内は、とってもクールとなるでしょう。
人生の快楽を追求してやまないポンちゃんが贈る極上の20章。
●ポンちゃんに似合う言葉
(1)ずぼら、(2)怠惰、(3)無駄づかい、(4)倣慢
●ポンちゃんに似合わない言葉
(1)倹約、(2)ストイシズム、(3)謙遜
どんなことでも楽しんじゃう、ポンちゃん流生き方の決定版!!
淀君
文芸(単行本)
太閤秀吉の側室・淀君(お茶々)波瀾の生涯信長の妹、お市ノ方を母に持ち、浅井長政を父としたお茶々。戦乱に翻弄された後、秀吉の子、秀頼を生む。並びなき権勢を揮うが大坂・夏の陣で自刃。長編歴史小説

シティ・オブ・グラス
文芸(単行本)
ポール・オースター原作
手に汗握るこの戦慄
傑作を読む。コミックで読む。凄い!目からウロコのおもしろさ。
ミステリーの新しい形が、この、ポール・オースター作『シティ・オブ・グラス』のコミック版で始まりを告げる。ネオン・リット:ノアール・イラストレイティッド(邦題:グラフィック・フィクション)、と命名されたこのシリーズでは、モダニズム、そして、ポスト・モダニズムのミステリーの名作の数々が、世界でもトップクラスのイラストレーターと作家の手によって、コミックに生まれ変わってゆく。
作品とアーティストを選択するのは、サンフランシスコで活躍する作家で編集者、『だれがJFKを撃ったのか』を書いたボブ・キャラハンと『マウス』でピューリッツア賞を獲得したアート・スピーゲルマン。キャラハンが原作からコミックへの編集を担当し、全体の基本的なデザインはスピーゲルマンが受け持っている。
このシリーズの作品に見られる言葉と形式は、その歴史をたどると、1920年代のすぐれたハードボイルドの小説に、そして、白と黒の鋭いイメージは、ひと世代あとのノワール・フィルムにたどりつく。それら2つの伝統を取り入れ、現代の味付けをしたのが、この、知的で粋な新しいフィクション・コミック・シリーズである。
第1巻に続いて、目下、デビッド・リンチ監督で映画化もされた『ワイルド・アット・ハート』に続くバリー・ギフォードの作品、『ペルディタ・デュランゴ』、ウィリアム・リンゼイ・グレシャムの名作カーニバル小説『悪夢の裏道』を準備中である。『ペルディタ・デュランゴ』担当は、キャラハンとスコット・ギリス、『悪夢の裏道』には小説家トム・デハヴェンとマーク・ズィンガレリが取り組んでいる。――ボブ・キャラハン

夫の始末
文芸(単行本)
第35回女流文学賞
第6回紫式部文学賞
夫婦のあり方を問う話題の本。野の花と山を愛する妻87歳、劇作家の夫90歳
敬い援けあって共に歩んだ60年
男と女は、夫と妻というかたちをとりながら、その生ける日の限り、愛しさと憎らしさの間をゆききするものなのであろうか。――本文より

孟嘗君(3)
文芸(単行本)
三国志を超える男と女の人物造型
うねる中国、男女の機微盛衰。天才兵略家孫びん(そんびん)、美貌の宰相鄒忌(すうき)、名将ほう涓(ほうけん)さらに白圭ら、若き田文をつき動かす傑出した人間達
前方に大樹がみえた。梢のかたちはまだみえるのだが、枝は闇に融けはじめている。──妙な木だな。ほう涓は目を細くした。木が白い。かれは馬の速度をゆるめ、大樹に近づいた。字が書かれているようである。ほかの騎馬が炬火をともすまえに、ほう涓は鑚木をとりだして、火をつくった。その火をたかだかとあげ、「ほう涓はこの樹の──」と、読んだところで、斉軍の1万の弩から矢がはなたれた。山が吼えた、とほう涓にはきこえた。それが斉兵の喚叫であることを知ったほう涓は、地にすわったまま、おもむろに剣をぬき、「ついに豎子(じゅし)の名を成さしめたな」と、闇のなかでこちらをみつめているにちがいない孫びんを豎子とあざけり、みずからをもあざけって、その剣で首を剄(き)った。──馬陵の戦い
白楼夢
文芸(単行本)
シンガポ-ルで罠にはめられた男の逃避行!大正時代、現地社会の顔役にのしあがった林田は、華僑の女性殺しの罪に問われた。混沌とした港街を必死で逃げまわりながら、林田は事件の背後にある闇に迫る。

魔女のソナタ
文芸(単行本)
伊集院大介、倒錯の性の世界に踏み込んで自殺事件の謎を解く!
伊集院大介は、田宮玲に連れて行かれたレズバーのママから依頼を受け、奇妙な倒錯の世界に足を踏み入れる。女しか愛せない女、世間の常識からかけ離れた奔放なセックスライフ、複雑な人間関係のもつれ。次々に衝撃的事実が明かされる。

しんとく問答
文芸(単行本)
大阪の日常を幻想空間に異化する最新連作。
●収録作品
マーラーの夜
「芋粥」問答
十七枚の写真
大坂城ワッソ
四天王寺ワッソ
俊徳道
贋俊徳道名所図絵
しんとく問答

イコン
文芸(単行本)
現在と格闘する作家・今野敏渾身の問題作!!
メディアに宿る現代の聖画。電子の偶像は降臨するのか!マニアが熱狂する奇妙なコンサートで発生した、都市空間にのみに起こり得る殺人事件!!
警視庁生活安全部少年課に所属する警察官宇津木真が、遭遇したのは実に奇妙なコンサートだった。メインのアーティストが登場しないままステージが進んでいるのに、客は何も不満を訴えていないのだ。演奏中突然発生した暴動の中で、1人の少年が刺殺された。事件の背後関係を捜査する宇津木たちの前に、メディアと都市風俗の迷宮が待ち受けていた。

億夜
文芸(単行本)
のこされて生きる人たちの哀しみと見果てぬ夢。女と男の生死をみつめ言葉の重さと生命の意味を問う渾身の書下ろし傑作長篇小説
もしも自分が死ぬときには、最後に残された力をふりしぼって、あの「蜉蝣の箱」の蓋を開けることにしよう。すると、今夜のいくつもの声や言葉が、エロティックにゆらゆらと立ち昇っていき、自分のいのちもまた、それらを追いかけて蜉蝣のように軽やかに、大気の中に溶けこんでいけるかもしれない……──(本文より)

大正文士颯爽
文芸(単行本)
この本を推す――江藤淳
私は芥川龍之介こそ知らなかったが、佐佐木茂索も小島政二郎も知っていた。しかし、この2人の前半生が、「大正」という時代に格別の愛着を抱いている著者によって、かくも精細に活写されるとは思わなかった。私が小山文雄氏の『大正文士颯爽』を、巻措くあたわざる想いで一気に読了した所以である。

記憶の中の殺人
文芸(単行本)
27年前の軽井沢──。少年、浅見光彦に何があったのか!?
内田家の墓の隣に墓地を構える一族の当主の密室殺人事件。その事件の糸を手繰りよせるうちに、浅見の喪われた記憶が甦る。
内田家の墓前に供えられた心当たりのない花。不審に思うセンセだが、浅見は隣の財田家から移しかえられたものと推理した。ところが、その約1カ月後、財田家の当主であるゼット精工社長・財田啓伍氏が何者かに殺された。奇妙なことに現場のテーブルにあったコーヒーカップから検出されたのは、3年前に自殺した財田氏の長女・芙美子の指紋だった──。名探偵・浅見光彦と軽井沢のセンセが、殺人事件の謎を追う!

総門谷R(小町変妖篇)
文芸(単行本)
空前の超伝奇最高潮!
あの高野山での死闘から7年──アキラ、久遠、空海の3人が力強く甦った!鵺(ぬえ)篇からの宿敵、半人半獣の美女・シバとの対決が迫る!
早池峰の地下の冥界の王・総門は、怨魔王として、地上世界の征服を目指す。彼の操る厩戸・役小角・ネロ・シバたち怨魔と、時空を超えたはてしない死闘を続けるアキラ、久遠、空海。3人は、第2部・鵺篇で炎につつまれ灰となった──。7年の後、僧たちの読経の声のなかで、アキラたちはふたたび地上へと甦ってくる!そして──新たなる壮絶な闘いが待つ地へと赴くのであった。パワーアップでますます目が離せない、急展開の第3部!
亀田大隅
文芸(単行本)
今、最も期待される新鋭の時代小説中編集。“一代の武辺者”亀田大隅の生涯。江戸開府百年、元禄の世の侍、小林平八郎の士道とは?武家時代の捨て石となった頼政。時代は変わっても一本流れる侍の生き方。

面一本
文芸(単行本)
ユーモラスに描く古本屋の若女将の奮闘記。
マネーゲームに狂奔したあの時代、地上げ屋にも、古本を投機の対象にするバブル紳士にも、万引青年にも負けず……。三世代同居を古書店を舞台に描く長編家庭小説

宮本武蔵(一)
文芸(単行本)
新聞連載時の全挿画を収めた愛蔵決定版
関ヶ原の合戦後、武蔵は剣の道に専念するが、柳生の庄で深い挫折を味わう。行く手はますます厳しさを増す……。
0990 深夜パ-ティ-
文芸(単行本)
深夜のダイヤルQ2に集う若者たちの孤独。ピンサロのレジ係のレイコ。健康ベッド訪問販売の松岡。大学受験に失敗し続けるキャンディ-…0990―深夜のダイヤルQ2に集う若者達、時代の尖端を択る快作

愛人
文芸(単行本)
大宅賞作家、家田荘子の衝撃レポート!
ピュアで危険な不倫愛を選んだ女たちの“SEX、金、恋愛”
●レズ関係にある18歳の女の子たちの愛人体験
●代議士秘書と5万円で愛人契約をした予備校生
●オフィスラブが彼の転勤でSMチックな関係に
●建設会社社長に3億円の家をもらったホステス ほか
とかく偏見の目で見られたり、差別を受けやすい愛人についても、深い愛や、人に言えなかったりする事情があるのではないだろうか。そう思いいたった時から、私の「愛人」取材が始まった。――(「はじめに」より)
星の町
文芸(単行本)
町を牛耳る暴力団に七人の市民が徹底抗戦!広域暴力団・三橋組は地方都市を乗っ取り、組の「首都」にした。ここに敢然と立ち上がったのは七人の市民、彼らが住むマンションに籠城し、絶望的な戦いを始めた

白道
文芸(単行本)
’95年度芸術選奨文部大臣賞受賞
寂聴が歩む。西行につづく白道を。西行と同じく俗世の営みを経て出離の道を選んだ著者にして、初めてとらえ得る西行の全宇宙。
寂聴の西行はさすがに仏道に全身漬かっている人が書いた西行である。最初は西行を書くことが大切だったのだろうが、最後には西行のなかに自分が溶けこんで消えていくことこそが大切になったのだと僕には感じられた。──川西政明(読売新聞書評)