文芸(単行本)作品一覧

孟嘗君(5)
孟嘗君(5)
著:宮城谷 昌光
文芸(単行本)
【新たな宮城谷伝説、完結】 高きを求める英知と愛の生涯!いま函谷関(かんこくかん)の暁闇を破る者は?人間の大いなる心の成長を風韻高く描ききった文字通り最高の名品! 白圭(はくけい)は微笑していた。「文どのか」涸(か)れた声ではない。いのちのうるおいが残っている声である。「父上――」田文(でんぶん)は白圭の手をさぐった。その手は乾いていた。自分を大きくしてくれた手は、この手だ、とおもうと田文は涙がとまらなくなった。白圭はしみじみと田文をみている。「文どの、人生はたやすいな」「そうでしょうか」「そうよ……。人を助ければ、自分が助かる。それだけのことだ。わしは文どのを助けたおかげで、こういう生きかたができた。礼を言わねばならぬ」「文こそ、父上に、その数十倍の礼を申さねばなりません」「いや、そうではない。助けてくれた人に礼をいうより、助けてあげた人に礼をいうものだ。文どのにいいたかったのはそれよ」白圭はそれから洛芭(らくは)や斉召(せいしょう)などに顔をむけ、――田文がいちど別室にさがったわずかなあいだに、息をひきとった。――本文・函谷関から
宮本武蔵(三)
宮本武蔵(三)
著:吉川 英治
文芸(単行本)
新聞連載時の全挿画を収めた愛蔵決定版 江戸で剣名をあげる小次郎、変身の時を迎える武蔵 吉岡一門との大勝負の後、武蔵は下総にあって剣を捨て、鍬を持つ。
雲さわぐ
雲さわぐ
著:藤井 素介
文芸(単行本)
島原・天草の乱後、信仰を奪われ、貧困にあえぐ天草を救おうと、渾身の努力を続け、命を賭けて幕府に挑んだ代官・鈴木重成の波瀾の生涯。長篇書き下ろし力作。
恋愛小説名作館(3)
恋愛小説名作館(3)
編:関口 苑生
文芸(単行本)
好評の短篇名作アンソロジ-全三巻の完結編吉行淳之介・瀬戸内寂聴・五木寛之・大沢在昌・夏樹静子・渡辺淳一・高樹のぶ子・船山馨・皆川博子・野呂邦暢。名手十人の代表作を網羅するアンソロジ-の決定版
果てもない道中記(下)
果てもない道中記(下)
著:安岡 章太郎
文芸(単行本)
第47回読売文学賞受賞! 「大菩薩峠」の雄大さを堪能する魅惑の旅 著者自身の「目」を規範にして、未完の大著「大菩薩峠」の名作たる所以(ゆえん)を味わい深く解きあかした傑作エッセイです。
果てもない道中記(上)
果てもない道中記(上)
著:安岡 章太郎
文芸(単行本)
『大菩薩峠』の面白さと奥の深さを探求する味読の旅 大衆文学の金字塔『大菩薩峠』を読んだ人はもちろん、読んでいない人も、本書で、この不朽の名作を味わい尽せます。
日本の詩歌 その骨組みと素肌
日本の詩歌 その骨組みと素肌
著:大岡 信
文芸(単行本)
日本の叙景歌は偽装された恋歌である 詩人の感性と知性が日本古典詩歌の独自性と魅力を縦横に語る。フランス読書界を知的興奮に巻きこんだコレージュ・ド・フランスでの講義テキスト全5講。
天空の蜂
天空の蜂
著:東野 圭吾
文芸(単行本)
驚愕のクライシス・サスペンス! 天空の蜂はいかなる毒針を刺そうとするのか!?書下ろし900枚! 前代未聞!原発を揺さぶる空からの脅迫。圧倒的迫力で描くクライシス・サスペンス 「爆発物を積載した超大型ヘリを高速増殖炉に墜落させる。それを防ぎたければ日本中の原発を即刻使用不能にせよ」──。「天空の蜂」と名乗る犯人が仕組んだ恐るべき犯行。超大型ヘリはすでに原子炉上空千数百メートルでホバリングを始めていた。だが犯人にも誤算があった。コンピュータによって遠隔操作されるヘリ内部には、子供が閉じこめられていたのだ。原発が、子供が、日本が危ない!!
孟嘗君(4)
孟嘗君(4)
著:宮城谷 昌光
文芸(単行本)
【諸子百家、大鳴動】 逆流にあえぐ宿命の美女!食客説客、風のごとく去来する戦国の中国を、億万人に1人の清々しい声で相渉る青年田文の愛と風格! 別離の宴を閉じた尸佼(しこう)は、馬車に乗るまえに、田文(でんぶん)を招き、「やがて天下は文どのを中心にうごくようになると思う。そのとき、仁義をけっしてお忘れにならぬことです」と、おどろくべきことを、おだやかにいった。「はい」と、こたえた田文は胸苦しさをおぼえた。「公孫鞅(こうそんおう)の失敗は、その仁義をおろそかにしたところにある。白圭の成功は、おそらく、いのちがけで仁義をまもってきたことにある。仁義ということばは、中華がもちえた最高の理念をあらわしている。それがわかる者が天下を制御してゆくのです」「ご教示、かたじけなく……」尸佼は馬車に乗った。天空から降ってくる光が明るい。野山は新しい緑で沸きかえっている。そのなかを尸佼の馬車の影が小さくなっていった。――[壮者の時]
飛雲城伝説(2)女神記
飛雲城伝説(2)女神記
著:半村 良
文芸(単行本)
壮大なスケールの長編時代伝記ロマン。 女城主に率いられる胡桃野の領民は、近隣諸国と友好関係を樹立していくが、大国・大潟勢だけは侵略の意図を隠さない。対決の日が迫る。飛雲城の面々の秘策は何?
違法弁護
違法弁護
著:中嶋 博行
文芸(単行本)
江戸川乱歩賞受賞第1作 圧倒的評判を得た受賞作『検察捜査』につづく書下ろし法律(リーガル)サスペンス! 横浜本牧埠頭の倉庫街で警官が射殺された。若い女性弁護士は貿易会社の危機管理をすすめるうちに、巨大な陰謀に気づいた! 横浜の巨大法律事務所の勤務弁護士(アソシエイト)・水島由里子は、女性初の経営弁護士(パートナー)の地位をめざして、貿易会社の法的危機管理を担当した。しかし、クライアントの連中は古ぼけた倉庫の中に何を保管していたのか、倉庫の秘密を守るために警察官を射殺したのか?最高検も動いている。このままでは弁護士生命まで絶たれてしまう……!
増殖商店街
増殖商店街
著:笙野 頼子
文芸(単行本)
「復☆電書」企画にて、電子書籍で復刊! 現実と幻想の中に飛翔する「言葉」の真髄。夢の中で買い物に行った商店街はどんどん増殖、いろんな顔を見せて無名作家の「私」を楽しませる表題作。他に、飼い猫の失踪事件を描いた短篇など四篇を収録。収録作品「増殖商店街」「こんな仕事はこれで終りにする」「生きているのかでででのでんでん虫よ」「虎の襖を、ってはならなに」「柘榴の底」。(1995年10月刊) 現実と幻想の中に飛翔する「言葉」の真髄。夢の中で買い物に行った商店街はどんどん増殖、いろんな顔を見せて無名作家の「私」を楽しませる表題作。他に、飼い猫の失踪事件を描いた短篇など四篇を収録。
電子あり
梟の拳
梟の拳
著:香納 諒一
文芸(単行本)
構想5年、渾身の900枚!逢坂剛氏激賞!! 冒険小説の分野に新しい楔を打ち込んだまさに一気読みの快作! ハードボイルドという、もはや手あかのついたレッテルは、貼りたくない。この小説は、視力とともに栄光の座を失った1人の男が、挫折から再起を目指して徒手空拳の戦いを挑む、苛烈なビルドゥングスロマンである。主人公をはじめ、1人ひとりの登場人物が生の息遣いとともに、行間から立ち上がってくる。荒あらしさと心優しさが、からみ合って人生を織りなすこの作品は、冒険小説の分野に新しい楔を打ち込んだ。まさに一気読みの快作というべきだろう。――逢坂剛
北陸幻夢譚
北陸幻夢譚
著:薄井 ゆうじ
文芸(単行本)
北陸の民話を薄井ファンタジ-で語る掌篇集北陸の民話を材に、恋人たちの織りなすファンタジ-をSF的エスプリと薄井的都会性で加味して語る30篇の掌篇小説集。
翼ある船は
翼ある船は
著:内海 隆一郎
文芸(単行本)
人びとの出会いと別れ心温まる冒険の旅! 鳥取、舞鶴、金沢……。息子に会うため中古車に乗って、偏屈な老人と現代っ子が、日本海沿いの町を走る。 主人公の寺島由次をとおして、かつて戦場へ狩りだされ、身も心も深く傷ついた世代の現在を描きだしたい。そこには、いま日本人の懐いている、さまざまな矛盾と問題点があらわれてくるにちがいない。また、明るい現代っ子のマリエの考え方や生き方も、きっと読者に共感していただけると思う。ご一緒に[翼ある船]に乗って、心温まる冒険の旅に出てみませんか。――[作者の言葉]
宮本武蔵(二)
宮本武蔵(二)
著:吉川 英治
文芸(単行本)
豪華で読み易い名作『宮本武蔵』の新装版! いまや、武蔵は吉岡一門の敵である。吉岡清十郎、弟・伝七郎との決闘につづき、一乗寺下り松に、吉岡門下の精鋭が、武蔵を襲う。新聞連載時の全挿画を収録する。
旗本絵師 藤村新三郎
旗本絵師 藤村新三郎
著:小笠原 京
文芸(単行本)
ニュ-ヒ-ロ-登場!旗本絵師・藤村新三郎江戸下町裏長屋の井戸替えで御禁制の品が現れ大騒ぎ。新三郎が工夫の、膠で固めた絵筆が手裏剣のように飛ぶ時、難事件も一件落着。捕物界に久々のヒ-ロ-誕生。
ウロボロスの基礎論
ウロボロスの基礎論
著:竹本 健治
文芸(単行本)
実在する推理作家たちを襲った奇妙な事件! 本の上に“排泄物”を残していく「うんこ事件」が、山口雅也氏、新保博久氏、笠井潔氏らのもとで起こった。物語中に有名作家が突如原稿を混入し、謎は深まる一方。
嵐ヶ熱血ポンちゃん!
嵐ヶ熱血ポンちゃん!
著:山田 詠美
文芸(単行本)
暴風波浪ポン警報半径3.5m以内は、とってもクールとなるでしょう。 人生の快楽を追求してやまないポンちゃんが贈る極上の20章。 ●ポンちゃんに似合う言葉 (1)ずぼら、(2)怠惰、(3)無駄づかい、(4)倣慢 ●ポンちゃんに似合わない言葉 (1)倹約、(2)ストイシズム、(3)謙遜 どんなことでも楽しんじゃう、ポンちゃん流生き方の決定版!!
淀君
淀君
著:早乙女 貢
文芸(単行本)
太閤秀吉の側室・淀君(お茶々)波瀾の生涯信長の妹、お市ノ方を母に持ち、浅井長政を父としたお茶々。戦乱に翻弄された後、秀吉の子、秀頼を生む。並びなき権勢を揮うが大坂・夏の陣で自刃。長編歴史小説