文芸(単行本)作品一覧
小説を考える 変転する時代のなかで
文芸(単行本)
現代日本文学から見た鮮やかな日本文化論。黒井千次、日野啓三、高井有一、田久保英夫、大江健三郎、中上健次、富岡多恵子、大庭みな子、村上春樹の作品を分析し、時代と人間の変容・問題点を鋭く論じる。
少年行
文芸(単行本)
幕末の萩を舞台に描く高杉晋作の少年期! 親友・久坂秀三郎への熱い想い。主君毛利敬親の権力への疑問。吉田松陰との運命的な出会い。友情、恋、冒険の日々。少年晋作を襲った少年期の心情の暴風を描く。
二人の天魔王 「信長」の真実
文芸(単行本)
織田信長と「戦国」の真実の姿を暴く問題作織田信長の人気は、戦後になってから作られたもの その真の姿は天下人としての戦略を持たぬ、お人好だった膨大な数の文献で考証する「戦国時代」の真相!

眩暈
文芸(単行本)
あれから12年。今、“新・占星術殺人事件”誕生!
「占星術殺人事件」を愛読する青年の異様な行動。彼が目撃する世界の終焉。荒涼たる光景。切断され、合成された後よみがえる両性具有者!
あっ!と叫んでいた。あの部屋に、2つの死体があって、今ぼくを待っている。加鳥さんの死体がひとつ。そして、香織さんも、もう死んだだろう。だから、女の死体がひとつ、男の死体がひとつ。石岡和己の「占星術殺人事件」が実験できるじゃないか!香織さんがいつか言っていた。もし私が死んだら、アゾートの頭にしてねって。あの時は冗談でああ言ったのだけれど、でもとうとうその機会がやってきたじゃないか。ぼくは、わくわくしてしまった。――本文より
五色の変化球
文芸(単行本)
T大野球部トリオ探偵が活躍する青春推理!第34回江戸川乱歩賞を「白色の残像」で受賞した東大野球部出身の気鋭作家が描く、青春野球ミステリ-の連作傑作集。「光の中に消えた」「魔球」など五篇を収録

国境の南、太陽の西
文芸(単行本)
村上春樹の4年ぶりの長篇書下ろし小説。一人っ子として、ある欠落感をもっていた始に、小学校時代、同じ一人っ子の女の子の友達が出来る。25年後、37才の時、2人は再会し、激しい恋におちる――。
性的風景
文芸(単行本)
初老の男と若い愛人との、揺れ動く生と性!性愛は束の間のものか?妻と二人の女をめぐる究極の秘技の数々、黒表紙の日記帳に記された性の極致。表題作ほか「嫉妬」「蜜と闇」など練達の筆で描く作品集。
懐かしいあなたへ
文芸(単行本)
愛いっぱいの恐怖!!極上のホラ-小説集。妻の突然の失跡。仕事をなげうって彼女の行方を追う夫が、やがて辿りついた妻の居所で見たものは……強烈なエピロ-グな印象的な「何処へ」他珠玉の名品集。
田園風景
文芸(単行本)
現代文学が鮮やかに描くビジネスマンの内面ひきしまった文体で、日本の内と外からの視点によって現代ビジネスマンをとらえた傑作十篇収録。読売文学賞受賞作家が新しい人間関係と人物像に挑んだ画期的作品
あんな作家 こんな作家 どんな作家
文芸(単行本)
さまざまな作家に出会い、語る好エッセイ。作家の娘として生れ、強烈な父の姿を見て育った著者が新しい作家達の新しいライフスタイルに出会い何を思ったか……。ユーモア溢れる文章で、楽しく知る作家群像
マシンの見る夢
文芸(単行本)
山川健一が描く、最新バイク&ロック小説。バイクとロックと女性を愛する若き小説家木村修一の目に映る現代がかかえるさまざまな問題、こわれそうなまでに繊細な男女の愛を、静かなタッチで描く、長篇。
取引
文芸(単行本)
昨年度江戸川乱歩賞受賞第一作の書下ろし。フィリピンにおけるODAがらみの建設談合の内偵員となった伊田は、利権競争と腐敗の構図の中で事件に巻き込まれる。社会派の色濃いハードボイルド小説。
石の聲
文芸(単行本)
若くして逝った李良枝の遺稿、壮大なる序曲本年5月、惜しまれながら急逝した李良枝の未完の遺作。在日としての、人間としての根源的な問題に正面から向き合い、対決し、文学へと結実させた迫力溢れる作品
ハポン追跡
文芸(単行本)
私立探偵・岡坂神策が挑む5つの事件! コリアの町に存在するハポン一族は支倉常長使節団の末裔か?スペイン史の暗部に挑む表題作ほか、産業スパイ疑惑、少女の失踪事件などを扱った切れ味鋭い5編。
琉球の風(一)怒涛の巻
文芸(単行本)
’93年NHK大河ドラマ琉球の風の原作。1606年、徳川家康が江戸に幕府を開いた頃、琉球(沖縄)は27年ぶりに明(中国)から冊封使を迎えてざわめいていた。中国と日本の間で揺れる沖縄の大ロマン

台所のおと
文芸(単行本)
庶民の哀歓を写す幸田文学の達成点
繊細な感覚と文体、清澄な名作集
暮しのなかのなにげない音に絡みあう男と女の意気地。生きる哀しみを捉える確かな視線と透徹した感性。
すり鉢の音は、台所の音のなかではおもしろい音だった。鉢の底とふちとでは音がちがうし、すりこ木をまわす速度や、力のいれかたでもちがうし、擂るものによってもその分量によってもちがう音になる。とろろをすればくぐもった音をだすし、味噌はしめった音、芝海老は粘った音、胡桃は油の軽くなさを音に出す。早くまわせば固い音をさせ、ゆるくまわすと響く。すりこ木をまわすという動作は単純だが、擂るものによっては腕がつかれる。そういう時は2つ3つ、わざとふちのほうでからをまわすと、腕も休まるし、音もかわって抑揚がつく。擂る人がもしおどけるなら、拍子も調子も好きにできるところがおもしろかった。――本文より
殺戮にいたる病
文芸(単行本)
物語は殺人鬼がつかまるシ-ンにはじまる!なぜ蒲生稔は無差別としか思えない若い女性の連続殺人を犯すのか猟奇殺人に走る稔の魂の軌跡を追う戦慄の物語。衝撃のラストが待ちうける鬼気迫る問題作。
漢の武帝
文芸(単行本)
史上最強の独裁君主を描く書下ろし歴史小説宮廷内の血生臭い権力闘争を経て帝位についた漢の武帝。時に武帝16歳、西紀前141年。外敵 奴との長い闘い、内政の悪戦苦闘等70年に及ぶ栄光と悲惨の生涯
生きとし生けるものは
文芸(単行本)
欲望に翻弄される人間たちの醜さを哄う喜劇“繁栄と共生の未来”を謳い文句に、南海の基地の島に乗りこんだ日本企業の一行は、数々のイベントを打って住民の懐柔をはかるのだが……。欲望の醜さを哄う喜劇
海のサロメ
文芸(単行本)
六つのホテルに展開される人間模様の数々。東京ステーションホテル、横浜ホテル・ニューグランド、軽井沢万平ホテル、長崎ハウステンボスなど六つのホテルを舞台に、男と女の機微を脂の乗った才筆が描く。