講談社文庫作品一覧

謀聖 尼子経久伝 雷雲の章
講談社文庫
戦国初期に活躍した山陰の雄、尼子経久。「謀聖」と言われるほど計略に優れた人物でありながら、「天性無欲正直の人」と評された得体のしれない個性。そして、東の北条早雲とともに、下剋上大名の代名詞的存在である経久が、旧秩序の破壊を志した本当の狙いとは?
中国地方の覇者を目指し、大内氏らとの激闘を繰り広げる尼子経久。円熟期を迎え、尼子氏は隆盛を極めるかと思われたが、暗雲はその足元から湧き立ち始めていた……「妖草師」シリーズの武内涼が描く、大河歴史小説シリーズ、哀切の完結巻!

幕末ダウンタウン
講談社文庫
新撰組の隊士が謎の元芸妓と漫才コンビを組んで寄席に出る!?
笑いがつぎつぎと炸裂!前代未聞のお笑い時代小説
選考委員の満場一致で小説現代長編新人賞に輝いたデビュー作
著者は良質な漫才を思わせる精次郎、文枝、松茂登らの掛け合いを使ってテンポよく物語を進め、
さらに幕末の芸能史や新撰組の事績といった史実の中に矛盾なくフィクションを織り込んでいる。
そのためユーモア小説としても、歴史ものとしても絶妙で、
一気に物語の世界に引き込まれてしまうだろう。――末國善己(文芸評論家)

怨返し 古道具屋 皆塵堂
講談社文庫
日光街道の越ヶ谷宿の旅籠で働かせてくれた恩人・仁兵衛の遺品には幽霊が憑いていた。仁兵衛が若い時分に、江戸で借金の取り立て屋「すっぽんの桑次郎」という異名をとっていたことを知った甥の藤七は、遺品の数々を元の持ち主に返す旅に出ることになった。道中、「刀狩りの男」と呼ばれる浪人に襲われ川に落ちた藤七は、深川亀久橋近くの古道具屋「皆塵堂」で目を覚ました。
三十年前に仁兵衛が手に入れた遺品の数々は、「すっぽんの桑次郎」の借金の形なのか。優しかった伯父が人々に恨まれる非情な取り立て屋だったことがどうしても信じられない藤七は、限られた七日間の江戸滞在のうちに、遺品の持ち主を捜し出し、憑いている幽霊の謎を解き明かし、伯父の正体をつきとめることができるのか?
材木商のご隠居・清左衛門、力自慢の魚屋・巳之助、有能な小僧・峰吉らの助けも借りながら、「知りたがりの藤七」は江戸でも行く先々で幽霊をみることに……。
怪談+とぼけた笑いで人気の「皆塵堂」シリーズ、第十弾!

領地の乱 公家武者信平ことはじめ(十二)
講談社文庫
実る、愛する、生きる。
戦う理由は此処に。
累計140万部突破!
これぞ江戸活劇!
実在した公家武者を描いた
大人気時代小説シリーズ!
ーーー
子が生まれ、秋穂が実る。
鷹司松平信平は出世にともなう新領地の視察と家臣集めへ向かう。
舞い込んだのは加藤因幡守負傷の報。
背中の矢傷には、氏の醜聞が関係しているらしく(『あくび大名』)。
豊作の村に乱の気配も漂い、信平の器が試される。
実在した公家武者の爽快無比な立身譚、始まりの物語第十二弾!

エール 夕暮れサウスポー
講談社文庫
阪神園芸が舞台のお仕事小説『あめつちのうた』の著者が贈る、再出発への応援歌!
突然の戦力外通告――。でも、諦めない。
トライアウト後、唯一来たのは弱小社会人チームからの誘い。
野球がしたい。でも、お金は? 家族は――?
【内容紹介】
球団をクビになった元プロ野球投手・窪塚夏樹は、崖っぷちに立たされていた。
現役続行を目指すも、他球団から連絡は来ない。
ようやくかかってきた電話は、弱小社会人チームからの誘い。
野球を続けたい。でも、お金は? 家族は?
夢に向かってもがく全ての人に贈る応援歌!
※『エール 名もなき人たちのうた』改題

掟上今日子の旅行記
講談社文庫
今日子さん、パリへ!
「エッフェル塔をいただきに参上致します」
怪盗からの犯行予告に、掟上今日子×隠館厄介のタッグが挑む。
大人気ミステリー第8弾!
☆★☆★☆★
旅先から、著者サイン入り絵葉書をお届け!
封入の応募専用はがきを用いてご応募くださった方の中から、
抽選で10名様に、著者サイン入り絵葉書を旅先からお届けします。
【応募締切:2023年4月17日当日 消印有効】
☆★☆★☆★
怪盗淑女を名乗る人物からパリ警視庁に届けられた犯行予告状。
「エッフェル塔をいただきに参上致します」。
花の都を代表する名所を守るため、最速の探偵・掟上今日子が海を越えて招かれる。
だが、怪盗の真の狙いは、今日子さん自身にエッフェル塔を盗ませることで!?
おなじみ厄介も登場、大人気ミステリー第8巻!

無情の世界 ニッポニアニッポン 阿部和重初期代表作2
講談社文庫
暴力、ネット、閉塞
阿部和重は時代を看取していた
「J文学」ブームを牽引した先進的傑作
まさに「初期」であるがゆえの
荒々しさとナイーヴさを併せ持った傑作揃い
――解説(佐々木敦)より
野間文芸新人賞受賞作、芥川賞候補作を収めた阿部和重の神髄がつまった新編!
現代日本文学の稀有な才能・阿部和重が不穏な語りで暗示する、危険で予知的な小説世界。
90年代末からゼロ年代初頭に発表された、野間文芸新人賞受賞作『無情の世界』(「トライアングルズ」「無情
の世界」「鏖(みなごろし)」所収)、芥川賞候補作『ニッポニアニッポン』を収めた阿部和重の神髄がつまった新編。〈解説=佐々木敦〉

アメリカの夜 インディヴィジュアル・プロジェクション 阿部和重初期代表作1
講談社文庫
自意識は、暴走を始めた
現代日本文学の「特別な存在」の、原点
すべては、阿部和重から始まった
群像新人文学賞受賞のデビュー作、90年代「J文学ブーム」の象徴的作品を収めた新編!(解説=佐々木敦)
「特別な存在」でありたいと願い映画的なものに憧れる青年。
現代日本文学の稀有な小説家・阿部和重のデビュー作『アメリカの夜』と、90年代「J文学」ブームの象徴的作品『インディヴィジュアル・プロジェクション』に通底する主人公像は、暴走を始める。
一種の姉妹篇と読める代表作の新編。

すらすら読める枕草子
講談社文庫
NHK「100分de名著」でも取り上げられた、『枕草子』を縦横に楽しむ快著が文庫化!
忍ぶ仲のマナー、人としてのエチケット、他者を思いやり感動する心。
現代にも共通する大切なことは、みな、清少納言が書き留めていた。
清少納言の随筆『枕草子』を、男と女のエチケット・人としてのマナーから読み解くと、身近な事柄としてなんと鮮やかによみがえることか! 千年前の古典が現代のわたしたちと見事につながっていく。斬新な視点からの構成、対訳と秀逸な解説で『枕草子』の魅力を余すことなく引き出した快著、待望の文庫化!
この本は、現代にも通用する普遍的な側面に注目して『枕草子』を読んでみたものです。読み終わった後、きっと清少納言の率直な発言、鋭い感性や観察眼に魅了されていると思います。私も彼女が大好きです。ーー山口仲美

すらすら読める源氏物語(下)
講談社文庫
『源氏物語』の世界に、すぐにはまり込む最高の組み合わせ。
紫式部の原文を瀬戸内寂聴の名訳と解説で楽しむ。
最も近代小説の匂いがするので、若い人は下巻から読み始めて下さってもいいと思います。ーー瀬戸内寂聴
下巻は「匂宮」「浮舟」「蜻蛉」「手習」「夢浮橋」。

PK 新装版
講談社文庫
人は時折、勇気を試される。
落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。
その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。
勇気と臆病が連鎖し、絡み合って歴史は作られ、小さな決断がドミノを倒すきっかけをつくる。
三つの物語を繋ぐものは何か。
読み解いた先に、ある世界が浮かび上がる。

警視の慟哭
講談社文庫
警視庁から所轄署へ異動させられたキンケイド警視は、警察内部の闇の存在から目をつけられていることを知る。一方、妻のジェマはロンドンで、高級住宅に囲まれて外部からの侵入が困難な庭園で若い女性の死体が発見された事件に駆り出される。過去からの因縁と悪意を解きほぐした末に待つ、驚愕の真相とは!
『警視の謀略』に続くダンカン・キンケイド警視シリーズ、第17作。
『警視の挑戦』から続いていた陰謀の黒幕がついに明らかに!

福猫屋 お佐和のねこかし
講談社文庫
ネズミ捕りの猫を手配したり、猫をあしらった小物を作ったり、さらには子猫と遊びたい客が存分に楽しめる猫茶屋を開いたりして、福猫屋の経営もやっと軌道に乗りかけてきた。そんな矢先、突然猫が消える「猫さらい」の噂が伝わってくる。すでに地元の両国界隈で発生しているらしい。三味線に使う目的のためにトラ猫と白猫が売り飛ばされているという噂まで上っていた。果たして福猫屋では白猫のユキが行方不明になった。犯人は客の中にいるのだろうか。そしてこの「猫さらい」をきっかけに、お佐和が思いついた新たな商売とは……。

ホシノカケラ
講談社文庫
EXILE/三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典さん、絶賛!「ただただ、共感」
ライブ動員数日本一を誇るバンド「デラノ」のボーカル・香田起伸は、初めてのソロライブを前にして孤独と葛藤を抱えていた。そんな香田を支えながら、次々に起こる問題を乗り越え、最高のステージを作り上げるために戦い続ける男たち。決して脚光を浴びることのない「裏方」たちの人生と熱い思いを描く。
ライブ空間を作り上げるのは、アーティストだけではない。現場で戦い続けるプロフェッショナルの仕事と、そこにかける思いとは?

漫画版 徳川家康 3
講談社文庫
今川義元は織田信長の奇襲により、桶狭間で討ち死にし、
元康は、岡崎城主になる。
永禄5年、元康は清洲に信長を訪ね、家康と名を改めた。
岡崎に戻った家康の長男である信康と信長の娘、徳姫の縁談が上がる。
家康は正室・築山御前との間に、深い溝が横たわり、一向一揆が起こる。
信長の要求に応じた姉川の戦いで善戦するも、武田信玄との三方ヶ原で
人生最大の窮地を迎える。

漫画版 徳川家康 2
講談社文庫
6歳の竹千代(のちの家康)は今川家の人質として護送される途中に織田家の掌中に入る。
竹千代の父・広忠が非業の死を遂げ、岡崎城は今川家に明け渡される。
竹千代は今川家にとらえられていた織田信長の兄と交換で、駿府におくり返された。
今川家の人質となった竹千代は、今川義元の姪の鶴姫(瀬名)との政略婚など
屈辱を忍ぶ生活を強いられる。岡崎衆は竹千代の帰還を待つが・・・。
14歳になった竹千代は元服し、元信と名を改める。祖母の華陽院、雪斎禅師も亡くなる。
信長が尾張を統一して10年。ついに岡崎に帰った元信は、元康と改名することになった。

雪密室 新装版
講談社文庫
雪と鍵。
二重の密室状態から、犯人が消えた。
父は警視、息子は作家。
法月親子は密室殺人のトリックを解き明かせるか?
雪の山荘へ招かれた法月警視。客人が揃った夜、招待主の美女の死体が離れで発見される。部屋は施錠され、雪の上には発見者の足跡だけ。不可能状況から自殺で処理しようとする地元警察に対し、殺人を疑う法月警視は、綸太郎とともに密室トリックの解明に挑む。大人気「法月綸太郎」シリーズ、始まりの一作。

Cocoon 京都・不死篇4-嗄-
講談社文庫
同志への想いを胸に、生き鬼となった瑠璃。
地獄からの脱出行が、いま始まる!
人気シリーズ新章、第4弾!
異形の妖鬼を操る「夢幻衆」と、黒幕・蘆屋道満。
元花魁で鬼退治組織「黒雲」頭領の瑠璃らは、仲間を失いつつも京で敵と戦い続ける。
やがて同志への愛に気づいた瑠璃だったが、それゆえ一時生き鬼となってしまう。
閻魔大王に呼ばれ、ひとり黄泉を行く瑠璃。
わっちはこれから、どうなっちまうんだ。
〈文庫書下ろし〉

すらすら読める奥の細道
講談社文庫
「月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人なり」
松尾芭蕉はなぜ旅に出たのか。
三百年以上たっても、色褪せることのない芭蕉の旅。
俳句とともに歩んだ芭蕉の旅路。
芭蕉の身体は亡びたが、芭蕉の魂である言葉は今も時間の中を旅していて、なお永劫の未来へ向かって旅をやめようとはしないのである。ーー立松和平

すらすら読める源氏物語(中)
講談社文庫
『源氏物語』の世界に、すぐにひたれる最高の組み合わせ。
紫式部の原文を瀬戸内寂聴の名訳と解説で楽しむ。
なんといっても『源氏物語』の魅力は原文です、原文の素晴らしさ、美しさです。ーー瀬戸内寂聴
中巻は「若菜 上」「若菜 下」「柏木」。