講談社文庫作品一覧

おんなみち(中)
おんなみち(中)
著:平岩 弓枝
講談社文庫
初恋を心の底に封じ込め、今は、老舗青華堂の妻として生きる世津を、家業の危機、父の死、夫の背信、と矢つぎばやの悲運が襲う。そして少壮実業家となった信吉との再会。貝のように閉ざされた世津に、青春の甘やかな疼きが甦る。愛の一筋道を生きた明治の女の一生を、香り高く描く長編ロマン、佳境へ。
大奥婦女記
大奥婦女記
著:松本 清張,解説:進士 慶幹,装丁:伊藤 憲治
講談社文庫
江戸城に画然と仕切られた男子禁制の大奥。時勢に乗って権勢を謳歌する女、逆境のわが身を嘆く女、次代の隆盛を狙って秘かな策動を図る女―――愛と憎しみと嫉妬と。さまざまな思いを秘めて、女のさがが渦をなす大奥には、異常な確執が激しく火花を散らす。その実相を冷徹な作家の眼が捉えた時代長編。
OL日記
OL日記
著:宇能 鴻一郎,装丁:原 弘,装画:村上 豊
講談社文庫
芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、濃厚な描写とユーモラスな筆致で描く、社内セックス小説。ーーあたし、高校を卒業したばかりのピチピチ新入OL。今日はいよいよ入社式の日だけど、何か起りそうで、ちょっぴり不安で、ちょっぴり楽しみ。そしたらさっそく人事課長さんたら、あたしたちを並べておいて、上から下へ下から上へ、なめ回すみたいにジロジロジロジロ見るんです。やっぱり何かが起りそう……。研修旅行で坐禅を組まされたその夜、先輩社員との間で起こったアノ事、専務室に書類を届けに行ったソファーの上で、突然専務さんたら……。昼休み、中年社員に連れ込まれたラブホテルでのあわただしいデキゴト……。
電子あり
三国志(五)
三国志(五)
著:吉川 英治,装丁:亀倉 雄策,装画:原田 維夫
講談社文庫
新野を捨てた玄徳は千里を敗走。しかし曹操はなおも追撃の矛を収めず、呉を仲間に誘い天下に覇を唱えようと図る。だがこれは呉の降参を意味する。呉の逡巡を看破した玄徳の軍師孔明は呉侯孫権を説き伏せ共に曹操に当る。史上有名な赤壁の決戦が迫る。――戦塵に競う群雄の栄枯盛衰を描く叙事詩。〈全8巻〉
雨の中に消えて
雨の中に消えて
著:石坂 洋次郎,解説:森 英一,装丁:亀倉 雄策,装画:鈴木 義治
講談社文庫
高校時代の親友だった北国の乙女たちが上京して共同生活を営む。一人は大学生、一人は洋裁学校生、そしてもう一人は雑誌記者となる。三人はそれぞれの相手と自由に、恋愛や結婚や性の問題について論じあい、都会の激しい渦の中で成長していくのだが……。若い娘たちの青春の情熱と夢を、みずみずしく描いた巨匠の長篇小説。
電子あり
おんなみち(上)
おんなみち(上)
著:平岩 弓枝
講談社文庫
格式高い茶師の跡取り娘世津と出入りの茶園の息子信吉。白い茶の花が揺れる茶畑で生まれた可憐な恋は、「家」の重みに抗して燃えあがる。情熱のままに、世津は東京へ出奔するが、約束の宿に信吉はついに現れなかった……。文明開化の静岡を舞台に、恋人たちが辿る人生模様を、哀切に描く長編ロマン。〈全3巻〉
十三人の修羅
十三人の修羅
著:古川 薫,解説:尾崎 秀樹,装丁:亀倉 雄策,装画:原田 維夫
講談社文庫
明治維新を間近かにした文久2年12月、攘夷の激情をおさえかねた長州の若手藩士13人が、横浜の英国公使館を焼打ちする。20歳の瓜生愼蔵もその中のひとりだった。彼は激変する歴史の流れに順応することを拒み、独自の道に入る。それは或る娘との出会いで宿命づけられた人生……。歴史小説の俊英による野心作。
電子あり
浜田廣介童話集
浜田廣介童話集
著:浜田 廣介,解説:村松 定孝,装丁:亀倉 雄策,装画:三国 よしお
講談社文庫
浜田廣介は、小川未明とともに、大正・昭和の日本の童話文学を代表する作家である。廣介の真心こもる数多くの作品は、「ひろすけ童話」の名で、大人から子供までの幅広い層に親しまれ、今日もなお読みつがれている。本巻は、代表作である「よぶこ鳥」「むく鳥のゆめ」「花びらのたび」「りゅうの目のなみだ」「泣いた赤おに」など、28編を収録。
電子あり
ヨーロッパ無宿
ヨーロッパ無宿
著:中薗 英助,解説:進藤 純孝,装丁:亀倉 雄策,装画:谷口 茂
講談社文庫
遠旗健士、29歳、元ヨーロッパ駐在の商社マン。経済大国・日本の尖兵として、ビジネスの前線に派遣されたエリート社員であったのだが、最愛の恋人を無惨な事故で失ってからは、あてどもないヨーロッパ無宿の旅へ……。彼の護身用の唯一の武器は、パイプのハロードニェフ。恋人への追憶を胸に秘めながら、さすらう男の孤独の冒険行を活写する、ハードボイルドの傑作!
電子あり
真夜中の男
真夜中の男
著:結城 昌治,解説:清水 信,装丁:亀倉 雄策,装画:谷口 茂
講談社文庫
古川柳おちぼひろい
古川柳おちぼひろい
著:田辺 聖子
講談社文庫
川柳は座右におき、いつも眺めているのがいい。年を重ねるほどに、今までわからなかった句がわかるようになる。こうして面白い句を拾いあげ、掌にためるのがおちぼひろいの楽しみである。ユーモアの達人である著者が、先達の作品から秀句を拾いあげ、掌上で男心や女心の微妙な味わいを楽しんでみる、卓抜エッセイ。
電子あり
男の市場(下)
男の市場(下)
著:黒岩 重吾,解説:尾崎 秀樹,装丁:亀倉 雄策,装画:箕村 禧男
講談社文庫
園子と晶子の確執にまきこまれる一方、古城は、背徳的な性関係をもった義母・高江と再会。自分への彼女の色欲を操り、店の資金を出させようと計る。そして籠絡に成功し、大願成就の日、彼を見舞った決定的な破局……。ホストクラブの生態を描き、人間の深部にうごめく色と金のゆがんだ欲望をえぐり出した、長編異色作。<上下巻>
電子あり
男の市場(上)
男の市場(上)
著:黒岩 重吾,装丁:亀倉 雄策,装画:箕村 禧男
講談社文庫
洋装店を開く金を稼ぐため、ホストクラブに勤める古城の前に、謎めいた上客の園子とその義理の娘でレスビアンに耽ける晶子が現われる。客から受ける屈辱も金のためと割り切る古城だが、憎みあう二人に挾まれ、園子への征服欲、晶子への屈折した愛に心は揺ぎ、彼の将来に向けた精緻な計算も、少しずつ狂い始める。<上下巻>
電子あり
三国志(六)
三国志(六)
著:吉川 英治,装丁:亀倉 雄策,装画:原田 維夫
講談社文庫
赤壁の大敗は曹操に痛撃を与えた。呉は拾いものの天下を手中にし、玄徳にも三城の主となる幸せが訪れた。だが、平穏も束の間、呉の智将周ゆと玄徳軍の孔明との間には新たな謀略戦が始まる。一方、失意の曹操は失地の回復を窺い虎視眈々の眼を光らす。――中国大陸を揺るがす波乱万丈の大ドラマ!〈全8巻〉
ぼくは王さま(3)
ぼくは王さま(3)
著:寺村 輝夫,装丁:亀倉 雄策,装画:和歌山 静子
講談社文庫
紅の幻影(勝海舟の殺人)
紅の幻影(勝海舟の殺人)
著:斉藤 栄,解説:影山 荘一,装丁:亀倉 雄策,装画:南 正雄
講談社文庫
浴槽の中に浮いていた水野昇の遺体は、解剖の結果、事故死として処理された。だが、事件を予感したひとりの捜査官は、この作家志望の男の遺稿に目を通し、完璧に仕組まれた犯罪の痕跡を嗅ぎつける。美貌の作家夫人殺害の犯人を推理する、遺稿に隠された重大な事実とは? 遺稿を第一部として完結させながら、第二部につなぐ異色の構成をとる長編推理。
電子あり
三国志(四)
三国志(四)
著:吉川 英治,装丁:亀倉 雄策,装画:原田 維夫
講談社文庫
乱世の姦雄と自称する曹操も関羽には弱かった。いかに懐柔を試みても玄徳を慕う関羽の心は奪えない。玄徳と関羽と、両雄が再び相見るのはいつ?その玄徳は今荊州にあって微力な存在だが、天才的策士孔明を知るに及んで、ようやく天下人としての飛翔を狙う。――豪壮に展開する中国民族絵巻。〈全8巻〉
三国志(三)
三国志(三)
著:吉川 英治,装丁:亀倉 雄策,装画:原田 維夫
講談社文庫
黄巾賊の乱より10年、天下の形勢は変った。曹操は全大陸を掌握し、諸侯の顔色はなかった。関羽、張飛を擁する玄徳も、いまは小沛の孤塁を守るのみ。打倒曹操!その声はひそやかながら、さざなみのように波紋の輪をひろげ、諸侯のうちに侵透していく。――治乱興亡の相を鮮かに描く大絵巻。〈全8巻〉
源氏九郎颯爽記
源氏九郎颯爽記
著:柴田 錬三郎,解説:磯貝 勝太郎,装丁:亀倉 雄策,装画:東 啓三郎
講談社文庫
純白の羽二重の着流しで、紋は真紅の水おもだか、帯も純白なら、刀も脇差も白柄白鞘の、孤影の剣士・源氏九郎は、源義経の後裔……。義経が鞍馬山の化生者から授けられたという火焔水煙の雌雄剣に秘められた家康の財宝をめぐって、火焔は水をよび、水煙は火をもとめ、源氏九郎の秘剣揚羽蝶が華麗に舞う、長篇時代小説。
電子あり
ブルーフィルム殺人事件
ブルーフィルム殺人事件
著:石沢 英太郎,解説:深野 治,装丁:亀倉 雄策,装画:寺田 健一郎
講談社文庫
大学の映画研究部の後輩たちが、ある映画を自主製作するらしい、と知って、私の心は動揺する。その映画には、性交渉の場面が必要だし、ヒロイン役は、私がひそかに好意を寄せる佐伯翠だったのだ。彼女は、はたして、その役を引きうけるのだろうか。そして現実は、私が怖れる方向にすすみ……。練達の著者による推理秀作集。
電子あり