講談社文庫作品一覧

あの日この日(三)
あの日この日(三)
著:尾崎 一雄,装丁:亀倉 雄策,その他:尾崎 一雄
講談社文庫
常に偽らざる自己を語って、変遷めまぐるしい今世紀を生きてきた一私小説家の文学私史的自伝。野間文芸賞受賞作。現代文学を側面から解き明す手掛りと発見にみちた書として評価も高い。本巻では、結婚前後の経緯、西鶴現代語訳の苦心、同人誌「小説」のことなどを録し、小林多喜二の志賀直哉訪問時期の真相を丹念に追究する。 変遷めまぐるしい時代を生きつづけた一私小説家の文学私史的自伝。現代文学を側面から解き明かす手がかりと発見にみちた名著。野間文芸賞受賞。〈全四巻〉 (三):松枝との結婚についての経緯を語ると共に、西鶴現代語訳にかんする苦心談、同人誌「小説」のこと、小林多喜二が直哉を訪ねた時期の真相の丹念な追求など、知られざる挿話が書き込まれている。
電子あり
我が炎死なず
我が炎死なず
著:黒岩 重吾,解説:小松 伸六,装丁:亀倉 雄作,装画:濱野 彰親
講談社文庫
突然襲った、原因不明の全身麻痺。その日から、生への執念と奇病との格闘が始まった。芋虫のようにのたうつ我が身の惨めさ、意のままにならぬ入院生活、看病してくれる妻とのいさかい、絶望的になる日々の中で、作家になることを心の支えにして、ついに難病を克服。強烈なバイタリティがほとばしる、自伝的長編。
電子あり
剣と花(下)
剣と花(下)
著:立原 正秋,解説:武田 勝彦,装丁:亀倉 雄策,装画:丹阿弥 丹波子
講談社文庫
剣と花(上)
剣と花(上)
著:立原 正秋,装丁:亀倉 雄策,装画:丹阿弥 丹波子
講談社文庫
夢見る沼
夢見る沼
著:井上 靖,解説:進藤 純孝,装丁:亀倉 雄策,装画:井上 公三
講談社文庫
結納まで取り交したカメラマンとの縁談を解消する使者となったのが縁で、その男性に心をひかれていく大瀬伊津子。彼女に求婚していた新聞記者は、彼女の心の中にいつしか他の男が入り込んでいるのを感じる。伊津子は、友人を裏切ってカメラマンとひそかに交際している自分自身を、恐ろしい女だと思いはじめる……。適齢期の女性の心の中に棲む、愛と悪魔の葛藤を描いた、傑作長編。
電子あり
幻魚の島
幻魚の島
著:田中 光二,解説:松田 修,装丁:亀倉 雄策,装画:山口 レイ
講談社文庫
日本最南端に位置する久部良島は、奇妙な島だった。周りの島の住民とは、まるで別民族としか思えない優雅な姿態、しかも女は島を出て、20歳を過ぎると島に戻らねばならないという。そんな女性の一人を愛した〈私〉が島に見た異形のもの。禁断の丘に行なわれる奇怪な秘儀……。現代の神話ともいうべき表題作ほか5篇。
電子あり
にあんちゃん 十歳の少女の日記
にあんちゃん 十歳の少女の日記
著:安本 末子,解説:杉浦 明平,装丁:亀倉 雄策,装画・その他:水野 二郎
講談社文庫
どん底の貧しい生活の中で明るく生きぬく10歳の少女の日記。昭和28年から親もない家もない兄弟4人が、きびしい現実の中で、くじけることなく、いつもはげましあって生きる姿を正直につづったこの日記は、つくられたものではない生のままの描写で、時代をこえて読者に深い感銘を呼びおこします。
電子あり
終身不能囚 傑作短篇集(五)
終身不能囚 傑作短篇集(五)
著:森村 誠一,解説:権田 萬治,装丁:亀倉 雄策,装画:南 正雄
講談社文庫
スタントマンとして映画に出演中に負傷し、下半身不随となった長屋に代り、保険の外交員として働く妻規子は、着々と成績をあげていたが、モーテルの火災で焼死する。衝撃を受けた長屋は、妻を死に追いやった不倫の相手を突きとめようと執念を燃やす。この孤独の追跡行を通しながら、愛の虚妄を描く表題作など、8編。
電子あり
Nの悲劇
Nの悲劇
著:斎藤 栄
講談社文庫
野口英世博士が1928年、アフリカで病死したときに遺したことばは、「わからない」のひと言だった。博士の死因に疑惑を抱く「私は」、生前博士と交際のあった父の日記を秘かに調べ、一人の白人女性の存在を発見する。そして、博士の死の真相を握っていると見られるその女性は、近々日本へ来るという。だが、その彼女の身の上には異変が……
電子あり
プラトンは赤いガウンがお好き
プラトンは赤いガウンがお好き
著:小峰 元,解説:西村 京太郎,装丁:亀倉 雄策,装画:和田 誠
講談社文庫
私の愛称は、パトラ。堂島高の3年生、演劇部所属の17歳。パトラの命名由来を知りたい方は、すぐ本書をお読みあそばせ。さて、演劇部顧問のゲンジンが演出するCM撮影見学に出かけた折りのこと、商品のチョコを口にしたピタゴラスが倒れる怪事件に遭遇、さっそくパトラ名探偵の追及が始まるのだけど、首尾をとくとご覧あれ。
電子あり
羊歯行・乱蝶ほか
羊歯行・乱蝶ほか
著:石沢 英太郎,解説:野呂 邦暢,装丁:亀倉 雄策,装画:寺田 健一郎
講談社文庫
真夜中の散歩道、背後に視線! ーー親友・三原哲郎が、天草にありえぬはずのサツマシダを採集に出かけ墜落死した、と聞いて、嬉野は疑念をもつ。三原を天草へかり立てたのは、何者かの奸策によるのでは? 友情のため、愛好するシダへの冒涜をふり払うため、嬉野が究明に動くと……。ユニークな素材で構築する、本格の名手の出世作。他に初期名作5篇を収録。
電子あり
海音寺潮五郎短篇総集(四)
海音寺潮五郎短篇総集(四)
著:海音寺 潮五郎,解説:磯貝 勝太郎,装丁:亀倉 雄策,装画:中 一弥
講談社文庫
歴史小説の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短篇80余篇を全8巻に編成。第4巻は、火の国熊本有志隊の逸話「キンキラキン物語」、黄巾の乱を起こす張角を描く「天公将軍張角」、勤王志士の「竹志田熊雄」、薩摩隼人の「椎の夏木立」、主君との対立を描く「お伽腹」、平安期の「隼人族の反乱」、最上家没落の「乞食大名」、戦国武士の行状「バクチ天国」、春秋時代の朱翁の「貧富問答」、遊女の純愛「室の梅が枝」など12篇を収録。
電子あり
あの日この日(二)
あの日この日(二)
著:尾崎 一雄,装丁:亀倉 雄策,その他:尾崎 一雄
講談社文庫
常に偽らざる自己を語って、変遷めまぐるしい今世紀を生きてきた一私小説家の文学私史的自伝。野間文芸賞受賞作。現代文学を側面から解き明す手掛りと発見にみちた書として評価も高い。本巻では、「主潮」以下の同人誌時代、書けずに苦しんだ“新進作家”の頃、志賀直哉を追うようにして行った奈良での日々などが綴られる。 変遷めまぐるしい時代を生きた一私小説家の文学私史的自伝。現代文学を側面から解き明かす手がかりと発見にみちた名著。野間文芸賞受賞〈全四巻〉 (二):小田原中学の思い出から、「主潮」にはじまる同人誌の時代、書けずに苦しんだ「新進作家」のころ、志賀直哉を追っていった奈良での日々、さらに生家の没落までの期間を克明に綴る。
電子あり
万葉集 全訳注原文付(一)
万葉集 全訳注原文付(一)
その他:中西 進
講談社文庫
新元号の由来となった万葉集のすべてがわかります――中西進 『万葉集』は日本人の心の古典であり、貴族から庶民に至る各階層が、見事に謳いあげた、世界に比類なき民族詩の金字塔である。 いま、その万葉を、原典との照応が一目理解できるよう、原文、読み下し文、全訳、語注をそろえ、万葉学の第一人者である中西進博士がその蘊蓄を傾けて贈る。〈全4巻別巻1巻〉
電子あり
蝶たちは今…
蝶たちは今…
著:日下 圭介,解説:権田 萬治
講談社文庫
運河が死を運ぶ
運河が死を運ぶ
著:菊村 到,解説:権田 万治,装丁:亀倉 雄策,装画:後藤 公一
講談社文庫
頭と脚と手首のない胴体だけの死体を詰めたトランクが、アムステルダムの運河で発見される。この猟奇的事件の被害者は、日本人の商社マン。強盗説、怨恨説などが飛び交うが、いずれも推理の域を出ない。敏腕記者の追跡の前に、事件はぶきみな深淵と輪郭を見せ始めるのだが……。表題作「運河が死を運ぶ」など7編収録の傑作ミステリー集。
電子あり
あの日この日(一)
あの日この日(一)
著:尾崎 一雄,装丁:亀倉 雄策,その他:尾崎 一雄
講談社文庫
常に偽らざる自己を語って、変遷めまぐるしい今世紀を生きてきた、一私小説作家の文学私史的自伝。現代文学を側面から解き明す手掛りと発見にみちた書として、評価も高い。野間文芸賞受賞作・全4巻。本巻では、志賀直哉作品との運命的な出会い、早稲田高等学院時代、大震災前後、「主潮」創刊のころ、幼少年期の回想などが綴られる。
電子あり
母を拭く夜
母を拭く夜
著:畑山 博,解説:上田 三四二,装丁:亀倉 雄策,装画:畑農 照雄
講談社文庫
街角まで歩いてきて、急にひょいとコートでも脱ぎすてるように、いのちを脱ぎすててゆく、それが死ぬということ……。腰をすえて生き死ぬことの重みをまじまじと見つめ、ときにそのいとしさを青空のようにのぞかせて、読むものの胸に痛いほどの共感を呼びおこす。そんな表題作と「かにやまびこ」「雁の運ぶ木」「冬のヤイカテカラ」「花」ほか一編収録。
電子あり
風貌 続々
風貌 続々
著:土門 拳,装丁:亀倉 雄策,装画:松永 真
講談社文庫
各界の才能を撮って、86人。鬼才26歳の作品に始まり、1951年、41歳までに撮影の、名高い人物写真集の完結篇。私たちは、これによって、近代日本を担った著名人の素顔を知るのもよいだろう。写真一筋、剛腕の巨匠の、あまりに誠実・熱血の生き方をたどるのもよい。これは、写真の本道に生まれた、あなたのための古典である。
電子あり
生のさ中に
生のさ中に
著:小川 国夫
講談社文庫
先生、世界に夕焼ってものがなくって、或る日急に夕焼が見えたら、みんなよく見るでしょうね。地球が出来てから無くなるまでに、夕焼が一回しかなかったら、その晩には気が狂う人が出るでしょうね。……終末の色に深く彩られた世界を背景に、陰翳に富んだ若く多感な日々の心のゆらめき、血のざわめきを妖しく描く。
電子あり