講談社文庫作品一覧

長崎犯科帳・青苔記ほか五篇
長崎犯科帳・青苔記ほか五篇
著:永井 路子,解説:尾崎 秀樹,デザイン:亀倉 雄策,その他:丹阿弥 丹波子
講談社文庫
肥後国の仏師・卯助が、銀札の版木を偽造し、贋札を作った事件の謎を追う「長崎犯科帳」。明智光秀の娘・秀姫が、織田信長の養女として、筒井順慶の養子・定次に嫁いだことによって起る波風をえがいた「青苔記」。大内裏の応天門が焼失した事件をめぐる、伴大納言、左大臣・源信、藤原基経の権謀の渦を書いた「応天門始末」……など、永井路子の傑作短篇時代小説7篇を収録。
電子あり
近藤勇白書
近藤勇白書
著:池波 正太郎,解説:佐藤 隆介
講談社文庫
近藤勇。一介の道場主から新選組局長となって勤王方を震撼させながら、遂には朝敵として処刑された男。己を正義と信じて振った剣は空しかったのか。奮戦の甲斐なく幕府は崩壊。時代の荒波に翻弄され、変転を余儀なくされた男の人間像を綴るとともに、著者独自の史観を示して、動乱の幕末を描いた時代巨編。
北一輝論
北一輝論
著:松本 清張,デザイン:亀倉 雄策,その他:舟橋 菊男
講談社文庫
電子あり
中国妖姫伝
中国妖姫伝
著:駒田 信二,解説:清水 信,装丁:亀倉 雄策,装画:宮田 雅之
講談社文庫
電子あり
忍ぶ橋
忍ぶ橋
著:北泉 優子,装丁:原 弘,装画:難波 淳郎
講談社文庫
母の残した背徳の傷痕ゆえに、愛をも捨て、憎悪と怨念の石礫を浴びて、贖罪にのみ生きねばならぬ、哀しくも美しい女のさだめ――中桐晶子は、淡路島へ向う船に、傷心をゆだねていた。若い男と蒸発し、淡路島の小料理屋で働いていたらしい母の宮子が、ゆきずりの客を情交後に腰紐で絞殺、睡眠薬自殺を遂げた。客は、奈良の一刀彫り美術商・宗方春之と判り、ゆきずりの無理心中とみられた。宗方春之の妻・志津は激怒した。詫びる晶子に、ちぎった数珠を投げつけ、母親・宮子の罪をつぐなえと叫んだ。そして、晶子は、母の贖罪のために、宗方家の長男・知之の嫁として、志津の前にさらされることになった……。女の憎悪と怨念の石礫を浴びせる志津、女の愛も捨て贖罪にのみ生きる晶子の、哀しくも美しい日々を描く。
電子あり
復讐するは我にあり(下)
復讐するは我にあり(下)
著:佐木 隆三
講談社文庫
厖大な調書や公判記録の調査、事件関係者への執拗な聞き込みという徹底した追跡。稀代の犯罪者の行動を関係者に語らせる話法の巧みさから浮び上がる事件の全貌。犯罪は立体的に再現される。小説家の想像を排除し、事実をして語らせた迫真のドラマ。新しいジャンルの文学を創出した直木賞受賞の傑作である。今村昌平監督・緒形拳主演で映画化された不朽の名作! <上下巻>
電子あり
限りなく透明に近いブルー
限りなく透明に近いブルー
著:村上 龍
講談社文庫
福生の米軍基地に近い原色の街。いわゆるハウスを舞台に、日常的にくり返される麻薬とセックスの宴。陶酔を求めてうごめく若者、黒人、女たちの、もろくて哀しいきずな。スキャンダラスにみえる青春の、奥にひそむ深い亀裂を醒めた感性と詩的イメージとでみごとに描く鮮烈な文学。群像新人賞、芥川賞受賞。
退屈しのぎ
退屈しのぎ
著:高橋 三千綱,解説:飯田 章,デザイン:亀倉 雄策,装画:司 修
講談社文庫
アメリカ留学中の純一・23歳。急な坂の途中に建つ、ボロアパートに住む。坂の上には、老人が一人いつも陽なたぼっこをしている、公園。そこを隣人ボブは、サンセットパークと名づけた。底が抜けたような青いカリフォルニアの空の下、純一は青春を生きる。時を殺しながら……。新しい文学の誕生を告げる、著者の第一作品集。群像新人賞受賞作の表題作ほか3編を収録。
電子あり
三色の家
三色の家
著:陳 舜臣,デザイン:亀倉 雄策,装画:小原 義也
講談社文庫
海岸通りでひときわ目立つ三色の建物は、海産物問屋の同順泰公司である。ここの3階にある干し場で、コックの杜自忠が殺された。出入口2ヵ所には家人がいたのに、全然気付かぬという。杜の人生は苦難に満ちていた。公司の主人の親友である陶展文の鋭い推理と調査が始まる。神戸を舞台にしてのびやかに描く長篇推理。
電子あり
頭医者事始
頭医者事始
著:加賀 乙彦,その他:斉藤 茂太,デザイン:亀倉 雄策,装画:畑農 照雄
講談社文庫
迷いに迷ったあげくに、入局した精神科。そこには奇人、変人、秀才、天才……個性豊かな人物が、ずらりと顔を並べていた。いささかお調子ものの主人公、若さにまかせ血気にはやり、あれよあれよと椿事を巻きおこす。新米精神科医の、めまぐるしくも充実した一年を、思いきり爽快に愉快に描く、自伝ふう長編ユーモア小説。
電子あり
萌野
萌野
著:大岡 昇平,解説:松山 幸雄,デザイン:亀倉 雄策,装画:福島 誠
講談社文庫
ニューヨークで、はじめて親となろうとしている息子夫婦に対する微妙な心情と、18年ぶりにアメリカを再訪したその父親の文明批評的視点を交錯させて、知的関心の全領域を、「人間的な親和の文章」でつづる。自在な形式と、鋭い洞察力により、不滅の作家精神を実証した、強靱な文学境域。
電子あり
D機関情報
D機関情報
著:西村 京太郎
講談社文庫
昭和19年の夏、海軍の関谷中佐は密命を帯びてヨーロッパに渡った。しかし協力者の駐在武官矢部は、謎の死を遂げていた。スイスに向う途中事故に会った関谷が病院で蘇生すると、大事なトランクが同行者と共に消えていた。彼の周囲は敵のスパイだらけ。大戦末期の諜報戦をテーマの、あざやかなスパイ小説。
復讐するは我にあり(上)
復讐するは我にあり(上)
著:佐木 隆三
講談社文庫
ここには、犯罪の出発から終結までの全てがある。昭和38年秋、福岡で起こった殺人事件の容疑者は、犯罪史上空前の捜査網をかいくぐり、詐欺と殺人を重ねながら、広島―静岡―東京―千葉―福島―北海道と逃げまわった。そして、78日間の逃避行の末、熊本で10歳の少女に正体を見破られて逮捕され、刑場に消えた。今村昌平監督・緒形拳主演で映画化された不朽の名作! 直木賞受賞作。<上下巻>
電子あり
影を燃やせ
影を燃やせ
著:黒岩 重吾,解説:権田 萬治,デザイン:亀倉 雄策,装画:辰巳 四郎
講談社文庫
恋人のまりが、殺された。いまや、美しい思い出となった、たった一夜の契り。夜の紳士・宝木は、恋人に対する愛と犯人への怒りに燃えて、自力捜査を決意する。彼の危険をおそれぬ追及で、事件の輪郭は、徐々にあらわにされる。悪徳と情欲の渦まく大都会を舞台に、女を縛る謎のフィルムをめぐって展開する、ハードボイルド推理。
電子あり
白いりす
白いりす
著:安藤 美紀夫,解説:渋谷 清視,装丁:亀倉 雄策,装画:杉田 豊
講談社文庫
えぞりすのユックは、生まれつきの白毛のために親兄弟からも見放され、住みなれた森を出ていく。だが新しい森でも、美しい娘りすのミミカに嫌われ、ひとりで生きてゆこうと決心する……。北海道の大自然を背景に、いわれのない偏見や差別と戦う、けなげな白いりすの運命を描いた、感動の長編童話。サンケイ児童出版文化賞受賞。
電子あり
ヤマネコのきょうだい
ヤマネコのきょうだい
著:岡野 薫子,解説:長谷川 泉,装丁:亀倉 雄策,装画:清水 勝
講談社文庫
東海道中膝栗毛 下
東海道中膝栗毛 下
著:十返舎 一九,その他:興津 要,装丁:亀倉 雄策,装画:村山 豊夫
講談社文庫
弥次郎兵衛と喜多八の東海道の旅も佳境に入り、伊勢神宮から奈良、京都をへ、大阪に至る。この間の主人公の滑稽な行動は、各地の風俗、伝聞を織り込み展開される。十返舎一九の名を不朽にした傑作を読み易いよう配慮し、図版を多く採り入れ、忠実に翻刻し、懇切な校注を施した。五編上より八編下までを収録。<上下巻>
電子あり
黒衣の映画祭
黒衣の映画祭
著:小林 久三,解説:藤井 謙一郎,デザイン:亀倉 雄策,装画:山下 昌也
講談社文庫
映画人の夢であるニューヨーク映画祭への出品。その権利を賭けて二人の気鋭監督が競い、独立プロを持つ名島が勝利を得た。敗れた立木とは、極西映画の同期生だった。だが映画祭の開幕間近、名島は突如ニューヨークから消えた。そして同じ頃、日本では立木が殺されていた! 著者得意の分野でトリックを築く意欲的長篇ミステリー。 映画人の夢であるニューヨーク映画祭への出品権利を賭けて競う二人の気鋭監督。映画祭開幕間近、勝利を得た名島が突如ニューヨークから失踪。同じ頃、日本ではライバルの立木が殺害されて……。
電子あり
無国籍者
無国籍者
著:中薗 英助,解説:清水 信,装丁:亀倉 雄策,装画:小松 富士子
講談社文庫
電子あり
ちひろのことば
ちひろのことば
著:いわさき ちひろ
講談社文庫
心でかきとめた絵と文で、あなたに贈る、愛とやさしさのメッセージ。ちひろは若き日を戦争中に過ごし、戦後の苦難の時期を懸命に生き、描き、そしてガンで倒れた。決して恵まれた世代の女性ではなかったが、たえず美と真実を追い続けてきた人だけに漂うやさしさが、私達の胸に大きな愛を呼びおこすのです。