講談社文庫作品一覧

夫婦のルール
講談社文庫
老いてますます輝く90歳と85歳の作家夫妻が明かす、人間関係、そして人生の極意とは? 「僕は嘘つきです」から始まった結婚生活、作家として執筆と子育てに追われた30代、世界を飛び回りながら3人の親を介護し看取った40~50代、様々な危機を越えて人生の第三幕を迎えた夫婦が、ともに歩んだ歳月を振り返り、本音で語り合う夫婦関係の極意。人生の智慧にあふれた大反響作、文庫化!

東京美女散歩
講談社文庫
日本橋を渡り、かつて焼け落ちた白木屋に思いを馳せ、墨田川沿いで美女にたばこの火を拝借。都心の花街・荒木町で耳に届く粋な三味線の音。両国で元小結の息子が作るカツカレーを堪能し、目黒では、五百羅漢の言葉に首を垂れる。歴史の横顔。ほろ苦い別れ。東京をこよなく愛した著者がそぞろ歩く、艶なる街々。(※本作は、2015年3月に小社より刊行された単行本から、東京二十三区内の回を選び、文庫化したものです。)
寄り道が得意な安西さんだからこそ見える景色がある。
綿矢りさ
美女に目移り、歴史にふむふむ、たまにカレーで一息ついて。
水丸さんのとっておき東京案内。
日本橋を渡り、かつて焼け落ちた白木
屋に思いを馳せ、墨田川沿いで美女
にたばこの火を拝借。都心の花街・荒木
町で耳に届く粋な三味線の音。両国で元
小結の息子が作るカツカレーを堪能し、目
黒では、五百羅漢の言葉に首を垂れる。歴
史の横顔。ほろ苦い別れ。東京をこよな
く愛した著者がそぞろ歩く、艶なる街々。
・人妻美女の街、自由が丘
・都電の線路だった新宿・ゴールデン街沿いの小道
・首切り地蔵の南千住
・1965年の羽田空港
・カステラ工場の香り漂う中目黒
・外国船襲来への備え、砲台跡のお台場
・根津の菩提寺で墓参り
・広尾の魚屋の目刺しとアサリ
※本作は、2015年3月に小社より刊行された単行本から、東京二十三区内の回を選び、文庫化したものです。

月夜のサラサーテ The cream of the notes 7
講談社文庫
森博嗣は理屈っぽいというが本当か。真剣に遊び、超人的に書く人気作家が綴る、日々の小さな出来事。ふとした観察、考察を味わううちに、世界が違って見えてくる。家にやって来た仔犬のこと、若き日の思い出から、「知識」と「教養」の違い、「モーメント」という概念についてまで。好評エッセィ・シリーズ第7弾!
信念は、あってもなくても良い/「感動」の不適切な扱いが目立っているこの頃/名古屋という街について/「お世話になっております」を初対面の人に言われるのは心外 ほか。

愛と人生
講談社文庫
寅さん映画をベースに、同じ楽譜で別の音楽を演奏してもらったような、不思議な小説――山田洋次監督
「男はつらいよ」シリーズの子役、秀吉だった「私」は寅次郎と一緒に行方不明になった母を探す旅に出た……27年の歳月を経て、そんな昔話を伊豆の温泉宿で「美保純」と懐かしくする「私」。
映画の登場人物とそれを演じる俳優の人生が渾然一体となって語られ、それぞれの時間が複雑に流れては戻る。
「文章の緩急を使い分ける力量」と「非常に面白い戦略」─中条省平氏、「ご褒美のような幸福感のラスト」─長野まゆみ氏、「大衆的な紋切り型を文学的技法として使った懐かしい雰囲気」─沼野光義氏、など絶賛された、斬新で独創的な"寅さん小説"、表題作の「愛と人生」の他、大澤信亮氏に「あまりにも素晴らしい小説」と評された短編「かまち」とその続編「泥棒」の3作を収録。野間文芸新人賞受賞作。(解説・矢野利裕)

贖罪の街(下)
講談社文庫
二〇一五年二月に自宅で強姦の上、撲殺された市政担当官補レキシー・パークス(三十八歳)。被害者の体に残された精液(膣内と体表から回収)のDNAが合致したため、事件翌月、容疑者として逮捕されたのは、ハラーの古くからの顧客であり、元はギャングの一員だったが、更生して画家として生計を立てているダカン・フォスター(四十一歳)。 ハラーは、フォスターの無実を確信しており、ボッシュに事件調査の協力を求める。
二〇一五年二月に自宅で強姦の上、撲殺された市政担当官補レキシー・パークス(三十八歳)。被害者の体に残された精液(膣内と体表から回収)のDNAが合致したため、事件翌月、容疑者として逮捕されたのは、ハラーの古くからの顧客であり、元はギャングの一員だったが、更生して画家として生計を立てているダカン・フォスター(四十一歳)。 ハラーは、フォスターの無実を確信しており、ボッシュに事件調査の協力を求める。

贖罪の街(上)
講談社文庫
ボッシュはDROP(定年延長選択制度)の任期半ばでのロス市警退職を余儀なくされ、異母弟のミッキー・ハラーを代理人に立て、ロス市警への異議申立ての訴訟をおこなっているが、それ以外は、引退後の念願だった、古いバイクのレストアを老後の楽しみにしようとしていた。 ところがハラーから呼び出され、子飼いの調査員が怪我をして入院しているため、いま抱えている殺人事件弁護の調査員になってくれないか、と頼まれる。
前作The Burning Roomにひきつづき、ボッシュ物。前作以上に迫力溢れる傑作に仕上がっており、サスペンスフルで、まさに抜群のページターナーになっています。 題名のThe Crossingは、「横断」という原意から、ボッシュが、刑事訴追側の立場から、弁護側の立場になったことを、「司法から弁護士側への横断」=「裏切り行為」と見なされることを指している。 ボッシュは、前作のいきさつから、DROP(定年延長選択制度)の任期半ばでのロス市警退職を余儀なくされ、異母弟のミッキー・ハラーを代理人に立て、ロス市警への異議申立ての訴訟をおこなっているが、それ以外は、引退後の念願だった、古いバイクのレストアを老後の楽しみにしようとしていた。 ところが、ハラーから呼び出され、子飼いの調査員(シスコ)が怪我をして入院しているため、いま抱えている殺人事件弁護の調査員になってくれないか、と頼まれる。 二〇一五年二月に自宅で強姦の上、撲殺された市政担当官補レキシー・パークス(三十八歳)。被害者の体に残された精液(膣内と体表から回収)のDNAが合致したため、事件翌月、容疑者として逮捕されたのは、ハラーの古くからの顧客であり、元はギャングの一員だったが、更生して画家として生計を立てているダカン・フォスター(四十一歳)。 ハラーは、フォスターの無実を確信しており、ボッシュに事件調査の協力を求める。 最初は、刑事弁護士に協力するのは、警察官仲間には裏切り行為と見られることから協力を渋っていたボッシュだが、事件の詳細を知るにつれ、興味を抱き、ハラーの陣営に加わる。

決定版 一億総ツッコミ時代
講談社文庫
一般人がプチ評論家、プチマスコミと化した現代。それが「一億総ツッコミ時代」だ。動くに動けない閉塞感の正体はこうした「ツッコミ過多」にある。「ツッコミ」ではなく「ボケ」に転身せよ。「メタ」的に物事を見るのではなく「ベタ」に生きろ。この息苦しい空気を打破し、面白い人生にするために。鬼才・マキタスポーツによる現代日本への熱き提言。大幅に加筆した決定版!
ツイッターで気に入らない発言を罵倒し、ニコ生でつまんないネタにコメントし、嫌いな芸能人のブログを炎上させる。ネットで、会話で、飲み会で、目立つ言動にはツッコミの総攻撃。自分では何もしないけれど、他人や世の中の出来事には上から目線で批評、批難。
一般人がプチ評論家、プチマスコミと化した現代。それが「一億総ツッコミ時代」だ。
動くに動けない閉塞感の正体はこうした「ツッコミ過多」にある。「ツッコミ」ではなく「ボケ」に転身せよ。「メタ」的に物事を見るのではなく「ベタ」に生きろ。
この息苦しい空気を打破し、面白い人生にするために。鬼才・マキタスポーツによる現代日本への熱き提言。大幅に加筆した決定版!

烙印(下)
講談社文庫
捜査は、Tailend Charlieという匿名のサイバー暴力団から奇妙な詩が届き始め複雑になっていく。脅迫メッセージは止まらない。エリサが死亡してから24時間後に10番目の詩が到着する。スカーペッタはまた、彼女の姪ルーシーの助けを求めるが……。
静かな夕暮れ、チャールズ川沿いに自転車に乗っている間に23歳のエリザ・ヴァンダースティールが殺された。彼女はあたかも雷に打たれたような状況で見つかった。。ケンブリッジ・フォレンジック・センターのディレクター、ケイ・スカペッタ(Kay Scarpetta)博士は、これが神の偶然の行為ではないことを現場で判断する・・・。
彼女の捜査は、彼女がTailend Charlieと呼んでいる匿名のサイバー暴力団から奇妙な詩が届き始め複雑になっていく。脅迫メッセージは止まらない。エリサが死亡してから24時間後に10番目の詩が到着する。
彼女はまた、彼女の姪ルーシーの助けを求めるが……。

烙印(上)
講談社文庫
静かな夕暮れ、チャールズ川沿いに自転車に乗っている間に23歳のエリサ・ヴァンダースティールが殺された。彼女はあたかも雷に打たれたような状況で見つかった。。ケンブリッジ・フォレンジック・センターのディレクター、ケイ・スカペッタ(Kay Scarpetta)博士は、これが神の偶然の行為ではないことを現場で判断する・・・。
彼女の捜査は、彼女がTailend Charlieと呼んでいる匿名のサイバー暴力団から奇妙な詩が届き始め複雑になっていく。脅迫メッセージは止まらない。エリサが死亡してから24時間後に10番目の詩が到着する。
彼女はまた、彼女の姪ルーシーの助けを求めるが……。

昭和探偵3
講談社文庫
昭和ノスタルジー満開。酔いどれ探偵、時代の闇を追う! 調査額過去最高の上客が持ち込んだ依頼は女子高時代の奇妙な記憶。昭和44年の東大安田講堂、新宿西口フォークソング集会、「男はつらいよ」封切り、そしてアポロ11号月面着陸……時代の大きな転換点と理不尽なうさぎ跳び特訓には何か関係があったのか? 怪しいゴールデン街のママ、昭和文学小説好きの娘、雀荘仲間たちにも助けられ、昭和探偵・熱木地塩は今日もゆく!
「ここにあるのは、昭和を懐かしく思い出す人が、いつまでも浸っていたい世界だ」―文芸評論家 細谷正充

世にも奇妙な君物語
講談社文庫
オチがすごい! いくつもの書店で週間ランキング1位に輝いた話題の小説!異様な世界観。複数の伏線。先の読めない展開。想像を超えた結末と、それに続く恐怖。もしこれらが好物でしたら、これはあなたのための物語です。待ち受ける「意外な真相」に、心の準備をお願いします。各話読み味は異なりますが、決して最後まで気を抜かずに――。では始めましょう。朝井版「世にも奇妙な物語」。
オチがすごい・・・!
いくつもの書店で週間ランキング1位に輝いている話題作★
異様な世界観。
複数の伏線。
先の読めない展開。
想像を超えた結末と、それに続く恐怖。
もしこれらが好物でしたら、これはあなたのための物語です。
待ち受ける「意外な真相」に、心の準備をお願いします。
各話読み味は異なりますが、決して最後まで気を抜かずに――。
では始めましょう。朝井版「世にも奇妙な物語」。
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【ミステリ書評家・村上貴史氏】
世界の異様さ、息苦しさで読む者の心をとらえ、先の読めない展開でページをめくらせ、
その展開について終盤で「なるほど」と納得させる。
実に鮮やかで巧妙な読者コントロールだ。そしてそれだけでは終わらない。
最後にもうひと味。いやはや、恐れ入った。やるせない衝撃に圧倒される。
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読売新聞、ダ・ヴィンチ3月号に書評が掲載されました!

綺羅の皇女(2)
講談社文庫
両親の愛を知らずに育った皇女・咲耶。西海国の王に嫁ぐため一度は故国を離れたが、己の使命に気付かされて、大きな決断をするも。
華麗なる和風王朝ファンタジー、幕開け!
皇族ながら、両親の愛を知らずに修道尼院で育った皇女・咲耶(さや)。真秀皇国(まほらこうこく)の皇帝しか見るはずのない予知夢を見る咲耶は、それを他言することを厳しく禁じられていた。隣国に嫁ぐため渡海したある日、夢で故国の惨状を知るも、咲耶は知らせる術がない。しかし――。権謀渦巻く皇国で、特異な生を受けた少女の運命は!?
~~主な登場人物~~
咲耶(さき): 真秀皇国の皇帝・凰輝の従姉。予知夢を見る十六歳の少女。
凰輝(おうき): 父で前帝の寿鳳(じゆほう)を早く亡くし、幼くして皇帝に即位。
汀子(みぎわこ): 咲耶の母で、皇帝の身の回りの世話をする女官長。
才明(さいめい):西海国の皇帝。咲耶と婚約を予定している。
サード:才明に仕える、心優しき謎めいた美丈夫。

「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい
講談社文庫
死刑存続論者の多くは、「死刑制度がある理由は被害者遺族のため」と言う。しかし、著者は問う。「自分の想像など被害者遺族の思いには絶対に及ばない。当事者でもないのに、なぜこれほど居丈高に、また当然のように死刑を求められるのか?」本書は、死刑制度だけでなく、領土問題、戦争責任、レイシズム、9・11以後、原発事故、等々、多岐にわたる事象を扱う。日本に蔓延する「正義」という名の共同幻想を撃つ!

うちの旦那が甘ちゃんで2
講談社文庫
定廻り同心の小者の情報によると、どうも江戸の掏摸(すり)の数が減っているらしい。犯罪が減って悪いことではないのだが、半分もいないというのだから尋常ではない。掏摸といえば江戸では浅草、両国、そして市谷。月也は男装した沙耶を連れて市谷に向かった。地元の掏摸の話によると、どうやら本当に「掏摸のかどわかし」が起きているらしい。月也が釣り堀で注目を集めている間に、沙耶が捜査を進めることになった……。

新装版 花怨
講談社文庫
父親を知らずに美しく成長してゆく奈々緒。色街で料亭を営む母・菊江とも別の家に暮らしていた。経済的には恵まれていたが、菊江が経済界の大物の元愛人だったことがわかる。そんな境遇に反発を覚えながらも、奈々緒は上流社会の生活を謳歌し始める。ところが菊江は、奈々緒が女学校卒業を間近に控えるころ、自分の眼鏡に適った男を聟として押し付けてくる。奈々緒は望まぬ結婚を受け入れるが、その先には想像を絶する悪夢が……。
父親を知らずに美しく成長してゆく奈々緒。色街で料亭を営む母・菊江とも別の家に暮らしていた。経済的には恵まれていたが、菊江が経済界の大物の元愛人だったことがわかる。そんな境遇に反発を覚えながらも、奈々緒は上流社会の生活を謳歌し始める。ところが菊江は、奈々緒が女学校卒業を間近に控えるころ、自分の眼鏡に適った男を聟として押し付けてくるのだった。奈々緒は望まぬ結婚を受け入れるが、その先には想像を絶する悪夢が待ち受けていた……。

クロウ・ガール 下
講談社文庫
捜査を続けるジャネットは、殺人犯の精神病理学のことでセラピストのソフィアに助けをもとめた。二人の女性は事件の真相に迫るにつれ、想像を絶する悪の構図に行きあたる。

クロウ・ガール 上
講談社文庫
発端は公園で発見された少年の死体だった。捜査にあたったジャネットは、虐待と薬物の痕跡に注目。硬直化した組織の妨害にあいながら困難な犯人捜しをする。そこへ次の死体があがった。

小説 春待つ僕ら
講談社文庫
引っ込み事案な美月は高校に入学しても、クラスに馴染めないでいた。学校には「イケメン四天王」と呼ばれるバスケ部員がいるが、ほかの女の子が騒ぐのを横目にアルバイトのカフェへ急ぐ日々。ところが「四天王」のひとりが突然、バイト先に告白にあらわれた!「何か大事なものが一つあれば強くなれるよ」小さいころバスケットコートでやさしく声をかけてくれた、あやちゃんの一言を胸に秘めながら、美月はすこしずつ変わっていく。

月夜彦
講談社文庫
左大臣の姫が、何者かによって腹を食い破られ、路傍でこと切れていた。異様な死に様を見た左大臣は、犯過人の首に千貫文の値をつける。荒れる都のただ中で、散楽舞の青年・小槌丸は、ある企みを抱えていた。それは生き別れの兄であり、右大臣の息子である月夜彦を暗殺し、入れ替わること――。
左大臣の姫が、何者かによって腹を食い破られ、路傍でこと切れていた。異様な死に様を見た左大臣は、犯過人の首に千貫文の値をつける。荒れる都のただなかで、散楽舞の青年・小槌丸は、ある企みを抱えていた。それは生き別れの兄であり、右大臣の息子である月夜彦を暗殺し、入れ替わること――。

嶽神伝 死地
講談社文庫
山の民〈南稜七ツ家〉の二ツは、秀吉軍に敗色濃厚な柴田勝家より、御方様を城より無事助けるよう、依頼を受けた。それは、二ツと秀吉を守る森の民・錣一族及び謎の老婆久米との、長く壮絶な戦いの幕開けであった。「荒唐にして無稽、しかしながら息もつがせぬ興奮の連続、こは山田風太郎奇跡の復活か」と、浅田次郎氏絶賛の、戦国の闇を舞台に縦横無尽にくり拡げられる長篇時代小説の傑作。