創文社オンデマンド叢書作品一覧

ドイツ手工業・同職組合の研究 14~17世紀ニュルンベルクを中心に
創文社オンデマンド叢書
14-17世紀ニュルンベルクを中心に 黄金期の手工業・同職組合の存在・組織形態を見直し、社会経済構造の再検討をも迫る意欲作。
【目次より】
序論 ドイツ手工業・同職組合史研究の現状と課題
第一節 ドイツ手工業・同職組合史の研究状況 第二節 ニュルンベルク手工業・同職組合史の研究状況 第三節 問題設定
第一章 門閥支配型都市の手工業者
はじめに
第一節 参事会・門閥・手工業者
第二節 参事会による手工業支配
第三節 一五世紀後半からの職種専門化と自立化
第四節 都市の社会福祉政策と同職組合
まとめ
第二章 生産をめぐる諸問題
はじめに
第一節 原料
第二節 品質検査
第三節 生産高
第三章 同職組合制度の特質
はじめに
第一節 対内的平等か
第二節 対外的排除 加入条件の検討
第三節 新親方(親方権取得者)の数
まとめ
第四章 同職組合と問屋制度
はじめに
第一節 問屋制度の生成・展開と同職組合の対応
第二節 親方問屋主の経営・存在形態
第三節 出来高払工の存在形態
第五章 手工業者の収入・支出・財産
はじめに
第一節 手工業者親方の財産
第二節 蓄財機会としての商業
第三節 収入・支出
史料
第六章 女性労働
はじめに
第一節 女性の職業活動
第二節 女性労働の制限と排除
一 奉公女をめぐって 二 女性徒弟と寡婦をめぐって三 権利と名誉をめぐって まとめ
第七章 経済的中心地システムの形成
はじめに
第一節 ニュルンベルクの領域形成
第二節 中心地システムの中の郊外市
第三節 中心地システムの中の古領域
第四節 中心地システムの中の新領域
第五節 中心地システムの中の領邦小都市・農村
まとめ
結語
あとがき
註
史料・文献一覧
ニュルンベルク貨幣・度量衡

經書の成立(東洋学叢書) 天下的世界觀
創文社オンデマンド叢書
天下的世界観 「王者の記録」から理念の書として経書が成立する姿を見事に解明し、中国精神史への基本的枠組を設定した名著。
【目次より】
初版自序
目次
第一序説篇 経書と尚書
第一章 経書の概念
一 恒常なるもの
二 編絲綴属の説
三 経の字の本義
第二章 経書の始め
一 孟子 爾雅 論語 孝経
二 春秋 三礼 易
三 詩書執礼
四 孔子に与へられた古典
五 経と称すること
第三章 尚書の名
一 書経 近代の名称
二 尚書 漢代の名称
三 書 元来の名称
第二 伝統篇 王者の記録
第一章 亀甲文
一 卜辞
二 王者の祭祀
三 貞人の記録
四 卜旬 ト夕
五 卜貞と刻辞
六 亀甲文の成立
七 書かれざる亀甲文
第二章 銅器銘
一 権威と神聖の象徴
二 銅器と銘文の関係
三 銅器銘と石刻文および亀甲文
第三章 竹冊
一 甲骨文における冊
二 銅器銘における冊
三 冊の二形態
四 冊命の冊
五 冊字の誤解
六 史官
第三 理念篇 天下的世界観
第一章 経典尚書
一 尚書原始
二 大誥篇の経文
三 尚書の経典性
第二章 血統の条件
一 大誥篇の背景
二 大誥篇の文章
三 王位継承の問題
第三章 天下的世界観
一 天の観念
二 天の相反する二性格
三 王を護る先王
四 王を批判する天
五 殷周の革命
六 天と帝
七 革命と文化の継承
八 天の合理性
九 天と民の関係
十 天の認識
十一 家族の倫理 孝
十二 王者の倫理 徳
十三 天と民 王と官僚
第四 形成篇 経書の定立
第一章 理念の表現
一 理念の表現 亀甲文・銅器銘において
二 理念の表現 竹冊において
第二章 史と書
一 史の意味
二 史と射礼
三 史の職分
四 書と史と冊
第三章 経典尚書の成立
一 鼎の軽重
二 経典の冊
三 孔子と経書の関係
附注
初版刊行の記
附 天下的世界観と宗教
一 序説
二 天の合理性
三 天壇
四 郊天の祭儀
五 郊祀
六 五帝徳神
七 泰一
八 天子と祭儀
九 天の復典
十 祖先配享
続刊行の記

戦争放棄の思想についてなど
創文社オンデマンド叢書
「8月6日の夜は、焼け落ちた自宅から辛うじて逃げた母とともに野宿をして、翌日早くから父を捜すために広島の市街地の焼け跡をひとりで歩き回りました……。それは、見渡す限りの焼け跡を、見るも無慚な死者たちの悲惨な顔つきをつぎつぎに覗き込んで父の死骸を探す仕事だったのです……」。厳しい原爆体験を踏まえた戦争放棄の論理など、おりにふれ書き綴られた小論12篇。
【目次より】
はしがき
《年ごとの文章》七十代
時の問題「巡査の結婚」を書いたころ 法社会学への出発
幸運だった民法典 「木二竹ヲ継イダヤウニ」なると穂積陳重が案じた一幕も
来栖先生の思い出 『モダン・タイムス』のこと
人間は出生と同時にすべて人格権の享有主体となる「私権ノ享有ハ出生二始マル」という条文の意味について
商法修正案づくりと梅謙次郎の胸の内 法典調査会一八九三~九八年
十二年を振り返る とくに”民法の体系“のこと 創価大学での最終講義
唄さんのこと 一九五四年の家制度復活論にまつわる思い出など
樋口君の報告「人間の尊厳VS人権?」について 報告に先立ち研究会の主宰者から(挨拶)
綻びた日本民法典の体系と民法学の対処 「新版民法綱要」第一巻総論の刊行ヘ
戦争放棄の思想について 憲法九条を考える視点 主として研究者を念頭に置いた公開講演
《追補》二編
I 祖川先生の思い出
【参考】論説「科学者京都会議の政策的提言に対する疑問」(一九八一年)
II 私のヒロシマ体験
【参考】小説「炎の日」(一九五〇年)の一部削除とその復元に関する資料

ある手紙のことなど
創文社オンデマンド叢書
民法学の泰斗が古稀を前にして、旅の思い出やさまざまな人々との出会いなど、清明な境地を淡々と語る珠玉の小編。
【目次より】
はしがき
《年ごとの文章》 六十代
ある手紙のこと
ベルリオーズと太宰治
世良さんの思い出
民法の講義 三十五年 東北大学での最終講義
文章を書くこと 若い人たちへ
桃李不言下自成蹂
私の高校時代
盗聴警察官の個人責任を考える視点
”私の大学“ 法学部新入生への講演
これからの仕事
補遺 川島先生と私
随想「けやき並木」二十四編
年頭におもう
ベビールーム
野間さんの思い出
仙台市内の温泉
タバコ
ヒロシマの市長
冬のケヤキ並木
文字の吟味
医療過誤
湾岸戦争のこと
残業=麻薬論
停年制度の効用
困った診断書
綾の「町おこし」
長崎の路面電車
春のケヤキ並木
「東京風景」拾遺
問われている大学
ガダルカナル展
診断書の話・続き
警察の電話盗聴
初夏のケヤキ並木
人間の一人一人
鉢植えのユズ

民法論文集5:物的担保制度の分化
創文社オンデマンド叢書
民法論文集5 総論および各論の諸問題に、判例研究・判例評釈をも折りこんだ「物的担保制度」にかんする論稿の一大集成。
【目次より】
はしがき
第一章 総論的問題点
第一節 担保とは 第二節 各種の貸付取引の法的構成 第三節 実体法からみた担保法の現代的課題 第四節 不動産の担保 第五節 貸付先の変調に対する銀行の対応
第二章 根抵当
第一節 根抵当立法とそれ以後 第二節 確定前根抵当権の被担保債権の差押と質入 第三節 近代ドイツにおける抵当権法発達史補論 信用抵当制度の生成について
第三章 仮登記担保
第一節 仮登記担保法成立前の判例理論の趨勢 第二節 仮登記担保法雑考
第四章 譲渡担保
第一節 まえがき 第二節 序説 第三節 特定動産の譲渡抵当 第四節 各種の譲渡担保 第五節 譲渡担保制度全般の概観 第六節 譲渡担保についての諸問題の設例による解明
第五章 質権
第一節 権利質 第二節 不動産質制度再活用のための立法論
第六章 留置権・先取特権
第一節 留置権の内容とその効力 第二節 商人留置権の流動担保性をめぐる若干の問題 第三節 登記された一般先取特権
第七章 その他の不正規な物的担保
第一節 銀行取引における「相殺の担保的機能」についての一疑問 預金と貸出債権との相殺に関して 第二節 傍観者のみた歩積・両建問題 第三節 リース取引をめぐる対外関係についての解釈問題
第八章 いわゆる短期賃借権をめぐって
第一節 競売不動産上の賃借権に関する実態調査 民事執行法施行前の仙台地方裁判所における状況 第二節 短期賃貸借制度をめぐっての「業者」の活動の実態
第九章 担保法判例雑考
第一節 第二次譲渡担保を設定した第一次譲渡担保権者の地位 第二節 動産売買先取特権に基づく物上代位と買主の破産 第三節 工場抵当権の目的動産の工場からの搬出と抵当権者の原状回復請求 第四節 銀行取引約定書に基づき留め置いている手形に対する銀行の権利の担保権性 第五節 留置権成立の要件としての物と債権との牽連関係 第六節 短期賃貸借制度濫用による弊害の事前的防遏策 第七節 短期賃貸借制度濫用による弊害の事後的防遏策 第八節 仮登記担保に供された物件の譲受人による引渡請求に対する原所有者の留置権 第九節 集合物譲渡担保における目的物範囲の限定 第一〇節 異所有者に属する不動産上の共同抵当 第一一節 敷地賃借権の譲渡と建物の上の抵当権 第一二節 債権質の対抗要件としての第三債務者の承諾における質権者特定の要否 第一三節 第三債務者が供託義務を負う場合のこの者に対する転付債権者の地位 第一四節 所有権留保売主の転買人に対する目的物引渡請求

民法論文集3:借地・借家法の研究2 借家法
創文社オンデマンド叢書
民法論文集3 前著1巻の視点に立ち、ドイツ法との比較を通じて借家法の問題点を解明し、この分野の研究に総合的視点をあたえる。
【目次より】
はしがき
目次
第三章 借家法
第一節 居住権
一 居住権の法的構成
二 居住権の限界
三 書評、篠塚昭次・借地借家法の基本問題
第二節 ドイツ法
一 ドイツ賃借人保護法
附録一 住居所有権・住居地上権および継続的居住権
附録二 法文邦訳
補遺
二 公共住宅企業とその貸家
附録 法文邦訳、その他
三 ハンブルク公共団地株式会社についての調査報告
第三節 正当事由と立退料
一 正当事由に関する判例批評
二 借家法一条ノ二といわゆる公益的理由
三 立退料について
四 立退料の提供と借家の明渡
第四節 借家権の譲渡転貸
一 賃借権の無断譲渡と転貸(総合判例研究)
二 借家の転貸
三 譲渡・転貸についての判例批評
第五節 その他
一 賃貸建物の所有権移転と敷金の承継
二 民法六二一条および六二二条の注釈

民法論文集2:借地・借家法の研究1 総論および借地法
創文社オンデマンド叢書
民法論文集2.徳川時代の借地借家関係より説き起し、明治以降今日に至る迄の法改正、判例の変更を精緻に検討、問題点を剔抉する。
【目次より】
はしがき
第一章 借地・借家法史
第一節 借家法前史
一 序
二 借家人の類型
三 地主の類型
四 家守
五 店借契約関係の特殊性
六 むすび
第二節 借地法前史
一 序
二 徳川時代の借地
三 明治前半期の借地関係
四 民法典と借地関係
五 建物保護法の成立
第三節 大正期の借地・借家立法
一 大正一〇年の借地法
二 大正一〇年の借家法
第四節 戦時の借地・借家立法
一 地代家賃統制令の制定
二 昭和一六年の借家法の改正
三 昭和一六年の借地法の改正
第五節 昭和四一年の借地・借家法改正
一 第二次大戦直後の借地・借家法
二 借地・借家に関する立法準備事業
三 借地・借家法の一本化論についての一疑問 保護の対象となるのは財産権か居住権か
第六節 我妻先生と借地・借家法
第二章 借地法
第一節 借地制度の意義
一 宅地立法の動向とその意義
二 都市再開発法と住民の住居
三 不動産賃借権の亜所有権化について
第二節 借地関係の存続と終了
一 借地法四条、六条、七条および八条の注釈
二 正当事由と借地人の類型
三 更新料
四 借地法における地主の更新拒絶権の制限と更新後の借地権存続期間の保障
五 存続期間についての判例批評
第三節 借地利用の態様
一 借地条件を変更し附随的に財産上の給付を命ずる裁判
二 防火地域の指定と木造家屋所有を目的とする借地権
第四節 借地権価格および地代
一 借地法制と借地権価格
二 公用収用と借地の補償
三 賃貸人が土地の使用収益を不可能にした場合の借地人の損害賠償請求額算定の基準時
四 相当な地代と借地権価格
五 地主の先取特権
第五節 借地権の対抗力
一 更新された借地権の対抗力
二 重複する地上権・賃借権の登記
三 建物登記における所在地番の表示が実際と相違している場合と建物保護法一条
第六節 借地権の譲渡・転貸と建物買取請求
一 土地賃借権無断譲渡・転貸と賃貸借の解除
二 譲渡・転貸に関する判例批評
三 借地法一〇条の注釈
四 建物買取請求についての判例評釈

物権法講義(五訂版)
創文社オンデマンド叢書
民法典やテキストの叙述順序を大きく変更し、読者に定評の担保物権法を含む物権法の概説書。民法典自体の改正、新立法、判例変更、関連法令の改正(平成一九年施行の信託法まで対応)に伴い、今般、大幅に改訂がなされた。
【目次より】
五訂版について 追記 初版まえがき 改訂版について 二訂版について 三訂版について 四訂版について
第一章 所有権
第一節 総説
第二節 所有権にもとづく請求権
第三節 所有権の原始取得
第四節 共同所有
第二章 占有
第一節 占有の効力、その一 占有訴権
第二節 占有の効力、その二 本権との関係
第三節 占有制度の観念化
第四節 占有における意思の要素
第五節 準占有
第三章 物権変動
第一節 総説
第二節 法律行為による不動産物権変動
第三節 不動産物権変動と対抗問題
第四節 動産の物権変動
第五節 明認方法
第六節 公信の原則
第四章 担保物権
第一節 抵当権
第二節 質権
第三節 権利移転過程型担保制度の総論
第四節 仮登記担保
第五節 譲渡担保
第六節 売渡担保
第七節 所有権留保
第八節 物的担保制度の多様化
第九節 留置権
第五章 物権の性質
第一節 総説
第二節 物権の効力

親族法講義
創文社オンデマンド叢書
特別養子縁組制度、有責配偶者の離婚訴訟、人工授精・代理母の問題など最近時のトピックにも目配りされた第一級のテキスト。
【目次より】
まえがき
はじめに
第一章 婚姻
第一節 序説
第二節 婚姻の成立
第三節 婚姻の効力
第四節 婚姻の解消
第五節 男女関係の法的規制
第二章 親子
第一節 序説
第二節 嫡出の親子関係
第三節 非嫡出の親子関係
第四節 性交なき生殖
第五節 裁判による親子関係の確定
第六節 親子であることの法的効果
第七節 親権者
第八節 養親子関係
第三章 親族関係一般
第一節 親族とは
第二節 後見制度
第三節 成人に対する私的援助
第四章 総括
第一節 氏および戸籍
第二節 家事紛争をめぐる裁判制度
第三節 民法典中の親族法

世界史における現代
創文社オンデマンド叢書
1988年6月7日に亡くなられた、創文社の顧問であった歴史家鈴木成高先生の、戦後に発表された評論や、折に触れて書かれた随想を編んだものである。
【目次より】
目次
一 世界史
世界の一体化
世界史における現代
世界の中の日本
二 国家
国家理由 力と正義の問題
国家的利益 国家理性と権力政治
日本におけるナショナル・インテレストの歴史的考察
三 文化
西欧の没落
ルネサンスの喪失(一) 伝統とヒューマニズム
ルネサンスの喪失(二) 伝統とヒューマニズム
ルネサンスの終末 伝統とヒューマニズム
日本における伝統と近代
四 歴史家たち
トインビー
ブルクハルト
ピレンヌ
ドーソン
原 勝郎
五 随想
どじょう鍋と焼餅/私のクラス会/久留和海岸の記
「読者の要求」について/雑誌というもの/書評に権威を/図書館の使命/大衆とは何か/昭和史の問題点/節操について/ある世代の減亡について/最後の言葉
年譜・著作目録
あとがき(野口洋二)

マックス・ヴェーバーの方法論的合理主義
創文社オンデマンド叢書
「私たちは、論争相手の意見についてはもちろん、自分自身の意見についてすら、いやと言うほどしょっちゅう、誤解している。」ヴェーバーはこう述べつつ、我々が「なぜ一致しあえないのか」を認識するために、〈価値討議〉という実践的な討議像を提唱した。本書は、晩年に結実したその〈方法論的合理主義〉を精密に検討し直し、その背景にこうした討議像が置かれていたことを明らかにする。それを通して、「合理化=近代化・脱呪術化」と見る文化的バイアスを乗り越える、〈合理化〉の比較文化・歴史的な方法論としてヴェーバー社会学を再生し、〈合理的であること〉そのものが人間社会に与える影響について理論的に探究する。
【目次より】
凡例
第一章 問い:住会科学・歴史科学と〈合理性〉
1・1 ヴェーバー研究と社会科学
1・2 歴史科学・比較文化方法論における〈合理性〉問題
1・3 社会理論における〈合理性〉問題
第二章 方法論的合理主義の分析枠組 予備規定
2・1 〈合理的構成〉
2・2 多方向的な〈合理〉概念群
2・3 二重の方法論的合理主義
第三章 方法論的合理主義の内的展開と外的受容
3・1 「合理化」・「合理主義」をめぐる解釈の四類型
3・2 「合理化」の諸解釈類型の妥当性
3・3 〈合理化〉論の内的展開とその未完成性
第四章 歴史認識としての方法論的合理主義
4・1 方法論的合理主義の分析シェーマの再定式
4・2 〈合理的であること〉の諸類型
4・3 宗教社会学における〈合理化〉
第五章 文化比較のための方法論的合理主義
5・1 〈理解的説明〉の方法
5・2 ヴェーバーの「科学社会学」
5・3 ヴェーバーの「科学像」の展開過程
第六章 社会理論としての方法論的合理主義 ヴェーバーの〈価値討議〉論
6・1 社会科学の〈成果〉
6・2 ヴェーバーの〈価値討議〉論
6・3 方法論的合理主義と〈価値討議〉
第七章 ヴェーバーの同時代批判 「神々の闘争」論
7・1 「近代科学」と「近代人」
7・2 「神々の闘争」と「日常」 ヴェーバーの同時代批判
7・3 方法論的合理主義と「決断」
注
あとがき
文献一覧

グレゴリウス改革の研究
創文社オンデマンド叢書
グレゴリウス改革とは、ヨーロッパ中世における最大の教会改革である。教皇レオ9世の登位(1049)から第1回ラテラン公会議(1123)までの教皇による教会改革のことである。グレゴリウス7世がその中心的な役割を果たした。 その改革の全容を解明する。
序説
一 課題と対象
二 名称をめぐる問題
三 研究史概観
第一章 グレゴリウス改革の対象 教会の危機
一 ローマ教皇座の危機
二 教会の変質と聖職者の倫理的堕落
三 王権の教会支配
四 教会の王権に対する態度
第二章 グレゴリウス改革の起原
一 グレゴリウス改革とクリュニー
二 改革教皇座成立までの教会改革
第三章 グレゴリウス改革の出現とその展開
一 改革教皇座の成立と改革の基礎づけ
二 教皇座をめぐる状勢の変化と改革の進展
三 アレクサンデル二世の在位期
第四章 グレゴリウス時代初期(一〇七三~七五年)における諸問題
第一節 聖職者の倫理的改革
第二節 教皇権威の浸透
第三節 世俗権との関係
第四節 東方計画
第五章 教皇首位権と《Dictatus papae》
第六章 改革の進展(一)教会の解放
第一節 ハインリヒ四世との闘争と教権の俗権に対する優越
一 一〇七五年の俗人叙任禁令
二 公会議後における教皇座とドイツ王との関係
三 闘争の開始とその本質
四 教皇の破門宜言の性格とその目的
五 トリブール オッペンハイム カノッサ
六 対立王の選出と教皇の中立的態度
七 ハインリヒに対する二回目の破門廃位とルードルフの承認
八 一〇八〇年以後の闘争
第二節 俗人叙任の問題
第七章 改革の進展(二)聖職者の倫理的改革
第八章 改革の進展(三)教会の中央集権
第九章 改革の進展(四)教皇座への世俗諸君主の結合と従属
第十章 グレゴリウス七世と十一世紀の諸教会改革の動き
第一節 グレゴリウス七世とクリュニー
第二節 聖堂参事会改革運動とグレゴリウス七世
結語
付論一 ヒルデブラント
付論二 グレゴリウス七世の教皇選出
あとがき
主要参考文献

理由の空間の現象学 表象的志向性批判
創文社オンデマンド叢書
〈人間が世界に赴きそこに住まう〉ことは、状況を真であるとして受け入れ、その状況に対応して何ごとかをもくろむという、志向性の仕組みによって可能になる。この本で著者は、志向性の仕組みを、私と他者とがともに参与し批判的対話を交わす「理由の空間」として解放し、人間的自由の根拠とその制約を明らかにする。アウグスティヌスやカントといった西洋哲学の伝統の深部へと遡り、アンスコム、デイヴィドソンらの分析哲学の論争へと越境しながら、フッサールとハイデガーの現象学的思考を現代によみがえらせる。
【目次より】
序論 志向性と「理由の空間」
1 表象主義1・表象主義2・反表象主義
2 志向性の二つの性格
a コミットメントとしての志向性
b 全体論的に成立する志向性 「理由の空間」
3 より根源的な志向性?
4 志向性と他者
5 この本の各章の成り立ちについて
一章 知覚的志向性と生活世界 現象学は何をもたらしたのか
1 知覚的経験の両価性
2 信念・直観・意味
3 知覚的志向性の概念の展開
a 『論理学研究』
b 『イデーン I』
c 『受動的綜合の分析』
4 志向性概念に基づいた「生活世界」の成立
二章 志向性と言語
1 言語は志向性に依存するという考え方 フッサールとサール
2 志向性は言語に依存する サール批判
a 意図の記述
b 信念の表明
c 信念の組織化
三章 言語についての規範主義の擁護
1 現代の認知意味論からの挑戦
2 解釈論的規範主義とは何か
3 認知意味論の客観主義批判は、解釈論的規範主義には当てはまらない
四章 意図の自立性をめぐって
1 二つの問題
2 意図の弱い自立性 アンスコムの場合
3 意図の強い自立性ヘ デイヴィドソンの場合
4 目的論による意図の理解
五章 ハイデガーによる「理由の空間」の拡張
1 存在論の三つの問い
2 存在論的ア・プリオリ カントからハイデガーへ
3 「理由の空間」としての世界内存在の構成
a 道具的存在者
b 現存在 行為者
c 事物的存在者
六章 表象的志向性批判
1 アウグスティヌスと現象学
2 『三位一体論』における知覚論
3 知覚と行為
4 『告白』の時間論再考
あとがき
註
文献

インド史の社会構造 カースト制度をめぐる歴史社会学
創文社オンデマンド叢書
カースト制度をめぐる歴史社会学複雑で混乱にみち近代の尺度では計り難いインドとは何か。この問題に野心的に挑戦する書。
【目次より】
序章
前編
第一章 カースト制度とその諸前提
第一節 カーストの普遍性と特殊性
第二節 カースト意識の生成
第三節 カースト社会のメカニズム
第二章 イデオロギーとしてのヒンドゥーイズム
第一節 人間不平等の弁証法
第二節 平等意識のインド的展開
後編
第三章 アジア的専制の背景と意味
第一節 前提としてのマルクス=エンゲルスの所説
第二節 その批判的検討
第三節 土侯権力の特質
第四節 アジア的専制権力の意味 インドの内発的近代化の可能性をめぐって
第四章 イギリスのインド支配とその結果
第一節 イギリス支配の成立
第二節 イギリス支配の合理化
第三節 インド社会の反応 寄生地主制の成立をめぐって
第四節 その背景
第五章 非階級社会としてのインド社会
第一節 階級対立と身分対立
第二節 近代インドにおけるサンスクリティゼイション
第三節 その意味 インドの近代化との関連における
第四節 その比較史的背景
第六章 インド・デモクラシィの安定と不安定
第一節 多元的社会
第二節 腐敗と対立の激化
第三節 展望
あとがき

中国哲学の探究(東洋学叢書)
創文社オンデマンド叢書
儒教・道教・仏教の三者が織りなす中国思想の流れを著者30年の研究により集大成した成果。木村中国学の全貌を明らかにする。
【目次より】
論語と孔門 雑考I
一 論語における孔子に対する称呼 子・孔子・夫子・仲尼・君子
二 論語に見える徳目の系統 特にその原点としての〈仁〉について
三 論語に現われた信の概念について
四 論語に見える徳の諸相について
五 子貢について
六 子路についての管見
七 顔淵について
八 孔門の若き秀オたち 子游・子夏・子張・曾子について
荀子より礼記まで 雑考II
一 読荀子二則 書誌學的〓記
二 前漢における礼學の伝受について
三 礼記の大學篇について
附録一 大學と中庸
附録二 ジッテと朱子の學
老荘と道教 雑考III
一 荘子妄言一則 荘子の書の変遷から見た内篇と外・雑篇との関係について
二 荘子の巵言
三 荘周説話を通じて見た荘周の死生観
四 道教と中國の思想
五 馬王堆出土の帛書老子について
中國佛教の周邊 雑考IV
一 老荘の無と佛教の空とについて
二 中國中世思想史上における廬山
三 寒山詩について
四 中國における哲人の詩について 詩と偈との関係より見ての断想
比較思想の試み 提唱V
一 中國思想史學の対象について
二 中國における世界観・人生観
三 中國哲學における中庸思想
あとがき
掲載書誌一覧

ドイツ中世の領邦と貴族
創文社オンデマンド叢書
11~13世紀バイエルン地方の貴族層の社会動態と政治的動向を考察することにより、オーストリアにおける領邦成立の契機、政治的統合の諸要因と実態を明らかにする。
【目次より】
序論 成立期領邦研究の現状と課題
第一篇 ラントの成立 叙任権闘争期前後における貴族の動向を通して
第一章 中世盛期の貴族史・国制史研究の現状と課題
第二章 叙任権闘争以前のバイエルンとその辺境地域
第三章 叙任権闘争期のバイエルン・オストマルク
第四章 叙任権闘争以後のバイエルン・オストマルクの貴族
第五章 辺境伯レオポルト三世時代のラント
第二篇 ラントの統合 ミニステリアーレンと騎士・都市
第一章 ミニステリアーレン・騎士研究の現状と課題
第二章 ミニステリアーレンの政治的発展
第三章 騎士身分の形成
第四章 一三世紀における政治的ダイナミズムとラント法
第三篇 ラントと地域支配 ヘルシャフトの構造
第一章 ラントヘレンのヘルシャフトと騎士 クエンリンガーを例として
第二章 ヘルシャフト・シュタイアとラント・上オーストリア
結語
あとがき
注
参考文献一覧

フッサール間主観性の現象学
創文社オンデマンド叢書
「地平」構造と、現象学の他者論とを「地平としての他者」として収斂させ、フッサール現象学の新しい全体像を提起する問題作。
【目次より】
凡例
略語表
序章
第一部 地平の現象学
第一章 言語における志向性
一 相関関係 二 表現が告知するもの・意味するもの・指示するもの 三 意味作用の多様性と意味の同一性 四 「内と外」という形而上学の迷路
第二章 知覚における志向性
一 言語から知覚ヘ 二 感覚と知覚 三 意味を通じて対象に関わる 四 知覚の世界
第三章 経験と言語
一 経験主義の正当な動機 二 経験主義批判 三 言語に先立つもの 四 前述定的経験と地平志向性
第四章 「心身」問題
一 「心なき意識」 二 知覚と物理学的思惟 三 私の身体 四 人格と超越論的主観性
第五章 身体とパースペクティヴ的空間
一 超越論哲学の改造 二 直観の空間と幾何学の空間 三 関係の形式としての空間 四 パースペクティヴ的空間
第六章 生世界と超越論的主観性
一 生世界と基礎づけの理念 二 生世界と志向性 三 生世界の二義性 四 生世界の存在論と超越論的現象学
第二部 他者の現象学
第七章 他者経験の構造と発生
一 他者によって媒介された自己経験 二 原初的世界経験 三 他者経験の構造 四 他者経験の発生
第八章 他者と時間・空間
A 他者と空間
一 客観性の逆説から主観性の逆説へ 二 他者によって媒介された空間 三 空間によって媒介された他者
B 他者と時間
一 時間論における現前と非現前の構造 二 時間と空間のアナロジー 三 他者と時間のアナロジー
第九章 他者と言語
A 言語の問題に他者がいかに関与しているか?
一 孤独な心的生と伝達的会話 二 偶因的な表現の意味 三 発生の三つの段階
B 他者の問題に言語がいかに関与しているか?
一 意味の伝達と体験の告知 二 感情移入と表現の理解 三 伝達の現象学
第十章 他者と異文化
一 「驚き」と現象学的還元 二 超越論的な次元に先立つ現象学的分析 三 超越論的な次元における他者と異文化 四 異他なるものの経験の可能性
第十一章 他者と理性
一 相対主義かヨーロッパ中心主義か? 二 理性の分散か合理主義か? 三 「エピステーメーからドクサヘ」か「ドクサからエピステーメーヘ」か? 四 相対性の復権と相対主義の陥穽
終章 「超越論的他者」とは何だったのか?
一 他者問題が立てられるトポス 二 自他の等根源性 三 他者の他者性 四 開けとしての超越論的他者
あとがき
参考文献

スコトゥスの存在理解
創文社オンデマンド叢書
スコトゥス思想の中心に位置する「存在の一義性」をテクストの丹念な解読により初めて解明し、今後のスコトゥス研究の基盤を提供する重要著作。
【目次より】
はじめに
緒論
第一章 スコトゥスにおける諸概念の意味
第一節 概念の第一次的抽象
A 可知的形象の措定
B 能動知性の問題
第二節 実在概念
第三節 論理的概念
A クウィッドとクアーレ
B 規定的と被規定的
C 外属的と被外属的
第四節 実体概念
第五節 実存概念
第六節 神の実存の非自明性
第七節 神の概念
第二章 知性のうちで一義性が主張される根拠
第一節 神と被造物の概念における一致
第二節 「自然的」であることの二重の意味
第三節 知性の第一対象について(1) 異論の検討
A われわれの知性の第一対象は質料的事物の本質ではないこと
B われわれの知性の第一対象は神ではないこと
第四節 知性の第一対象について(2) 「第一主義」の定義
第五節 知性の第一対象について(3) 「存在」が第一のものである
第六節 諸概念における存在の一義性の証明
第三章 存在の一義性の証明
第一節 概念が「一義的」であること
第二節 概念の一義性の証明
1 第一の証明
2 第二の証明
3 第三の証明
4 第四の証明
5 第五の証明
6 その他の一義性の証明
第三節 一義性の証明の根拠について
第四章 結論
われわれが用いたテクストについて
あとがき
索引
略記事項
註
引用文献表

アベラール 言語と思惟
創文社オンデマンド叢書
中世フランスの論理学者にして神学者であるアベラールは、「唯名論」学派の創始者でもある。後にトマス・アクィナスらに弟子のエロイーズとのロマンスでよく知られている。現代ヨーロッパ思想を決定した彼の言語と思惟を、厳密なテキスト批判を踏まえて分析する。
【目次より】
緒論
第一章 生涯と著作
第一節 弁証論の騎士
第二節 著作の命運
第二章 言語論理的思惟
第一節 文法学と思惟
第二節 弁証論と思惟
第三節 波紋
第三章 意味論的思惟
第一節 普遍名辞
第二節 動詞の機能
第三節 命題の表意作用
第四章 文法教育と倫理学
第一節 文法教育と倫理
第二節 自然倫理と内面化
参考文献および略語表
跋

宋代司法制度研究
創文社オンデマンド叢書
中国社会は宋代に入り急激に新しい展開をとげる。法制の面でも、唐代高度に発達した律令とて、新しい現実に適応するため様々な変更を余儀なくされた。本書は、唐以前および元以降の歴史を踏まえつつ、宋代三百年の司法官制の全体を、現存史料に即し、詳細に描き出した第一級の学術書。唐宋変革の問題に正面から立ち向かうとともに、無意識に陥りがちな西洋近代の法観念または現代的法感覚の類推による理解から脱却する必要性を強調、前近代中国の法に固有な性格を浮き彫りにする。また、昨今失われつつある基礎知識の伝承をも試み、若手研究者にも多くの示唆を与えるにちがいない。日本学士院賞受賞。
【目次より】
弁言
第一部 宋代の司法制度
第一章 地方の司法行政(一) 県
第二章 地方の司法行政(二) 府州
第三章 地方の司法行政(三) 路
第四章 国都開封府の司法問題
第五章 中央政府の司法制度(一) 刑部と大理寺
第六章 中央政府の司法制度(二) 御史台と司法問題
第七章 宋代の法官と試法
第二部 宋代法制の諸問題
第一章 宋代官員の処罰 刑は大夫に上らず
第二章 罰俸制度の展開旧中国における懲戒
第三章 宋代の贖銅と罰銅 官員懲戒のひとこま
第四章 公罪・私罪の一考察 宋代の事例を中心として
第五章 唐宋時代の法典編纂 律令格式と勅令格式
あとがき