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文学２０００

ブンガクニセン

編：日本文藝家協会

欲情する人間たちを描き出す
子猫から老人まですべての命は欲情している。文学は生きる喜びと不安を赤裸々に映し出す。
芥川賞、女流文学賞受賞作を含む、この1年の傑作から厳選した最強短編集。

列車の中を言葉が走る「枕木」──多和田葉子
老人の人生を真正面から描く「蔭の棲みか」──玄月
リストラ男のねじれていく1日「運動会」──佐藤洋二郎
別の家庭を持つ父との再会「存生」──藤林靖晃
生き別れて双子の男女の性愛「とつき十日の前世」──宮嶋康彦
てのひらに月をのせて暮らす「月の……」──石黒達昌
小さな猫の体から溢れ出すもの「生きる歓び」──保阪和志
メキシコのボート漕ぎの哀愁「ドン・ベロ」──堂垣園江
90歳、生と死の間に立つ「日が傾いて」──岩阪恵子
若き日の恋心の記憶をたどる「蝋涙」──原田康子
かつての情交を今書き残す「ビョン・ワン・リー」──大庭みな子
絡まり合ういくつもの物語「今は何時ですか？」──丸谷才一
4歳の時死んだ母が鮮やかに甦る「幼年時代」──江藤淳
古い映画の記憶に潜む狂気「苺」──古井由吉