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徒然草を読む
ツレヅレグサヲヨム
- 著: 上田 三四二

『徒然草』の読み方にはいろいろある。それがこの類を絶した随筆の幅であり、懐の深さである。『徒然草』はただ一つのことを切言していると私は思う。「先途なき生」と。人生は有限であり、しかも明日知れぬいのちではないか。ここから兼好の唱導する生き方の極意は、「ただいまの一念」、これである。死までの切迫したこの世の生の時間を、時間そのものとなることによって生き切ろうと、兼好は訴えたのである。(著者「まえがき」より)
目次
「学術文庫」のためのまえがき
1 「方丈記」から「徒然草」へ
2 「徒然草」における「つれづれ」
3 兼好と時間
4 兼好と世間
5 兼好と人間
6 補遺
隠遁者における後世・現世
心と身の論
あとがき
書誌情報
紙版
発売日
1986年01月07日
ISBN
9784061587199
判型
A6
価格
定価:968円(本体880円)
通巻番号
719
ページ数
234ページ
シリーズ
講談社学術文庫