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とはずがたり(下)
トハズガタリ
- その他: 次田 香澄

後深草院の特異な愛情のもとに寵遇されながら、西園寺実兼・法助法親王らとの愛欲生活を綴った上巻から一転し、下巻は作者後半生の、女性として稀有な長途の旅を記す。宮廷生活に訣別して出家した作者二条は西行の修行を慕い、鎌倉をめざす東海道の旅を手始めに、信濃・奈良・伊勢・また中国路など、当時の貴族女性としては驚異的な規模で諸国を遍歴する。『蜻蛉日記』をしのぐ個性と凄絶な迫力あふれる、注目すべき女流文学作品。
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目次
●巻3
1・院、有明の月と作者の対話を聞く
2・院に有明との秘密を告白、院の述懐
3・院、二人の仲をはからう、有明と契る
4・院、懐妊を予言する
5・雪の曙来訪の夜の火事
6・院、懐妊を有明に告げようと計画
7・院、有明を許す、有明感謝
8・有明と逢う、院作者にからむ
9・曙の恨み言、着帯
10・供花(くうげ)、院の扇の使 ほか
●巻4
1・都を立つ、逢坂、赤坂の遊女
2・熱田社詣で
3・清見関(きよみがせき)・三島社・江島(えのしま)の夜
4・鎌倉の展望、鶴岡八幡宮
5・小町殿と交通、病臥、新八幡放生会(やわたほうじょうえ)
6・将軍惟康、都へ配流(はいる)
7・新将軍久明の東下
8・鎌倉で和歌の交歓、川口の歳晩
9・善光寺詣で、高岡岩見入道邸に滞在
10・浅草寺詣で、秋月の述懐 ほか
●巻5
1・厳島へ出立、鞆の遊女
2・厳島の大法会(ほうえ)と夜景
3・足摺岬の補陀落(ふだらく)渡海説話
4・白峰で写経供養
5・備後和知一族の家、広沢入道に再会
6・広沢入道と贈答、吉備津宮
7・帰洛、東二条院の病と死を聞く
8・後深草院発病、西園寺実兼に頼み院を見舞う
9・院死去、御所の庭にたたずむ
10・葬列を跣(はだし)で追う、火葬の煙を望み空しく帰る ほか
書誌情報
紙版
発売日
1987年08月04日
ISBN
9784061587960
判型
A6
価格
定価:1,628円(本体1,480円)
通巻番号
796
ページ数
526ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
その他: 次田 香澄(ツギタ カスミ)