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社会分業論(上)
シャカイブンギョウロン
- 著: エミ-ル・デュルケム ,
- 訳: 井伊 玄太郎

19世紀末、急激な資本主義化がもたらした無規制状態(アノミー)への危機感のなかで、デュルケムは「分業」の機能に着目し、社会変動のしくみを解明しようとした。本書第1編においては、有名な「機械的連帯から有機的連帯へ」という仮説が展開される。分業の発達に由来する連帯は、あたかも有機体のように、人間個人の個性を増大させながら社会全体を発展させるのである。フランス社会学を代表し、現代思想の源流をかたちづくった古典的名著。
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目次
●第1編 分業の機能
第1章 この機能を決定する方法
機能という言葉の意味
1 文明の根源としての分業
2 文明社会における分業の役割
3 未開社会の環節的連帯と文明社会の有機的連帯との相異
第2章 機械的な連帯または類似による連帯
1 未開社会の連帯の特性
2 未開社会における禁止的法律としての刑法
3 未開社会の刑法を裏づける社会共通意識の強烈な感情
4 未開社会での刑法と類似による連帯との関係
第3章 分業による連帯または有機的な連帯
1 分業による連帯または有機的連帯と原状回復的法律との関係
2 分業における物権の意味
3 分業における協力
4 機械的連帯と有機的連帯と社会的類型との関係
第4章 以上のものについての他の立証
まえがき
1 未開社会における諸個人の類似性
2 未開社会における法律の禁止的特性
第5章 有機的連帯の漸次的優越とその諸結果
1 文明社会における協同的法律の優越の理由
2 社会進化と類似型の社会的連帯の退化
3 多くの犯罪類型の消滅的傾向
4 ロンブローゾの犯罪説に対しての反駁
5 有機的連帯の優越的傾向を証明する他の諸事実
第6章 有機的連帯の漸次的優越とその諸結果(続)
1 環節型社会は機械的連帯に対応している
2 有機型社会は有機的連帯に対応している
3 人間の有機的社会型と動物の有機型との類似
4 スペンサーの社会的進化理論への反駁
第7章 有機的連帯と契約的連帯
1 有機的連帯は社会的規制下での契約的連帯である
2 契約的諸関係と社会的規制下におかるべき非契約的諸関係との同時的発展
3 社会における行政的並びに政治的規制の必然的発展
4 道徳的並びに社会的生活の二重の源泉
書誌情報
紙版
発売日
1989年04月05日
ISBN
9784061588738
判型
A6
価格
定価:1,298円(本体1,180円)
通巻番号
873
ページ数
376ページ
シリーズ
講談社学術文庫