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社会分業論(下)
シャカイブンギョウロン
- 著: エミ-ル・デュルケム ,
- 訳: 井伊 玄太郎

社会が大きくなり、密度を高めるのに正比例して、分業は必然的に発展する。分業の進歩は、一方で激しい生存競争を引き起こし、また一方では競争者たちに共存の可能性を与えるであろう。本書で、デュルケムは分業の原因を仔細に検討し、さらに分業の病理学的形態の分析を通して、社会的連帯の正しい発展方向を展望する。道徳的秩序の確立、個人的人格の開花、闘争なき人類社会の創造……デュルケム社会学の実践的主題は、大きく深い。
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目次
●第2編 原因と条件
第1章 分業の進歩と幸福の増加
まえがき
1 分業の発展と幸福の増大とは無関係であるか
2 幸福とは健全状態である
3 進歩とは何か
第2章 原因
1 分業の諸原因
2 スペンサーの個人と社会との関係の理論と外的事情による分業論
3 社会的分業の進歩の理論
4 分業は組織的社会の内部でも起る
第3章 第2次的要因=集合意識の漸次的不確定化とその原因
まえがき
1 集合意識の発展と個人の自由の拡大
2 環節型社会の消滅と個人の自由の拡大
3 環節型社会の消滅と個人への拘束力の減少
4 結論
第4章 第2次的要因(続)=遺伝
まえがき
1 遺伝とは何か
2 遺伝は不確定なものになってゆく
第5章 以上からの帰結
1 社会的分業における機能の独立性の増大
2 分業と文明との関係で分業は目的とも理想ともなりうる
3 個人は社会の産物である
第3編 異常的諸形態
第1章 無規制的分業
まえがき
1 経済生活と科学活動とにおける分業の異常形態
2 これらの異常形態はどうすれば排除できるか国家と哲学の総合的、規制的役割
3 これらの異常形態を排除するには、無規制的分業を規制することが不可欠である
第2章 拘束的分業
1 外的条件の平等に基づく正しい階級闘争の理論
2 個人の自由は規制の産物である
第3章 その他の異常形態
結論
1 社会的連帯の全条件としての道徳
2 分業は個人的人格を減少させるものではない
3 分業は法と道徳に基づいて有機的・契約的連帯を生むものである
書誌情報
紙版
発売日
1989年05月08日
ISBN
9784061588745
判型
A6
価格
定価:1,188円(本体1,080円)
通巻番号
874
ページ数
326ページ
シリーズ
講談社学術文庫