
マイページに作品情報をお届け!
三島由紀夫文学論集(1) 虫明亜呂無編
ミシマユキオブンガクロンシュウムシアケアロムヘン

精神と肉体、文学と行動、その根源的一致を幻視する
告白と批評の中間形態、秘められた批評と著者自らが言い、文学と行動、精神と肉体との根源的な一致を幻視し、来たるべき死を強く予感させる、最後の自伝的長篇評論「太陽と鉄」を中心に、30歳の頃の旺盛な創作活動の根柢を明かす「小説家の休暇」等、稀有なる文学者の思索の結晶体ともいえる12篇を収録。三島文学の全体像とそのデモーニッシュな魅力をあますところなく示す全3巻論集。
三島由紀夫
このごろ私は、どうしても小説という客観的芸術ジャンルでは表現しにくいもののもろもろの堆積を、自分のうちに感じてきはじめた(略)そこで私はこのような表白に適したジャンルを模索し、告白と批評との中間形態、いわば「秘められた批評」とでもいうべき、微妙なあいまいな領域を発見したのである。それは告白の夜と批評の昼との堺の黄昏の領域であり、語源どおり「誰そ彼」の領域であるだろう。――<「太陽と鉄」より>
書誌情報
紙版
発売日
2006年04月12日
ISBN
9784061984394
判型
A6
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
底本:講談社刊『三島由紀夫文学論集』(虫明亜呂無編、’70年3月)を底本とし、同書を三分冊した第一巻。旧かな遣いを新たな遣いに改め、本文中明らかな誤植と思われる箇所は正した。
収録作品
-
作品名初出
-
作品名
太陽と鉄
初出
初出:『批評』’65年11月~’68年6月、『文芸』’68年2月
-
作品名
小説家の休暇
初出
初出:『小説家の休暇』講談社、’55年11月
-
作品名
「われら」からの遁走
初出
初出:『われらの文学5三島由紀夫』講談社、’66年3月刊
-
作品名
私の中の「男らしさ」の告白
初出
初出:『婦人公論』’63年4月
-
作品名
精神の不純
初出
初出:『第一新聞』’47年3月27日
-
作品名
わが非文学的生活
初出
初出:『毎日新聞』’59年1月3日
-
作品名
自己改造の試み
初出
初出:『文学界』’56年8月
-
作品名
実感的スポーツ論
初出
初出:『読売新聞』’64年10月5、6、9、10、12日
-
作品名
体操
初出
初出:『毎日新聞』’64年10月21日
-
作品名
ボクシングと小説
初出
初出:『毎日新聞』’56年10月7日
-
作品名
私の健康
初出
初出:『週間朝日』’62年7月27日
-
作品名
私の商売道具
初出
初出未詳、’57年2月