三島由紀夫文学論集(3) 虫明亜呂無編

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三島由紀夫文学論集(3) 虫明亜呂無編

ミシマユキオブンガクロンシュウムシアケアロムヘン

講談社文芸文庫

孤高の美の実践者・三島の偏愛した人と作品のすべて

市川団蔵、中村芝翫、中村歌右衛門、沢村宗十郎へのオマージュにはじまる歌舞伎・演劇論、深く影響を受けたラディゲ、コクトオ、ワイルド、ジュネ等の外国文学論、さらには、二・二六事件の青年将校・磯部浅一の遺稿や『葉隠』まで、三島の美意識に刻みこまれた人と作品を縦横に論じ、小説の美学と演劇への情熱溢れる27篇を収録。批評家・三島由紀夫の文業を精選した論集全3巻完結。

三島由紀夫
折りにふれて、あるページを読んで感銘を新たにした本といえば、おそらく「葉隠」1冊であろう。わけても「葉隠」は、それが非常に流行し、かつ世間から必読の書のように強制されていた戦争時代が終わったあとで、かえってわたしの中で光を放ちだした。「葉隠」は本来そのような逆説的な本であるかもしれない。戦争中の「葉隠」は、いわば光の中に置かれた発光体であったが、それがほんとうに光を放つのは闇の中だったのである。――<「『葉隠』とわたし」より>


書誌情報

紙版

発売日

2006年06月11日

ISBN

9784061984455

判型

A6

価格

定価:1,430円(本体1,300円)

ページ数

352ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

底本:講談社刊『三島由紀夫文学論集』(虫明亜呂無編、’70年3月)を底本とし同書を三分冊にした第三巻。本書では、旧かな遣いを新かな遣いに改め、本文中明らかな誤植と思われる箇所は正したが、原則として底本に従った。

収録作品

  • 作品名

    古今集と新古今集

    初出

    初出:『国文学攷』’68年3月

  • 作品名

    美に逆らうもの

    初出

    初出:『新潮』’61年4月

  • 作品名

    変質した優雅

    初出

    初出:『風景』’63年7月

  • 作品名

    魔的なものの力

    初出

    初出:『文学界』’62年12月

  • 作品名

    現代史としての小説

    初出

    初出:『毎日新聞』’62年10月9、10日

  • 作品名

    団蔵・芸道・再軍備

    初出

    初出:『20世紀』’66年9月

  • 作品名

    中村芝翫論

    初出

    初出:『季刊劇場』’49年2月

  • 作品名

    六世中村歌右衛門序説

    初出

    初出:写真集『六世 中村歌右衛門』講談社、’59年9月

  • 作品名

    沢村宗十郎について

    初出

    初出:『日本演劇』’47年4月

  • 作品名

    「班女」拝見

    初出

    初出:『観世』’52年7月

  • 作品名

    海風の吹きめぐる劇場

    初出

    初出:『毎日マンスリー』’53年6月

  • 作品名

    楽屋で書かれた演劇論

    初出

    初出:『芸術新潮』’57年1月

  • 作品名

    戯曲の誘惑

    初出

    初出:『東京新聞』’55年9月6、7日

  • 作品名

    「演劇のよろこび」の復活

    初出

    初出:『雲』’63年3月

  • 作品名

    ロマンチック演劇の復興

    初出

    初出:『婦人公論』’63年7月

  • 作品名

    文学座の諸君への「公開状」

    初出

    初出:『朝日新聞』’63年11月27日

  • 作品名

    「道義的革命」の論理ー磯部一等主計の遺稿について

    初出

    初出:『文芸』’67年3月

  • 作品名

    「葉隠」とわたし

    初出

    初出:『葉隠入門』光文社、’67年9月

  • 作品名

    美しき時代

    初出

    初出:『学園新聞』’48年7月12日

  • 作品名

    死の分量

    初出

    初出未詳、’53年9月25日

  • 作品名

    モラルの感覚

    初出

    初出:『毎日新聞』’54年4月20日

  • 作品名

    レイモン・ラディゲ(ドルジェル伯の舞踏会)

    初出

    初出:『世界文学』’48年5月

  • 作品名

    レイモン・ラディゲ

    初出

    初出:『ラディゲ全集』中央公論社、’53年6月

  • 作品名

    レイモン・ラディゲ(一冊の本)

    初出

    初出:『朝日新聞』’63年12月1日

  • 作品名

    ジャン・コクトオ(稽古場のコクトオ)

    初出

    初出:『芸術新潮』’61年3月

  • 作品名

    ジャン・コクトオ(ジャン・コクトオの遺言劇)

    初出

    初出:『芸術新潮』’62年5月

  • 作品名

    ジャン・コクトオ(軽金属の天使)

    初出

    ジャン・コクトー芸術展パンフ’62年11月

  • 作品名

    ジャン・コクトオ(コクトーの死)

    初出

    初出:『毎日新聞』’63年10月15日

  • 作品名

    オスカア・ワイルド(オスカア・ワイルド論)

    初出

    初出:『改造文芸』’50年4月

  • 作品名

    オスカア・ワイルド(完本獄中記ーワイルド作))

    初出

    初出:『文芸』’51年3月

  • 作品名

    ジャン・ジュネ(「泥棒日記」-ジュネ作)

    初出

    初出:『毎日新聞』’53年7月20日

  • 作品名

    ジャン・ジュネ

    初出

    初出:『群像』’53年8月

  • 作品名

    コリン・ウィルソン(「アウトサイダー」をめぐって)

    初出

    東京新聞57年5月6~8日

  • 作品名

    コリン・ウィルソン(芸術と芸術的ー「暗黒のまつり」)

    初出

    毎日新聞61年3月20日

  • 作品名

    コリン・ウィルソン(血のように赤い落日)

    初出

    『朝日ジャーナル』’64年3月1日

  • 作品名

    ノーマン・メイラー(米国版千夜一夜ー「鹿の園」)

    初出

    初出『中央公論』’56年4月

  • 作品名

    ノーマン・メイラー(アメリカ版大私小説)

    初出

    『朝日ジャーナル』’63年2月17日

著者紹介

既刊・関連作品一覧

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