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三島由紀夫文学論集(2) 虫明亜呂無編
ミシマユキオブンガクロンシュウムシアケアロムヘン

演劇と映画への傾倒、肉体と陶酔の発見。
文壇の寵児としての華やかな交遊、結婚、子供の誕生というプライヴェートの充実、剣道とボディ・ビルへの熱中、演劇・映画への傾斜……作家が超人的な生活の中から何を思想の核として剔出するかを鮮烈に示す、昭和33年から34年にかけての日録「裸体と衣裳」、自らの文学的出発点と修業の日々を語る「私の遍歴時代」を中心に、日常と創作の往還から生み出された思索の結晶体、9篇を収録。
三島由紀夫
私に余分なものといえば、明らかに感受性であり、私に欠けているものといえば、何か、肉体的な存在感ともいうべきものであった。すでに私はただの冷たい知性を軽蔑することをおぼえていたから、1個の彫像のように、疑いようのない肉体的存在感を持った知性しか認めず、そういうものしか欲しいと思わなかった。それを得るには、(中略)どうしても太陽の媒介が要るのだった。――<「私の遍歴時代」より>
書誌情報
紙版
発売日
2006年05月12日
ISBN
9784061984424
判型
A6
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
352ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
底本:講談社刊『三島由紀夫文学論集』(虫明亜呂無編’70年3月)を底本とし、同書を三分冊にした第二巻。旧かな遣いを新かな遣いに改め、本文中明らかな誤植と思われる箇所は正した。
収録作品
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作品名初出
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作品名
裸体と衣裳
初出
初出:『新潮』’58年4月~’59年9月
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作品名
アポロの杯ーパリ
初出
初出:『婦人公論』’52年7月、『近代文学』’52年8月
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作品名
ジョルジュ・バタイユ「エロチシズム」
初出
初出:『声』’60年4月
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作品名
陶酔について
初出
初出:『新潮』’56年11月
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作品名
個性の鍛錬場
初出
初出:『文学界』’57年1月
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作品名
ナルシシズム論
初出
初出:『婦人公論』’66年7月
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作品名
「純文学とは?」その他
初出
初出:『風景』’62年6月
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作品名
余暇善用
初出
初出:『東京新聞』’59年7月4日
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作品名
私の遍歴時代
初出
初出:『東京新聞』’63年1月10日~5月23日