孟嘗君(2)

マイページに作品情報をお届け!

孟嘗君(2)

モウショウクン

文芸(単行本)

数奇なる運命の鮮やかな転変
送別の宴はおわった。夜明けまであまり時がない。夜具にはいった風洪、いや白圭が、ねむりに沈もうとしたとき、人のけはいがした。人のけはいは、足音をともなっていた。――翡媛か。部屋の空気がゆれた。そのゆれは白圭の夜具を浮かし、しなやかなものをすべりこませた。ことばはない。……しずかなたゆたいがつづいている。女ははげしいしあわせに襲われた。なにかがくだけたように感じた。が、そのくだけたものは惜しいわけでもなく、くだけたもののかわりになにかが明瞭にみえてきそうであった。――本文から


オンライン書店で購入する

書誌情報

紙版

発売日

1995年09月20日

ISBN

9784062066532

判型

四六

価格

定価:1,708円(本体1,553円)

ページ数

316ページ

著者紹介

オンライン書店一覧

既刊・関連作品一覧