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三国演義(3)
サンゴクエンギ
- 著: 安能 務

隠歌「短歌行」を読み解かずに曹操の人物は語れない。
これで本当の中国が見える。
天下統一を目前にした曹操。阻む周瑜と孔明。赤壁の戦いの火蓋が切って落とされた。
「……いま、この光景を眺めて、慷慨甚だしきを覚えた。よって歌を作る。唱和してもらおうか」と曹操は言って、その場で歌を作った。いわゆる「短歌行(たんかこう)」である。いや、短歌行と題されたが、一般に人生の儚さを詠じた、通常の短歌行ではない。言葉と表現は平易である。しかし、自負と隠憂(いんゆう)、矜持(きょうじ)と自省、決意と逡巡を織り交ぜて詠みあげた、至極難解な、一種の「隠歌」であった。――本文より
書誌情報
紙版
発売日
1999年01月25日
ISBN
9784062090322
判型
四六
価格
定価:2,090円(本体1,900円)
ページ数
378ページ