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神社は警告する─古代から伝わる津波のメッセージ
ジンジャハケイコクスルコダイカラツタワルツナミノメッセージ
東日本大震災の津波の被害状況を調査したとき、不思議なことに気づかされます。
津波が到達した「浸水線」をたどっていくと、なぜか神社が現れるのです。一度や二度ではありません。神社のすぐ前まで波がひたひたと押し寄せた、そういう場所がやたらに多い。また、撮影された津波の映像も神社の境内からのものが少なくない。いったいこれは偶然なのでしょうか……。
たとえば福島県の沿岸部、新地町から相馬市、南相馬市までの神社84社をすべて訪れ、地図に落としてみると、多くの神社がきれいに浸水線の上に並ぶではありませんか。高すぎもせず、また津波に呑みこまれることもないギリギリの場所に、まるで津波を止めたかのように神社は建っていたのです。むろん被災した神社もあります。しかし、そこを訪れると、瓦礫のなかに石碑が残っており、神社が近世に移転してきたという来歴が記されていました。
われわれの先祖たちは、古来、地震、津波、台風など自然災害と向き合って生きてきました。そして、その教訓を、神社、地名などさまざまな形で伝えようとしてくれた。本書ではそうした数々の時を超えたメッセージに耳を傾け、明日への指針をさぐります。
ⒸHitoshi Takase/Kazushi Yoshida/Wataru Kumagai
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目次
第一章
神社の手前で津波が止まった?
第二章
歴史津波の痕跡をたどる
第三章
神社に残る津波の“記憶”
第四章
傾聴すべき災害のメッセージ
第五章
警告は無視された
書誌情報
紙版
発売日
2012年11月28日
ISBN
9784062177184
判型
四六
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
226ページ
電子版
発売日
2024年03月29日
JDCN
06A0000000000767676Q
著者紹介
高世仁(たかせ ひとし) 1953年山形県生まれ。 早稲田大学大学院単位履修中退(博士課程)。1982年、通信社に入社。特派員として約10年にわたり東南アジア(タイ、フィリピン)に駐在。1998年、テレビ番組制作会社(株)ジン・ネットを設立。1997年2月、横田めぐみさんらしい女性を北朝鮮で目撃したとの元北朝鮮工作員の証言をはじめて日本のテレビで紹介、拉致疑惑がクローズアップされるきっかけになる。著書に『拉致―北朝鮮の国家犯罪』(講談社文庫)などがある。
吉田和史(よしだ かずし) 1979年埼玉県生まれ。立教大学法学部卒業。早稲田大学川口芸術学校で映像制作を学ぶ。 現在、ジン・ネットでディレクターとして報道・ドキュメンタリー番組を制作。
熊谷航(くまがい わたる) 1980年福島県生まれ。東京工業大学大学院情報理工学研究科修了(工学修士)。(株)ジン・ネット入社。主に北朝鮮の拉致問題に関する番組制作に携わる。退社後、沿岸域の環境調査、測量などの業務に携わる一方で、神社と津波防災、復興への取り組みに関する講演活動もおこなっている。