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日本人の脳に主語はいらない
ニホンジンノノウニシュゴハイラナイ
- 著: 月本 洋

内田樹さん絶賛!! “「身体で読む」私には、たいへん腑に落ちる説明である。”
脳科学が明かす日本語の構造
英語で“I love you.”とは言っても、日本人は決して「私はあなたを愛している」などとは言わない。「雨が降る」を英語で言うと、“It rains.”のように「仮主語」が必要になる。――これはどうしてか?人工知能研究と脳科学の立場から、言語について実験と分析を重ねてきた著者が発見した新事実。それは、日本語の音声がもつ特徴と、主語を必要としない脳の構造とが、非常に密接な関係にあることだった。斬新な視点による分析と、工夫をこらした実験、先行研究への広範な検討を重ねて、主語をめぐる長年の論争に大きな一石を投じる、衝撃の書!
【目次】
はじめに
1.人は言葉をどのように理解しているか
2.仮想的身体運動としての想像
3.仮想的身体運動による言葉の理解――身体運動意味論
4.心の理解――仮想的身体運動による心の理解
5.母音の比重が大きい言語は主語や人称代名詞を省略しやすい
6.主語や人称代名詞の省略は母音で決まる――身体運動統語論
7.文法の終焉
おわりに
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目次
はじめに
1.人は言葉をどのように理解しているか
1.1 音声と文字
1.2 理解するということの二つの意味
1.3 記号操作可能性は想像可能性に基づいている
2.仮想的身体運動としての想像
2.1 想像には身体がからんでいる
2.2 脳の非侵襲計測について
2.3 想像は仮想的身体運動である
3.仮想的身体運動による言葉の理解──身体運動意味論
3.1 身体が作る意味
3.2 言葉の意味とは?
3.3 身体運動意味論──具体的な言葉の意味
3.4 身体運動意味論と脳の神経回路
3.5 用法意味と身体運動意味の対立
3.6 メタファーについて 62
3.7 抽象的な言葉はメタファーを通してイメージにつながる
3.8 認知意味論の拡張としての身体運動意味論
3.9 身体運動意味論の実験
3.10 メタファーの形式は論理である
3.11 経験の形式としてのメタファー
4.心の理解──仮想的身体運動による心の理解
4.1 思考とは自分との対話である
4.2 心と脳と社会の関係
4.3 子どもの心──心の発達
4.4 模倣について
4.5 子どもは模倣で言葉を覚える
4.6 身体運動意味と用法意味の対立の実験
4.7 右脳に存在する自分と他人
4.8 他人の心の理解──心の身体運動意味論
4.9 イメージの発生──仮想的身体運動の発達
4.10 「私」はどこにあるのか?
4.11 言語によって異なる自己意識
5.母音の比重が大きい言語は主語や人称代名詞を省略しやすい
5.1 日本語の主語と文法について
5.2 主語強要言語と主語非強要言語
5.3 主語の省略から人称代名詞の省略へ
5.4 主語省略度と母音比重度は比例する──仮説の提示
5.5 主語省略度と母音比重度は比例する──仮説の検証
5.6 主語省略度と母音比重度は比例する──まとめ
6.主語や人称代名詞の省略は母音で決まる──身体運動統語論
6.1 脳の左右差と母音
6.2 発話は母音を内的に「聴く」ことから始まる
6.3 主語と人称代名詞の省略は音声に依存する──身体運動統語論
6.4 言語によって異なる「私」
7.文法の終焉
7.1 文法は認識形式の言語版である
7.2 生成文法と認知文法
7.3 一文法二論理
おわりに
参考文献
索引
書誌情報
紙版
発売日
2008年04月12日
ISBN
9784062584104
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
通巻番号
410
ページ数
262ページ
シリーズ
講談社選書メチエ
電子版
発売日
2015年07月24日
JDCN
0625841000100011000L
著者紹介
1955年生まれ。東京電機大学教授。東京大学工学部計数工学科卒業、同大学院修士課程修了。工学博士。専攻は、人工知能、マーケティング。 著書に、『実践データマイニング』『ロボットのこころ』、共著に、『想像 心と身体の接点』『脳機能画像解析入門』などがある。
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