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アテネ民主政 命をかけた八人の政治家
アテネミンシュセイイノチヲカケタハチニンノセイジカ
- 著: 澤田 典子

人物が語る古代アテネ民主政の実像。最大級の名誉と弾劾裁判による死罪、しかも無給。にもかかわらず彼らはなぜ政治家を目指したのか? 生の軌跡を追うことで見えてくる、古代ギリシャ精神の真髄!
数多くの市民が直接政治に携わり、特定の個人に権力が長期間集中するのを極力避ける、という徹底した直接民主政を約180年にわたって安定持続させた古代ギリシア屈指のポリス、アテネ。成功すれば最大限の名誉を与えられ、ひとつ間違えば弾劾裁判で死罪になるという「緊張状態」にさらされながら、政治家であろうとした8人の男たち。その生の軌跡を追うことで見えてくる、古代ギリシア精神の真髄と民主政治の原点とは?
【目次】
はじめに──民主政最後の政治家の死
序 章 アテネ民主政という世界
第1章 僭主の香りする勇士 ミルティアデス
第2章 一匹狼の策士 テミストクレス
第3章 貴族のなかの貴族 キモン
第4章 最後のカリスマ指導者 ペリクレス
第6章 民主政復興の英雄 トラシュブロス
第7章 したたかな名将 イフィクラテス
第8章 反マケドニアの闘士 デモステネス
終 章 アテネ民主政とは何だったのか
主な参考文献
図版出典一覧
あとがき
関連年表
人名索引
Ⓒ
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目次
はじめに──民主政最後の政治家の死
序 章 アテネ民主政という世界
アテネ民主政の一八〇年/民主政の仕組み/「政治家」と「説得」/不断の緊張状態/アテネ市民は裁判好き/ストラテゴスとは〔以下略〕
第1章 僭主の香りする勇士 ミルティアデス
名門貴族の時代/姻戚関係の見極めは難しい/ペイシストラトス家の僭主政/ペイシストラトス家との連携/ケルソネソスの僭主として/前古典期における「説得」/二三年ぶりの帰国〔以下略〕
第2章 一匹狼の策士 テミストクレス
門閥に属さない一匹狼/アルクメオン家との因縁/謎に包まれた一〇年間/陶片追放の嵐/陶片追放という奇妙な制度/平和的解決手段/陶片が語ること〔以下略〕
第3章 貴族のなかの貴族 キモン
大門閥連合の結節点/華々しい戦勝/デロス同盟の変質/キモンの「説得」/パトロネジという武器/ぺリクレスのデビュー戦〔以下略〕
第4章 最後のカリスマ指導者 ペリクレス
弁論術の時代/弁論術とペリクレス/ペリクレス時代への道/市民権法と陪審員手当/ペリクレス時代の幕開け/アテネを美しく飾る/二人のトゥキュディデス〔以下略〕
第5章 典型的なデマゴーグ クレオン
「デマゴーグ」とは/トゥキュディデスの嫌悪/もうひとりの「宿敵」/政界への進出/クレオンの弁舌/ニキアスというライバル/ピュロス攻防戦/クレオンは何をしたのか〔以下略〕
第6章 民主政復興の英雄 トラシュブロス
敗戦、復興、そして失墜/英雄不在の時代/内戦の爪痕/コリントス戦争への道のり/コノンの暗躍/トラシュブロスの前半生/「政治グループ」の時代/コリントス戦争の勃発/ 〔以下略〕
第7章 したたかな名将 イフィクラテス
「大王の和約」以降/ギリシア人傭兵を求めるペルシア王/傭兵隊長となるストラテゴス/政治と軍事の「分化」/イフィクラテスの前半生/トラキアとの絆/マケドニア王の養子となる 以下略〕
第8章 反マケドニアの闘士 デモステネス
マケドニア時代の開幕/「反マケドニアの闘士」/ボスポロス王国との絆/臥薪嘗胆の人/政界へのデビュー/「反マケドニアの闘士」の誕生/フィリポス二世というカード〔以下略〕
終 章 アテネ民主政とは何だったのか
名誉こそ全て/「賢人」と「愚人」/「人」から見たアテネ民主政/健全なアマチュアリズム/世襲制の打破
主な参考文献
図版出典一覧
あとがき
関連年表
人名索引
書誌情報
紙版
発売日
2010年04月10日
ISBN
9784062584654
判型
四六
価格
定価:1,870円(本体1,700円)
通巻番号
465
ページ数
282ページ
シリーズ
講談社選書メチエ
電子版
発売日
2013年09月27日
JDCN
0625846500100011000G
初出
PPS
著者紹介
1967年生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、千葉大学教育学部教授。専門は古代ギリシア・マケドニア史。著書に、『マケドニア全史』『アテネ 最期の輝き』(講談社学術文庫)、『古代マケドニア王国史研究――フィリッポス二世のギリシア征服』『アレクサンドロス大王』、『アレクサンドロス大王――今に生きつづける「偉大なる王」』などがある。
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