台所のおと

女はそれぞれ音をもってるけど、いいか、角（かど）だつな。さわやかでおとなしいのが、おまえの音だ。料理人の佐吉は、病床で聞く妻の庖丁の音が微妙に変わったことに気付く……。音に絡み合う、女と男の心の綾を、小気味よく描く表題作。ほかに、「雪もち」「食欲」「祝辞」など、全１０編。五感を鋭く研ぎ澄ませた感性が紡ぎ出す、幸田文の世界。

書誌情報

紙版

• 発売日: 1995年08月02日
• ISBN: 9784062630276
• 判型: A6
• 価格: 定価：638円（本体580円）
• ページ数: 298ページ
• シリーズ: 講談社文庫

初出

９２年９月小社より刊行。

収録作品

• 作品名
  初出

• 作品名

  台所のおと

  初出

  『新潮』１９６２年６月号

• 作品名

  濃紺

  初出

  『うえの』１９７０年１０月号

• 作品名

  草履

  初出

  『週刊朝日別冊』１９５８年１１月１日号

• 作品名

  雪もち

  初出

  『群像』１９５８年１月号

• 作品名

  食欲

  初出

  『新潮』１９５６年１１月号

• 作品名

  祝辞

  初出

  『婦人之友』１９６３年１月号

• 作品名

  呼ばれる

  初出

  『文藝』１９６６年１月号

• 作品名

  おきみやげ

  初出

  『婦人之友』１９６９年１２月号

• 作品名

  ひとり暮らし

  初出

  『新潮』１９６２年４月号

• 作品名

  あとでの話

  初出

  『新潮』１９６３年４月号

著者紹介

著： 幸田　文（コウダ　アヤ）

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