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日本〈聖女〉論序説 斎宮・女神・中将姫
ニホンセイジョロンジョセツサイクウメガミチュウジョウヒメ
- 著: 田中 貴子

密通する斎宮たち 苦悩する女神たち
古来、女性に付与されてきた「聖性」を刺激的に読み解く!
継母の嫉妬からいじめにあう中将姫。継子いじめの物語はどうして「女の病」にむすびつき、純潔な聖女となっていくのか。天皇の代がわりごとに伊勢に仕える女性として選ばれる斎宮。未婚の内親王である彼女たちの密通とは。そして三輪明神が女神として描かれる能「三輪」――。さまざまな物語のゆくえをたどり、女性の聖なる力とは何かを考える力作。
これまで女神の嫉妬の様相をいくつかみてきたが、いずれの場合も、嫉妬する方は正妻、嫉妬されるのは正妻の後に契った女性という共通点がある。現代の人間からみるとこれは当たり前のようだが、男1人を挟んで女2人がにらみ合うというのならば、後から関係を持った女がもとからの妻に嫉妬してもいいはずだ。それなのにほとんどすべての例が「嫉妬するのは先妻の方」というのは、その背景に「後妻打ち」という中世の習俗があったからではないだろうか。――<本書より>
※本書は、1996年4月、人文書院より刊行された『聖なる女――斎宮・女神・中将姫』を改題し、原本としたものです。
- 前巻
- 次巻
目次
第1章 捨てられ姫の物語――中将姫と「女の病」
第2章 斎宮の変貌――「聖」と「性」のはざまで
第3章 結婚しない女たち――鎌倉物語の皇女
第4章 女神考――神のジェンダーをめぐって
書誌情報
紙版
発売日
2010年09月15日
ISBN
9784062920117
判型
A6
価格
定価:1,012円(本体920円)
通巻番号
2011
ページ数
272ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
1996年4月、人文書院より刊行された「聖なる女──斎宮・女神・中将姫」を改題し、原本としたもの。第1章以外は全面的に書き改めた。
収録作品
-
作品名初出
-
作品名
第一章 捨てられ姫物語─中将姫と「女の病」
初出
書き下ろし
-
作品名
第二章 斎宮の変貌―「聖」と「性」のはざまで
初出
「斎宮の変貌─中世文芸の世界から」「日本史研究」366号、1993・2
-
作品名
第三章 結婚しない女たち─鎌倉物語の皇女
初出
「結婚しない女たち─鎌倉物語における不婚皇女の系譜」「年刊 日本の文学」第3集、有精堂出版、1994.12
-
作品名
第四章 女神考─神のジェンダーをめぐって
初出
「女神考─謡曲「三輪」における神の性」「日本の美学」21号、ぺりかん社、1994・6/「続女神考─女神の嫉妬をめぐって」「中古文学の形成と展開─中古から中世へ」和泉書院、1995・6
著者紹介
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