大江健三郎全小説　第１２巻

お祖母ちゃん（オーバー）の魂を受け継ぎ「救い主」となったギー兄さんは当初人々から偽物と見なされる。次第に賛同者をふやし、現代人の魂の救済を模索してゆく模様を、独特の性遍歴を経たサッチャンが記録してゆく。教会分裂の危機の中で襲撃され障害者となるギー兄さん。最後の決断と死、未来への大いなる励ましとは何か？

【収録作品】
「救い主」が殴られるまで──燃えあがる緑の木　第一部
揺れ動く〈ヴァシレーション〉──燃えあがる緑の木　第二部
大いなる日に──燃えあがる緑の木　第三部

──魂の救済

書誌情報

紙版

• 発売日: 2019年08月11日
• ISBN: 9784065090138
• 判型: A5
• 価格: 定価：6,380円（本体5,800円）
• ページ数: 660ページ

電子版

• 発売日: 2019年08月09日
• JDCN: 06A0000000000007985T

初出

「燃えあがる緑の木 第一部 「救い主」が殴られるまで」…「新潮」新潮社 1993年9月1日 第90巻9号／底本は『燃えあがる緑の木 第一部 「「救い主」が殴られるまで』新潮文庫 1998年1月1日、「燃えあがる緑の木 第二部 揺れ動く（ヴァシレーション）」…「新潮」 1994年6月1日 第91巻6号／底本は『燃えあがる緑の木 第二部 揺れ動く（ヴァシレーション）』新潮文庫 1998年2月1日、「燃えあがる緑の木 第三部 大いなる日に」…「新潮」1995年3月1日 第92巻3号／底本は『燃えあがる緑の木 第三部 大いなる日に』新潮文庫 1998年3月1日。

収録作品

• 作品名
  初出

• 作品名

  燃え上がる緑の木　第一部「救い主」が殴られるまで

  初出

  「燃え上がる緑の木　第一部「救い主」が殴られるまで」新潮文庫／１９９８年１月１日

• 作品名

  燃え上がる緑の木　第二部　揺れ動く（ヴァシレーション）

  初出

  「燃え上がる緑の木　第二部　揺れ動く（ヴァシレーション）」新潮文庫／１９９８年２

• 作品名

  続き

  初出

  月１日

• 作品名

  燃え上がる緑の木　第三部　大いなる日に

  初出

  「燃え上がる緑の木　第三部　大いなる日に」新潮文庫／１９９８年３月１日

著者紹介

著： 大江　健三郎（オオエ　ケンザブロウ）

大江健三郎（おおえけんざぶろう） 1935年1月、愛媛県喜多郡内子町（旧大瀬村）に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」（レイン・ツリー）を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

装丁： 鈴木成一デザイン室（スズキセイイチ）