大正=歴史の踊り場とは何か 現代の起点を探る

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大正=歴史の踊り場とは何か 現代の起点を探る

タイショウレキシノオドリバトハナニカゲンダイノキテンヲサグル

講談社選書メチエ

大正時代、都市化の進行や人々の意識の変化は、明治に始まった「官製の近代化」とは質の違う近代を歩み始めたのではないか。新しい社会・思想の源があったのではないか。「震災」「民生」「学区」「趣味」「娯楽」「サラリーマン」「職業婦人」「専業主婦」「地方(ぢかた)」「自由」など、この時代の言葉に着目、その発生や流行の社会状況を立ち上がらせながら、現代の社会や暮らし方の起点となった時代を読み解く。


1910年代~1920年代に現れた大きな転換期「大正」。その元号と重なるように日本・世界が動き出した。
第一次世界大戦と大恐慌によって世界の各地域が同期化する一方、同じうねりに巻き込まれつつ日本では関東大震災が「足下」を崩壊させる。
都市化の進行や人々の意識の変化は、明治に始まったいわば「官製の近代化」とは質の違う近代を歩み始めたのではないか。民に焦点を合わせることで、そこに孕まれていたいろんな可能性が見えてくるのではないか。
「震災」「民生」「学区」「趣味」「娯楽」「サラリーマン」「職業婦人」「専業主婦」「地方(ぢかた)」「自由」など、この時代の言葉に着目、その発生や流行の社会状況を立ち上がらせながら、現代の社会や暮らし方の起点となった時代を読み解く。


ⒸKIyokazu Washida

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目次

序――踊り場の時代に可能性を問う
第一部 現代の起点としての「大正」
学区――コモンセンスの成り立つ場所
民生――生存権・生活権への出発
震災――言葉の崩壊から新しい意識へ
趣味・娯楽――民衆文化再編成への胎動
第二部 踊り場としての「大正」
サラリーマン・職業婦人・専業主婦の登場
校歌――替え歌の文化が結ぶ共同体
民衆と詩――文語詩から口語詩への移行
地方学――「地方(ぢかた)」と「地方(ちほう)」そして「郷土」への眼差し

書誌情報

紙版

発売日

2018年05月10日

ISBN

9784065116395

判型

四六

価格

定価:1,870円(本体1,700円)

通巻番号

674

ページ数

272ページ

シリーズ

講談社選書メチエ

電子版

発売日

2018年05月18日

JDCN

06A0000000000026633X

初出

公益財団法人サントリー文化財団の調査研究として実施したプロジェクト「可能性としての『日本』」(代表・鷲田清一)の成果を基として書き下ろしたもの。

著者紹介

著: 鷲田 清一(ワシダ キヨカズ)

1949年生まれ。京都市立芸術大学学長。せんだいメディアテーク館長。哲学者。臨床哲学を探究する。著書に『現象学の視線』『モードの迷宮』『じぶん・この不思議な存在』『ぐずぐずの理由』『聴くことの力――臨床哲学試論』などがある。

著: 佐々木 幹郎(ササキ ミキロウ)

1947年生まれ。詩人。中原中也研究の第一人者。詩と音楽のコラボレーション、オペラの脚本も手がける。詩集に『蜂蜜採り』『明日』など、評論に『東北を聴く――民謡の原点を訪ねて』『中原中也――沈黙の音楽』などがある。

著: 山室 信一(ヤマムロ シンイチ)

1951年生まれ。2015年まで京都大学人文科学研究所所長を務め、現在は名誉教授。近代法政連鎖史研究者。著書に『キメラ』『憲法9条の思想水脈』『複合戦争と総力戦の断層』『アジアびとの風姿――環地方学の試み』などがある。

著: 渡辺 裕(ワタナベ ヒロシ)

1953年生まれ。東京大学大学院人文社会研究科教授。専攻は美学芸術学、文化資源学。著書に『歌う国民――唱歌・校歌・うたごえ』『感性文化論――〈終わり〉と〈はじまり〉の戦後昭和史』などがある。

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