隠れたる事実 明治裏面史

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電子あり

隠れたる事実 明治裏面史

カクレタルジジツメイジリメンシ

講談社文芸文庫

講釈師にして政治家の伊藤痴遊が巧みな文辞で説く、明治維新の光と影。新政府の基盤が固まるまでに、いったいなにがあったのか?


明治維新から150年が経ちます。その間多くの歴史研究が積み重ねられてきましたが、それはそれとして大衆レベルで「いったいなにがあったのか」をわかりやすく解説してきたのが「政治講談」であり、そのジャンルを確立したのが伊藤痴遊でした。いわば彼は「明治大正における池上彰」だったのです。本書の序文で痴遊はこう述べています(抜粋要約、仮名遣いはあらためた)。

 維新前後から明治にかけての歴史を部分的に分けて、人物を本位としたものを、いつか書いてみたいと思っていた……(中略)。/本書の体裁も、やはり言文一致のきわめて通俗のものにしてある。昨今に至って、西洋の学問が旺んになったため、外国歴史のことは知っていてもかえって日本の歴史を知らぬ青年が多いようだ。これは大いに注意すべきことである。生れた国の歴史を知らずに、他国の歴史ばかり知っているその人の思想はドンナ風になるか、すこぶる懸念に堪えない。そこで僕は維新前後から明治にかけての歴史を、人物本位で書くように努力して、(中略)……大体の事はかなりに穿ったつもりだ。/ことに、大概な人は遠慮して言わぬことまで、相当にさらけ出してある。したがって、多少の批難の起る事はもとより覚悟の上である。


Ⓒなし

書誌情報

紙版

発売日

2018年09月12日

ISBN

9784065129272

判型

A6

価格

定価:2,640円(本体2,400円)

ページ数

560ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

電子版

発売日

2018年09月11日

JDCN

06A0000000000051466V

初出

本書は、『隠れたる事実 明治裏面史』(1924年6月、成光館出版部刊)を底本とし、講談社文芸文庫版として大幅に再編集したものです。

著者紹介

著: 伊藤 痴遊(イトウ チユウ)

伊藤痴遊(いとう・ちゆう) 1867~1938。講談師、政治家。旧姓は井上、本名仁太郎。横浜に生まれる。1881年自由党に入り星亨門下の壮士として活躍する。加波山事件、静岡事件などに関係し処罰されたこともある。1887年からは双木舎痴遊と号して政治講談を創始(のち伊藤と改める)。抜群の話術で政界の裏話や人物譚などを巧みに談じて名声を得た。一方、東京府会議員などを歴任、1928年の最初の普通選挙で当選し、代議士となる(当選2回)。終生、話芸の向上発展に尽くし、話術倶楽部を創設、『痴遊雑誌』を創刊した。『伊藤痴遊全集』全30巻がある。

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