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文庫版 今昔百鬼拾遺 月
ブンコバンコンジャクヒャッキシュウイツキ
- 著: 京極 夏彦

昭和29年春から夏にかけて続く怪事件。
「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。しかも斬り殺されるんだという話でした」 昭和29年3月、駒沢野球場周辺で発生した連続通り魔・「昭和の辻斬り事件」。七人目の被害者・片倉ハル子は自らの死を予見するような発言をしていた。ハル子の友人・呉美由紀から相談を受けた「稀譚月報」記者・中禅寺敦子は、怪奇と見える事件に不審を覚え解明に乗り出す。(「鬼」)
複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。3体目発見の報せを受けた科学雑誌「稀譚月報」の記者・中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田が調査中の模造宝石事件との関連を探るべく現地に向かった。第一発見者の女学生・呉美由紀、妖怪研究家・多々良勝五郎らと共に怪事件の謎に迫るが―。山奥を流れる、美しく澄んだ川で巻き起こった惨劇と悲劇の真相とは。(「河童」)
是枝美智栄は高尾山中で消息を絶った。約二箇月後、群馬県迦葉山で女性の遺体が発見される。遺体は何故か美智栄の衣服をまとっていた。この謎に旧弊な家に苦しめられてきた天津敏子の悲恋が重なり合い―。『稀譚月報』記者・中禅寺敦子が、篠村美弥子、呉美由紀とともに女性たちの失踪と死の連鎖に挑む。天狗、自らの傲慢を省みぬ者よ。憤怒と哀切が交錯するミステリ。(「天狗」)
解説 綿矢りさ
ⒸNatsuhiko Kyogoku
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書誌情報
紙版
発売日
2020年09月15日
ISBN
9784065190265
判型
A6
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
1106ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2020年09月15日
JDCN
06A0000000000234808W
初出
「鬼」…『鉄鼠の檻』『虚談』『ヒトごろし』 発売記念三社合同期間限定サイト(2018年2月28日~11月30日)、「河童」…幽 vol.29(2018年6月刊 株式会社KADOKAWA) 怪 vol.0053(2018年11月刊 株式会社KADOKAWA) 幽 vol.30(2018年12月刊)、「天狗」…小説新潮(2018年10月号~2019年3月号 新潮社)。書籍|『今昔百鬼拾遺 鬼』(2019年4月19日発行 講談社タイガ)、『今昔百鬼拾遺 河童』(2019年5月25日発行 角川文庫)、『今昔百鬼拾遺 天狗』(2019年7月1日発行 新潮文庫)。
収録作品
-
作品名初出
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作品名
鬼
初出
「鉄鼠の檻」「虚談」「ヒトごろし」発売記念三社合同期間限定サイト(2018年2月
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作品名
続き
初出
28日~11月30日)
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作品名
河童
初出
『幽』vol.29(2018年6月刊)株式会社KADOKAWA
-
作品名
続き
初出
『怪』vol.0053(2018年11月刊)株式会社会社KADOKAWA
-
作品名
続き
初出
『幽』vol.30(2018年12月刊)株式会社KADOKAWA
-
作品名
天狗
初出
「小説新潮」(2018年10月号~2019年3月号)新潮社
著者紹介
’94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。’96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞受賞。この二作を含む「百鬼夜行シリーズ」で人気を博す。’97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、’04年『後巷説百物語』で直木賞、’11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞を受賞。’16年遠野文化賞、’19年埼玉文化賞受賞。