野川

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野川

ノガワ

講談社文芸文庫

大空襲から戦後の涯へ、時空を貫く生涯の道。現代文学の最高峰、古井文学の原景をたどる名篇。
急逝した友人が抱え続けた空襲の夜の母子の秘密。狂気をはらむ年上の女との情事に囚われた学生時代の友人。そして防空壕の底で爆音に怯えた幼時の自分。生涯の記憶は歳月を経て自他の境を超え、老年の男の身の内で響きあう。戦後の時空間にひしめく死者たちの声とエロス、現代の生の実相を重層的な文体で描いた傑作長篇小説。解説・佐伯一麦。


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目次

埴輪の馬
石の地蔵さん
野川
背中から
忘れ水
睡蓮
彼岸
旅のうち
紫の蔓
子守り
花見

森の中
蝉の道
夜の髭
一滴の水

書誌情報

紙版

発売日

2020年06月12日

ISBN

9784065202098

判型

A6

価格

定価:1,980円(本体1,800円)

ページ数

384ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

底本:「野川」講談社文庫 2007年8月刊 初出:『群像』2002年6月号~12月号、2003年3月号~7月号、9月号、10月号、12月号、2004年1月号

著者紹介

著: 古井 由吉(フルイ ヨシキチ)

ふるい・よしきち(1937・11・19~2020・2・18)小説家。東京生まれ。東京大学大学院修士課程修了。大学教員となりブロッホ、ムージル等を翻訳。文学同人誌「白描」に小説を発表。1970年、大学を退職。71年、「杳子」で芥川賞受賞。黒井千次、高井有一、坂上弘らと〈内向の世代〉と称される。77年、高井らと同人誌「文体」を創刊(80年、12号で終刊)。83年、『槿』で谷崎潤一郎賞、87年、「中山坂」で川端康成文学賞、90年、『仮往生伝試文』で読売文学賞、97年、『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞。その他の作品に『山躁賦』『野川』『辻』『白暗淵』『蜩の声』『雨の裾』『この道』『詩への小路 ドゥイノの悲歌』等がある。

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