
マイページに作品情報をお届け!
女官 明治宮中出仕の記
ジョカンメイジキュウチュウシュッシノキ
- 著: 山川 三千子

明治天皇と昭憲皇太后に仕えた女官の手記。華族・久世家の長女、三千子の見聞は、宮中のしきたりや天皇皇后の実像を生々しく伝える。数十人にのぼる女官のさまざまな職名と仕事、天皇自らが名づけた源氏名とニックネーム。「雀」と呼ばれた三千子は、天皇皇后の睦まじい様子に触れ、女官たちに気安く声を掛けて写真をねだる皇太子(大正天皇)に戸惑う。さらに、「俗の言葉でいえばお妾さん」である権典侍と、皇后の関係とは――。
明治末から大正初年、明治天皇と皇后(昭憲皇太后)に仕えた女官の手記。筆者は、華族・久世家の長女で、退官から40年以上を経た1960年(昭和35)、皇太子御成婚以来の「皇室ブーム」のなかで、本書を記した。いわく、「公表を許されなかった御内儀での御生活は、世上いろいろとあやまり伝えられておりますので、拙き筆をも省みず思い出すままを記して見ました。」
明治42年、18歳で出仕した三千子の見聞は、宮中のしきたりや天皇皇后の実像を生々しく伝えている。数十人にのぼる女官のさまざまな職名と仕事、女官長・高倉寿子や典侍・柳原愛子らの人となり、天皇自らが名づけた女官たちの源氏名とニックネーム。「雀」とあだ名された三千子は、天皇と皇后の睦まじい様子に触れ、また、女官たちに気安く声を掛けて写真をねだる皇太子(大正天皇)に戸惑う。さらに、「俗のことばでいえばお妾さん」である権典侍と、皇子の生まれなかった皇后の関係は、どのようなものだったのか――。
本書は、明治大正期の宮中の様子を伝える歴史資料としても多くの研究者に活用されている。巻末解説を、放送大学教授の原武史氏が執筆。
〔原本 : 『女官』 1960年、実業之日本社刊〕
- 前巻
- 次巻
オンライン書店で購入する
目次
宮中へ奉仕
明治天皇と昭憲皇太后
両陛下の御日常
内侍の生活
昔の女官気質
女官の行楽
次ぎ、清と忌服
夏の日の思い出
年中行事
明治天皇崩御まで
大正の御代を迎えて
晩年の昭憲皇太后
故郷に帰る
[附録] 宮中の言葉
あとがき
解説 原武史(放送大学教授)
書誌情報
紙版
発売日
2016年07月12日
ISBN
9784062923767
判型
A6
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
通巻番号
2376
ページ数
344ページ
シリーズ
講談社学術文庫
電子版
発売日
2016年07月22日
JDCN
0629237600100011000N
初出
本書の原本『女官』は、1960年に実業之日本社より刊行されました。
著者紹介
1892年(明治25)、子爵・久世通章の長女として京都に生まれる。1909年、宮中に出仕し、明治天皇、昭憲皇太后に仕え、1914年(大正3)に退官。翌年、後に旧制武蔵高校校長となる山川黙と結婚。1965年(昭和40)没。
オンライン書店一覧
関連シリーズ
-
悠仁さま
-
愛子さま 女性天皇への道
-
「東洋のダイアナ」に成長するまでの全記録 佳子さま 凛々しきプリンセス「30年のあゆみ」
-
天皇家の帝王学
-
マコクライシス 「眞子さんの乱」で見えた皇室の危機
-
幕末の天皇・明治の天皇
-
皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで
-
天皇語録
-
美智子さま いのちの旅 ―未来へ―
-
君は天皇を見たか 「テンノウヘイカバンザイ」の現場検証
-
昭和天皇ご自身による「天皇論」
-
天皇陵 「聖域」の歴史学
-
国民主権と天皇制
-
「平成の天皇」論
-
美智子さま 雅子さま
-
天皇陛下と皇族方と乗り物と
-
美智子さま あの日 あのとき
-
天皇交代 平成皇室8つの秘話
-
宮中五十年
-
皇室の風
-
ドキュメント 明仁天皇
-
天皇の歴史
-
天皇家のお葬式
-
女官通解
-
天皇と和歌
-
知られざる天皇明仁
-
元号通覧
-
日めくり31日カレンダー 永遠に伝えたい美智子さまのお心
-
皇后雅子 妃から后への三十年
-
ドイツ歴史学者の天皇国家観
-
侍従長の回想
-
甦る上杉慎吉 天皇主権説という名の亡霊
-
皇后考
-
華族誕生 名誉と体面の明治
-
天皇 天皇の生成および不親政の伝統
-
神話から歴史へ
-
昭和天皇の「極秘指令」
-
級友が綴る明仁親王
-
明仁天皇と裕仁天皇
-
明治天皇
-
幕末の天皇
-
伏見宮─もうひとつの天皇家
-
美智子妃誕生と昭和の記憶 プリンセスに密着した女性カメラマン
-
天智と持統
-
天皇陛下の全仕事
-
天皇と日本の起源
-
天皇と特攻隊
-
折口信夫天皇論集
-
聖武天皇 責めはわれ一人にあり
-
人間 昭和天皇
-
「天皇家」誕生の謎
-
「象徴天皇」の戦後史
-
「女性天皇」誕生の謎