文芸(単行本)作品一覧

十五万両の代償 十一代将軍家斉の生涯
文芸(単行本)
華美・豪奢にして
江戸時代の黄金期を
創出した未曾有の将軍
53人もの子を成し、「オットセイ将軍」とも呼ばれた
徳川家斉は、自由放任・放漫財政で好景気を演出した。
しかし自らの欲望が高じて生じた、幕府への大いなる代償とは。
「倹約はもう飽きた。贅沢をしたい。贅沢をして思いっきり羽根を伸ばしたい」
側近・水野忠成に命じて、世界経済史上類例のない
画期的な財政再建を行った徳川家斉。
好景気に沸く、爛熟した化政文化を演出しながらも、
自らの欲で、幕府は大きな代償を払うこととなる。

靖国への帰還
文芸(単行本)
大切な人を想うこと。ただ未来を、信じること。
日本を代表するベストセラー作家がいま書かなければならなかった物語。
第11回日本ミステリー文学大賞受賞第一作
「これは、私の代表作になるかもしれない。」――内田康夫
あの日の空、あの時の想いは、いまへとつながっている。
若者たちが純粋に生き、散った時代があった。そしていま、信じることを忘れた現代に、彼は何を見るのか。還るべき場所を失くした青年が探し求めた使命とは。
人の生き方、あり方を問う感動の書き下ろし長編小説

本格ミステリ館焼失
文芸(単行本)
森の中の閉ざされた館が崩れ落ち そして誰もいなくなった!?
愛する叔父の死の真相を探る 奈々緒、その驚愕の結末とは?本格ミステリへの愛と蘊蓄に充ちた傑作が誕生――これぞ、21世紀の「ザ・火沼(?)マ-ダー」だ!
ニィは、瞳の色とは逆の、冷たく冴えた眼差しで生首を凝視した。/やがて、ニィの唇から、低い唸り声が洩れてきた。/奈々緒がいくら耳をそばだてても、呪文かなにかのようで、意味の一片も聞きとれなかった。/ほどなく、多田野が言った。/「訳します」/そして、始まった。――(本文第1章より)
突如、磯崎の体が宗形の体の上に崩れた。ぴくぴくと足の先がいく度か動いて、それっきりになった。/私は仰天した。/「どうしたんです、海さん」/テーブルの下に入ろうとした。/その時、苦痛が、まるで天井が覆いかぶさってきたかのような苦痛が、私の脳天を襲った。/な な お――(本文第9章より)
――今は亡き作家と編集者に贈る、渾身の衝撃作

妖怪変化 京極堂トリビュート
文芸(単行本)
西尾維新が!あさのあつこが!京極夏彦の作品世界に挑戦!!
各界を代表する超豪華執筆陣。これはもう、おもしろくないはずがない!!
●「鬼娘」 あさのあつこ
●「そっくり」 西尾維新
●「『魍魎の匣』変化抄。」 原田眞人
●「朦朧記録」 牧野修
●「粗忽の死神」 柳家喬太郎
●「或ル挿絵画家ノ所有スル魍魎ノ函」 フジワラ ヨウコウ
●「薔薇十字猫探偵社」 松苗あけみ
●「百鬼夜行イン」 諸星大二郎
●口絵 石黒亜矢子/小畑健

裏切り涼山
文芸(単行本)
三氏絶賛!
面白い! 活劇シーンが、生き生きと描かれ、ストーリーに推進力がある。
亡き隆慶一郎氏を彷彿させる期待の新人が登場した。 逢坂 剛
確かな歴史と胸躍る伝奇の融合。場面の見通しの鮮やかさ。
時代のうねりを切り取る類い希な才。新鮮さと驚きに満ちている。 高橋克彦
男よのう、涼山――誰もが本書を読み終えてそう叫ぶに違いない。
心ふるわせる、面白くやがて哀しき傑作戦国時代小説の誕生だ。 縄田一男
裏切り涼山――それは、信念に従い、裏切ることで義を貫く男。
一年を越す兵糧攻めでも落ちない、難攻不落の三木城。
業を煮やした秀吉が送り込んだ、最後の使者――。
あらすじ
天正六(一五七八)年、織田信長の命で中国入りした羽柴秀吉は、播磨の別所家を攻
め、居城の三木城を包囲する。しかし城はなかなか落ちず、一年がたった。秀吉の腹
心・竹中半兵衛は、ある男に城に潜入してもらい、調略により開城に導こうと考える。
その男は信長に滅ぼされた浅井家の家臣だったが、主家を裏切り、信長方に内通、
今は僧侶となり涼山と名乗っていた。浅井の滅亡とともに自害したと思っていた娘が、
三木城にいると半兵衛から聞いた涼山は、尼子十勇士のひとり寺本生死之介とともに
三木城に入る。

白暗淵
文芸(単行本)
現代文学最高峰の作家・古井由吉、最新連作短篇小説集
言葉が用をなすその究極へ、著者の新たなる到達点。
女教師はちょうどこちらへ背を向けて、黒板に「暗黒」と細い指で大書して「くらき」と仮名を振り、光は暗黒に照る、而して暗黒は光を悟らざりき、と暗誦した。(中略)
その夜になり、自分はたしかに女教師の視線をまともに受けて、もうすこしのところでうなずきそうなまでになったけれど、相手の口にする闇という言葉に反応しながら、
内には闇らしいものも見えなかった、と坪谷は訝った。闇もなければ光も射さず、ただ白かった。いよいよ白くなっていくようだった。
--「白暗淵」本文より
静寂、沈黙の先にあらわれる、白き喧噪。
さざめき、沸きたつ意識は、時空を往還し、
生と死のあわいに浮かぶ世界の実相をうつす。
言葉が用をなすその究極へ、著者の新たなる到達点。

樹の上の忠臣蔵
文芸(単行本)
誰も語らなかった「忠臣蔵」の謎が今曝かれる!クライシスノベルの石黒耀、新境地!
赤穂四十七士の吉良邸討ち入りは幕府の策謀だった!?逆臣と蔑まれた48番目の浪士が、徳川幕府に蹂躙された全ての人々の仇を討つため立ち上がる!

ディアローグ
文芸(単行本)
日野啓三/古井由吉/島田雅彦/山折哲雄/菅野昭正/鐘下辰男/瀬戸内寂聴/高橋源一郎/横尾忠則/キム・ヨンス/青山真治/大江健三郎/近藤淳也……。宗教・文学・演劇・美術・インターネット……ジャンルを超え、各界の第一人者に挑んだ対談集。そこで聞き取った「言葉」とは?問題作を次々と世に出す小説家の秘密が明かされる――
日野啓三/古井由吉/島田雅彦/山折哲雄/菅野昭正/鐘下辰男/瀬戸内寂聴/高橋源一郎/横尾忠則/キム・ヨンス/青山真治/大江健三郎/近藤淳也――文学、演劇、ネットビジネス、様々なジャンルの一流の人々と語り合った ファースト対談集
時代の最先端で過去と向かい合い、未来を志向した著者の20代を中心とした思索と発見
宗教・文学・演劇・美術・インターネット……ジャンルを超え、各界の第一人者に挑んだ対談集。そこで聞き取った「言葉」とは?問題作を次々と世に出す小説家の秘密が明かされる――
インターネットの登場が、今日の知のあり方に圧倒的なインパクトを与えた事実については、誰も否定し得ないであろうが、面と向かって語り合うという、知の授受の原初的なスタイルが、依然として、匿名化され、断片化された情報の目まぐるしい摂取とはまったく違った強度の思考の鍛錬であるという事実を、私はこの10年弱の間になされた、これらの対談を通じて、身を以て実感することとなった。――<「あとがき」より>

モノローグ
文芸(単行本)
三島由紀夫/ミルチャ・エリアーデ/小林秀雄/紫式部/ランボー/トーマス・マン/ボルヘス/森鴎外/ピカソ/篠山紀信/フランク・ロイド・ライト/マイルス・デイヴィス――文学、音楽、美術、建築、そして、自らの作品について論じた ファーストエッセイ集。『日蝕』の衝撃的デビューから現在まで、常に時代の最前線に立ちつづけた著者の軌跡
三島由紀夫/ミルチャ・エリアーデ/小林秀雄/紫式部/ランボー/トーマス・マン/ボルヘス/森鴎外/ピカソ/篠山紀信/フランク・ロイド・ライト/マイルス・デイヴィス――文学、音楽、美術、建築、そして、自らの作品について論じた ファーストエッセイ集
『日蝕』の衝撃的デビューから現在まで、常に時代の最前線に立ちつづけた著者の軌跡
三島由紀夫の新たな読みを提示した「『金閣寺』論」、「『英霊の声』論」を中心に、あらゆるジャンルにわたって書かれたエッセイ集。現代における最重要人物・平野啓一郎がデビューから10年、主に20代に考えたこととは――
私が文学というものに目覚めたきっかけが、14歳の時の『金閣寺』体験だったことは既に方々で語ってきたが、ここで強調したかったのは、『金閣寺』及び『鏡子の家』の両作が、戦争体験と昭和40年代の政治活動とに挟まれた、三島の生涯に於ける決定的な分水嶺であったという点である。――<「あとがき」より>

ひぐらしのなく頃に 第三話~祟殺し編~(上)
文芸(単行本)
北条沙都子、変幻自在!
雛見沢の幼き“トラップマスター”を襲うシリーズ最大の悲劇!!
昭和58年。平和な雛見沢村で、毎日の“部活(ゲーム)”に興じる前原圭一と仲間たち。だが、何も知らず無邪気に楽しんでいたのは、彼ひとりだけだった。“トラップマスター”北条沙都子の日常に暗い影を落とす存在――両親の死、兄・悟史の失踪、名前だけの“保護者”、そして……。彼女の未来を悲劇にしないために、圭一は抗う!!
かつてない恐怖、そして来るべき未来の物語(ストーリーテリング)の可能性を斬新に詰め込み、あらゆるメディアを席捲したゼロ年代の記念碑的一大ムーブメント、『ひぐらしのなく頃に』の最終形態は、今ここに「小説」として結晶する――。
これぞ小説。『ひぐらしのなく頃に』の到達点にして新たな原点!

パーフェクト・ワールド What a perfect world!Book.12 Perfect Twelve~完全な12~
文芸(単行本)
完結
すべての過去が未来への軌跡。完璧な世界と仲間たちを信じ、エースは「ワンネス」に挑む!
「感謝したい。この<完璧な世界(パーフェクト・ワールド)>に」
すべての発端は、10年前――エースの下半身の自由を奪った「運命」の交通事故には、関係者すべての世界を揺るがす「最後の秘密」が隠されていた。真実に覚醒した車イスのヒーローは、みずからの生命と引き換えに<完璧な世界>の再構築を試みる。物語の終幕で「救世主」が選んだ世界とは?
物語を読むだけで、“英語”と“京都”と“運命”の達人に!

ターンAガンダム 月に繭 地には果実(下)
文芸(単行本)
そのMS(モビルスーツ)は文学の地平をも切り拓く。
福井晴敏×ガンダムの奇跡。
月と地球。双方の人類を巻き込んだ戦争は、宇宙を越え月にまで戦火を拡げていく。ロランの叫び、ディアナの嘆き、多くの生命を呑み込んで繰り返される悲劇。ターンAの名を持つMS(モビルスーツ)は、再び滅びへの道をひた走る人類をいずこへと導くのか――。福井晴敏でなければ描けなかった、ガンダムと人類と文学の相克。衝撃と感動のクライマックス――。
福井晴敏とガンダムが出逢い、伝説は神話へと飛翔する。

批評の精神分析 東浩紀コレクションD
文芸(単行本)
批評界のトップランナー 東浩紀 LSDコレクション、第3弾!
真剣勝負の全11対談
現代思想界のトップランナー東浩紀が、現代社会を形成する主要な題材(マテリアル)を網羅し、語り尽くした真剣勝負の全11対談(ダイアローグス)。各界の第一線で活躍する対談者――宮台真司、村上隆、大澤真幸、巽孝之、斎藤環、高木浩光、佐藤心、更科修一郎、元長柾木、福嶋亮太、稲葉振一郎、仲俣暁生――との対話を通して浮かび上がってくるのは、ゼロ年代の若者が生きる(サヴァイヴする)べき社会への指南と展望――!これぞ必読!東浩紀“LSDコレクション”、講談社BOXにて堂々完結!
東浩紀 Literature,Society,Dialogues!!

北京的夏
文芸(単行本)
松本剛の最高傑作。2007年、終わらない夏の歌を聴け。
目覚めよ北京。目覚めよロック。
1990年、夏。日本の人気ドラマー・トオルは、北京の路地裏で、魂を揺さぶる本物のロックと真実の愛に巡り合う――。中国地下ロックに賭けた若者達の青春の熱が、今再び、天安門の空を焦がす。
青春漫画の名手・松本剛の傑作たちが、電子で甦る!1990年、夏。人気ロックバンドのドラマー・トオルは、商業主義に毒された日本のロックに失望し、単身中国へ。そして、国家によってロックが厳しく規制されているはずの北京の地で、魂を揺さぶる本物のロックと、真実の愛に巡り合う――。中国地下ロックに懸ける若者達を描いた青春群像劇!

刀語 第十二話 炎刀・銃
文芸(単行本)
西尾維新×竹が放つ、待ってました!の時代活劇絵巻!
拳銃 vs 無刀
「あんたがいなきゃ、おれなんて――すぐに死んでたよ。すぐに折れて曲がって――錆びて、終わってたよ」
虚刀流・鑢七花と奇策士・とがめによる伝説の完成形変体刀蒐集の旅は、否定姫の腹心・左右田右衛門左衛門の所有する最後の1本――炎刀『銃』を前に、最期にして最悪の試練を迎えていた――。容赦なく、迷いのない“弾丸”に貫かれたとがめを、七花は果たして救うことができるのか――!?西尾維新と竹が描く、時代活劇絵巻。とある歴史の物語――これにて終幕!刀語、第12話の対戦相手は、否定姫腹心にして元忍者、左右田右衛門左衛門!
衝撃の12ヵ月連続刊行企画“大河ノベル”第12弾!
西尾維新が挑む時代活劇!こんな物語を待っていた!!

紅水晶
文芸(単行本)
現代最高の若手詩人・蜂飼耳 初の小説集
日本語は、もっと別のものを見ることができる
破壊と創造の波をよびさます、いくつもの感覚と視線 まちがいなく、この才能が日本文学をリードしていく
セックスが嫌いなので、結婚できない。百音(もね)が本心を打ち明けると、三輪山は顔をくもらせた。「じゃあ、なんでいままで付き合ってきたの? そんなこと、もっと早くいってくれればよかったのに」…………だって、そばにいるのが好きだったから、と百音は答える。確信をもって。他に理由などありはしない、という確信をこめて。三輪山はそれを聞くと、顔をゆがめた。顔の真ん中へゆっくり沈みこんでいく石を、百音は見た。――<「紅水晶」冒頭より>

指し手の顔 脳男 2 (下)
文芸(単行本)
心を壊された体が暴れだす。悪魔の犯罪を操るのは誰か。
舞い戻った「脳男」が動く。
情報源、美術館、癌、アイリーン・フランクリン、偽の記憶、トラウマ理論、ジャクリーヌ、赤外線カメラ、フラクタル圧縮、ライダースーツ、検体、遺伝子、探偵社、自然史博物館、家系、加減乗除、サイレント・キラー、タペストリー、死せるイエス、昇天、ローター、臭い豚、人体実験、携帯電話、アンドロジニー、歯車
あなたはやはり怪物だったわね。

指し手の顔 脳男 2 (上)
文芸(単行本)
江戸川乱歩賞史上に残る問題作。7年の構想を経て、いま復活。
脳と精神と肉体と善と悪と神と愛と。
情報屋、統合失調症、精神科救急、連続爆弾魔、医療財団、関取、博覧会、記者会見、ケースワーカー、不安障害、神父、既往歴、拷問、ブローカー、天使、マグダラのマリア、救世主、絵画史、催眠術、白い帽子をかぶった牛、科捜研、ノアの方舟、イブ、電気ショック、捜査会議、マスコミ、DNA、フロイト、愛宕タイムズ
すべてを疑え、すべてだ!

香菜里屋を知っていますか
文芸(単行本)
お客さまが持ち込む謎と、その解決。それが当店の裏メニューです。
マスターの工藤が作るちょっとした料理と、アルコール度数の異なる4種のビールが自慢のビア・バー香菜里屋が消えた……。人気≪香菜里屋≫シリーズ完結編
長い間のご贔屓、本当にありがとうございました。
香月圭吾、飯島七緒、日浦映一、越名集治、宇佐見陶子、蓮丈那智……香菜里屋の、懐かしい常連達が語る「私と香菜里屋」。そこから浮かび上がってくるマスター・工藤の秘密の過去と、香菜里屋の名の由来。工藤は、どこから来て、どこに行ったのだろうか。

ガイシの女
文芸(単行本)
「ガイシ=外資系企業」で働く女は、使い捨てなの?
キャリアを夢見るすべての女性に贈る会心作!
バリバリ働くイメージとは裏腹に、実情はパワハラ、セクハラが横行するシビアな世界。企業犯罪の犠牲になった兄の無念を晴らす杏子が、「ガイシの闇」に立ち向かう!
「推薦文を頼まれ、お義理で読むつもりだったのが、たちまち引き込まれ、夜中の2時まで一気に読了した。老若、善悪入り乱れ、魅力的な女性たちが巻き起こす『怪事件』に、悲運にめげず立ち向かう『ガイシの女』の、実に爽快なミステリーだ。」――内田康夫